中小企業診断士・IT資格受験対策講座:経営ビジョンとは

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■経営ビジョンとは
経営ビジョンは、企業の将来像を短いフレーズで表現したもので、企業の魂ともいえるものです。たとえば、「世界最高の製品で市場に貢献しよう」という経営ビジョンでは、この短いフレーズにその企業の将来像と目指すべき方向が明確に表現されることになります。
経営ビジョンは、その企業の社会における存在価値を示すものであり、企業の顔といえるものです。製品やサービスは、経営ビジョンのDNAを備えています。従業員の価値観や倫理観、企業風土も、経営ビジョンのDNAをもとにして形成されます。
 企業経営では、明確なビジョンと戦略は、羅針盤の役割を担い、企業の浮沈を決定すると言っても過言ではないでしょう。経営トップが明確なビジョンを従業員に示すことができなければ、現場の第一線で企業活動に携わる幹部や従業員は、右往左往することになります。企業活動のベクトルが各部門でバラバラな方向に向いて統制が取れなくなります。経営資源の無駄使いやロスが発生して、企業経営は衰退の道を辿ることになります。バランス・スコアカードでは、明確なビジョンと戦略の設定は、企業の経営能力開発における推進力という位置付けにあります。
 このように、経営ビジョンは、組織体の本質を決定付けるオーガナイザー(自己誘導)の機能を有しています。樹木にたとえれば、経営ビジョンとは、根っこを支える土であり、土壌の成分が木の成長の行く末に大きく影響します。
 以上のようにバランス・スコアカードにおける経営ビジョンは、経営的に非常に重要な機能を担うことがわかります。経営ビジョンは、企業の歴史の中で、形成されてくるものです。経営トップが交代するたびに変更になるようなものではなく、未来を長期的視点に立って洞察し、自社のあるべき姿を明確にしたものです。
しかしながら、事業環境変化のスピードが速い今日においては、経営ビジョンの陳腐化も速くなってくるといえます。経営ビジョンが、自社の事業内容を表現するのに無理が出てくる場合や、事業環境変化にマッチしない経営ビジョンである場合、トップダウンによる見直しが必要になってきます。

 バランス・スコアカードの実践は7ステップから構成されます。バランス・スコアカードの第1ステップでは、ビジョンを明確にします。ビジョンは、企業の社会的存在価値を短い言葉で表した理想の姿そのものです。ここでは、戦略策定のための基本方針を明らかにします。経営方針とも言い換えることができます。経営方針は、企業の方向性を決めるもので、企業内外に公開されます。
 第2ステップでは、経営方針に則り、経営評価の4つの視点にプラスαの視点を追加することを検討します。環境の視点やCSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)、リスク・マネジメントの視点を追加する企業が増えています。
 経営の評価の視点が決定したうえで、経営のゴールにおける最大の戦略目標として、KGI(Key Goal Indicator)というものを設定します。KGIとしては、売上高や利益率の伸び、市場シェアなどがよく使われます。企業では、KGIは、半年あるいは1年スパン程度の短期計画、3年スパン程度の中期計画、3〜5年程度の長期計画において、各々設定されるのが一般的です。
 第3ステップでは、KGIを達成するために、企業を取り巻く外部環境と内部環境の分析を行います。ここでは、SWOT分析という手法により、強み、弱み、機会、脅威を洗い出して、機会を活かして強みを強化し、脅威から弱みを回避することにより、勝つための基本戦略を練ります。
 第4ステップでは、SWOT分析をベースにして、4つの視点の因果関係を連関的に表現した戦略の鳥瞰図を作成します。ここでは、外部環境における機会を捉えてビジネス成長を図るとともに、外部環境の脅威を回避するシナリオを財務、業務プロセス、学習と成長、および顧客からなる4つの視点で練ります。・・・・・・・

最終的には、目標の設定に対するモニタリング(監視)を組織的かつ定期的に実施し、実績とのギャップを明確にして、問題点の把握、要因分析を行い、対策の軌道修正を図っていきます。

企業活動におけるバランス・スコアカードの作成は、組織のトップから、事業部長、ミドルマネジャー、一般の従業員にいたるすべての階層において、全社的に実施します。ただし、慎重を期すため、特定の事業部や部門でテストパイロット的に実施して、仮説、検証の評価を行い、段階的に全社的に水平展開していくアプローチが有効です。




■ITソリューションと経営的視点
 ITソリューション戦略の検討において、留意すべきことは、クライアントと一体になって企業活動の仕組みの見直しを十分に行うステップを踏まずに、ITソリューションの絵を描いてはならないということです。IT投資効果を見極め、経営的視点からITの導入を検討します。

□経営手法とビジネスプロセス
 企業活動の仕組みの再構築を図っていくステップでは、クライアント企業の事業特性や企業文化、組織特性、製品特性、及び事業特性などの実態にマッチした最適な経営手法を導入し、ITソリューションで企業活動の枠組みを固める必要があります。
 経営手法は、企業活動におけるビジネスプロセスの強み、弱みを見極め、競合に負けているビジネスプロセスを強化するために適用されます。各種の経営手法が企業活動におけるどのビジネスプロセスで活用できるのかをよく知っておくことが重要です。
 企業活動におけるビジネスプロセス毎にマッチした経営手法にはどのようなものがあるのか、相互の関係をしっかり把握することが大切です。

コア・コンピタンス
 利益の源泉となり,他社と比較して優越した自社独自のスキルや技術を指します。自社のコア・コンピタンスを見極め、経営資源をそこに注力することで、経営資源の有効活用が図れ、経営効率の向上につながります。コア・コンピタンスには、開発力、販売力、生産力や、他社がまねのできない革新的な独自の専門的技術などがあります。

□SIS(Strategic Information System) 
 SISとは,競争優位を目指した戦略的情報システムのことを指します。情報システムにより,経営に関するデータの蓄積,活用を促進する効率的な業務や取引の形態に転換していく狙いがあります。
 ここで、競争優位とは、自社が競合の企業に対して企業活動の仕組みや,製品開発力,サービス力、ブランド力などで勝っているような状況を指します。

アウトソーシング
 アウトソーシングとは,外注化のことです。限りある経営資源をもつ企業が,外部の経営資源を活用することにより,経営効率を高めることができます。
 たとえば,製品の開発あるいは生産を外部企業に委託し,自社の得意分野に人,モノ,金を集中することにより,収益の向上が図れる例がよく見られます。情報システムのアウトソーシングでは,情報システムの構築や運用を社内のシステム部門から外部の専門業者に委託します。情報システムの導入コストや運用管理コストの低減化が図れます。
CRM及びSCM
 顧客管理強化のための経営手法であるCRM(customer relationship management)では、顧客と製品・サービスを提供する企業とが相互に信頼関係を築くための顧客管理を行うことができます。
 企業と顧客の信頼関係の確立を目指して,企業は顧客の消費プロセスに深く関わって行く企業活動の展開が必要です。顧客への個別対応と信頼関係の強化がマーケティングの重要課題になってきています。
 CRMにより、特定の顧客のセグメントニーズに着目して掘り下げ、そのニーズに合った商品やサービスを開発、提供することで、顧客との緊密な信頼関係を築くことができます。

 SCM(Supply Chain Management)は、企業間連携による全体最適の仕組みの構築に不可欠な経営手法です。IT(情報技術)を活用して、情報の共有化による企業間連携を高め、取引先との受発注、調達、在庫、製造、物流プロセスに関わる情報などを共有します。
 企業活動を全体最適の視点でマネジメントすることで、リードタイムの短縮化や在庫の低減化,流通コストの削減に効果を発揮します。企業の供給活動のプロセスにおけるモノ・情報・金の流れを供給連鎖(サプライチェーン)と捉えます。SCMの情報システムに参加する企業間で、経営資源全体最適の視点で一元管理できます。ここでは、企業間の既存の枠組みにとらわれず、需要情報、生産情報、顧客情報、製品情報など、企業活動に関わる情報を参加企業間で共有し、参加企業が一体化できる仕組みを構築できるかどうかがポイントです。

□ ステークホルダー(利害関係者)からみた評価
 多数の(ステークホルダー)利害関係者が参加する情報システムでは、関係者や関連部門、関連企業の満足ある評価を得なければ、プロジェクトの推進に支障を来たし、システムの定着化も図れません。
 スパイラルアプローチによる評価・軌道修正のフィードバックサイクルが機能するためには、プロジェクト評価項目を明確にしておくことが大切です。
プロジェクトの企画・計画段階で、クライアント企業の経営トップをはじめ、利害関係のある関係者・関連部門、関連企業の品質評価尺度を予め情報収集します。関係者のリーダー格のメンバーからなる会議で十分に議論を尽くし、プロジェクト評価尺度を決定します。これは、プロジェクトメンバーの目標設定を可能にし、モチベーションの形成を促し、プロジェクト推進のエネルギーの源泉となります。

プロジェクトを推進するうえで、戦略の実践に必須のプロジェクト評価にはさまざまなものがあります。ここでは、プロジェクト評価のフレームワークの考え方がプロジェクトの成否を決める大きなファクターとなります。
 プロジェクトにおける対象領域の設定は、プロジェクトの品質を決めるうえで、決定的な役割を果たします。対象領域のレベル設定では、次の5つのカテゴリーに分けることができます。?部門内での業務レベル課題解決のためのIT・BSC、?関連部門を含む業務レベル課題解決のためのIT・BSC、事業戦略に関わる事業部レベルにおける課題解決のためのIT・BSC、?経営戦略に関わる全社課題解決のためのIT・BSC、?サプライチェーン・マネジメント(SCM)の具現化のような企業内外の関係する企業(サプライヤ、物流業者、販売店など)との連携ビジネスにおける課題解決のためのIT・BSC、?地域連携ビジネスのIT・BSC、国家連携レベルのIT・BSCに階層化できます。 さらに、対象領域のコンテンツの設定では、次のような12からなるカテゴリーを設定できます。?業務プロセスの改善・改革・革新、?新ビジネスモデルの創造・構築、?既存ビジネスのリエンジニアリング、?新業態の創出、?競争優位の確立、?コスト低減、?ビジネススピードアップ、?企業間連携、?合併&買収によるシステムの統合化、?新製品の輩出、?技術革新への対応、?環境経営への対応があります。
 さて、ITのプロジェクトの全体価値は、どのように数値化できるでしょうか。
<アプローチ> 2つの要素の全体価値は相乗積で求める!
 プロジェクトの全体価値は、ITバランス・スコアカードの対象領域におけるレベルとコンテンツとの積で数値化できます。
企業において、S1からS11及びTS1からTS5までの評価で、スコアを設定することで、プロジェクト全体の価値を評価でき、複数プロジェクトの優先順位付けに役立てることができます。すなわち、プロジェクトの全体価値=ΣSi×TSiで求めることができます。
プロジェクト対象領域 Si:        対象領域レベル TSi:
                 
業務プロセスの改善・改革・革新(S1)  部門内での業務レベル(TS1)
新ビジネスモデルの創造・構築(S2)
既存ビジネスのリエンジニアリング(S3)   関連部門業務レベル(TS2)
新業態の創出(S4)
競争優位の確立(S5)            事業戦略レベル(TS3)
コスト低減(S6)            
ビジネススピードアップ(S7)        経営戦略レベル(TS4)
企業間連携(S8)
合併&買収によるシステムの統合化(S9)   企業内外連携ビジネスレベル
新製品の輩出(S10)                      (TS5)
技術革新への対応(S11)           地域連携ビジネスレベル(TS5)
環境経営への対応(S12)           国家連携ビジネスレベル(TS6)

□IT投資評価の基本的考え方
 ITの技術革新のスピードはシステムの陳腐化を促します。業界標準にマッチしたITテクノロジーの採用は、企業間における双方向でのオープンな情報のやり取りの実現のためには不可欠なアプローチといえます。
 自社のコア技術,業務・技術ノウハウ,強みのオペレーションや経営資源の最適化を図るために,どのようなITテクノロジーを選択し,情報システムのインフラ基盤を構築していくべきかを検討しなければなりません。
 ITのニューテクノロジーの導入では、現行システムとの技術的な整合性の検討も重要です。情報システムの変更、改善では、大きな再投資が不要なITデザインが要求されます。投資効率を十分に評価・検討し、クライアント企業の業態、事業特性にマッチしたITソリューションを選択できる能力が必要です。
 情報システムのRFP(Request For Proposal:提案要請)では、クライアントに対して、複数の代替案を提示することがポイントです。少なくとも3案からなるITデザインをクライアント企業に提示することが有効です。

 IT投資効果を検討する際,複数のプロジェクトの優先付けには,会計利益率法などが用いられます。さらに、現在価値法や回収期間法などの投資評価手法により,事業採算に支障を来さない投資判断を行うことがポイントです。
 現在価値法では,投資金額を利率で割り引いて現在価値に直して投資効果を算出します。回収期間法では,予想される効果金額が何年で回収できるかを算定して,回収のメドが立つ期間・年数と回収基準期間・年数とを比べて,投資の意思決定を行います。

 プロジェクトマネジメントの視点から、システム化におけるユーザ・ニーズを明確にし,推進スケジュール,開発体制,予算などに関する計画を立て,関係部門,関係者,経営トップの承認を得ます。
 次に、システム化における対象業務内容を明確にし,ユーザ・ニーズとして開発技術者に提示します。基本計画はシステム化計画,プロジェクト実行計画,要求定義の3つに作業工程が分かれます。
 ITプロジェクト推進計画書の作成では,プロジェクトの狙い・背景をまず,明確に記述することが重要です。なぜ,情報化を進めなければならないのか,事業性や競合他社の動向,業界の動向,技術革新の動向など,企業内外の環境を十分に把握したうえで,現状の問題点を整理し,全体最適かつ戦略的に問題点の解決策を練ります。
 問題点を解決するためのITソリューションの選択では、投資効果,現状のITの整備状況,IT人材の情報システムの運用管理能力やスキルなどを見極めたうえで,明確なソリュ−ションのデザインが要求されます。
 プロジェクトの推進では,後戻りはできないという覚悟のもとに、様々な問題や障害に万全の体制をもって望む必要があります。登山に、万全の準備をして望む場合でも、気象条件の変化や思わぬトラブルなどに遭遇して、戦略の練り直しが幾度も要求されるのが常です。 
 プロジェクトでは関係者が多数関わり、チームワークのパワーを発揮できるかどうかにより、プロジェクトの成否が決まるといえます。このため、十分な意見調整と情報の共有が図れる仕組みを構築することが不可欠です。
プロジェクトの推進スケジュールは、関連部門,関係者,ITベンダーとの調整のもとに明確にし、理解を得て、周知徹底を図ることが大切です。ここでは,①情報化のための現状調査・分析,ユーザ・ニーズのヒアリング,続いて,②システム設計,開発,テスト,③システム導入・本格稼働・運用管理からなる日程計画を記述します。システム化計画の記述では、投資額対期待効果の評価,開発の体制及び規模,技術革新の動向調査だけでなく、推進上の問題点・課題・対策なども明記します。
 企画書には,以上のように,プロジェクトの推進における必須項目を明記するとともに、IT投資効果の明確化を図るため、経営的視点で目標効果の明細をできる限り金額,数値で記述することがポイントです。

RFP(RFP:Request For Proposal)
 ITベンダーにITシステム導入の見積もりを依頼する際には、提案依頼書(RFP:Request For Proposal)が作成されます。
ITシステムの投資検討では、複数のITベンダーに対して、システムの概要や構成要件、調達条件を記述したシステム提案を依頼する文書(RFP)が必要となります。RFPには、ハードウェア及びソフトウェアの構成、サービス内容、依頼事項、保証用件、契約事項などを明記します。

ERP
 ERPはEnterprise Resource Planningの略で,企業の基幹業務全体を支援する統合情報システムを指します。調達管理,生産管理,会計・財務管理,人事管理,販売管理,サービス管理など,企業活動における各管理分野をサポートする各種のソフトウェア・パッケージがITベンダーにより供給されています。
ERPは標準的なビジネスプロセスをシステム化しているため,グローバル経営を目指す企業にとっては,スピーディかつ安価にシステムの立ち上げが可能である点がメリットといえます。
 ERPの各モジュールはその業界でのベストプラクティスの経営の仕組みやビジネスプロセスを組み込んでいるため,企業経営のやり方やビジネスプロセスの刷新手段としても優れています。
 世界各国の通貨に対応した多通貨対応機能により,グローバルな決済機能を持つ多言語対応のERPソフトウェア・パッケージも用意されています。
 ERPのデメリットとしてよく指摘されるのは,日本独自の商習慣になじまないものがあるものも多いという点です。現行業務にERPパッケージをフィットさせようとする場合,ソフトウェアのカスタマイズ費用が当初の見積もり金額を大幅に超過することもあります。
 ERPパッケージの選定では,ベンダーのコンサル力,情報システム企画・構想・構築能力,導入後のサポート体制,企業規模,価格見積基準の根拠,技術対応力,コード体系,使い勝手,基本コンセプト,各種機能・オプション,導入実績などをチェックすることがポイントになります。
 複数のITベンダーを徹底的に比較・検討して,IT投資規模,経営・事業特性を十分に勘案したうえで選定することが大切です。
 コード体系の全社的な統一化も大きな負担になるため,関連部門,関係者を含めて現行の情報システム及び業務プロセスの十分な事前調査を行う必要があります。

□SI(System  Integration)
SIとは,ユーザニーズの分析・把握に基づいてハード・ソフトの全てに関わる情報システムの構築において、立案・設計・開発・導入、及び運用の準備,保守などに至る幅広い業務を一貫して統合的に行うサービスを指します。このような業務を請け負う業者をSI(syetem integrator)と呼びます。IT化レベルが高くないユーザでは、ERPの導入において、SIの活用を図ることで、IT化を進める選択肢もあります。


システム開発の手法を理解する

 基幹業務システムの開発では,開発の手順をモデル化したものとして,ウォータフォールモデル,プロトタイピングモデル,スパイラルモデルの3つの開発モデルがあります。迅速な開発手法としてはRADがあります。ウォータフォールモデルでは,システムの開発の上位フェーズから下位フェーズに向けて,前工程の成果と次工程に引き継ぎながら,順次開発を進めていきます。

基本計画―>外部設計―>内部設計―>プログラム設計―>プログラム開発―>テスト―>運用・保守

 作業のフェーズは,基本計画,外部設計,内部設計,プログラム設計,プログラミング,テストからなります。各工程ごとに成果物の検証作業が組み込まれす。これにより,前工程に戻るのが困難であるという欠点を防ぐことができます。

□ウォータフォールモデル
 ウォータフォールモデルによるシステム開発では,単体テスト,統合テスト(モジュール間のテストであり,結合テストともいう),システムテスト(システム全体の機能テストや処理時間,処理能力をチェックする性能テストであり,総合テストともいう),承認テスト(検収時に行うテスト),運用テストがあります。
□プロトタイピングモデル
 プロトタイピングモデルでは,開発段階で試作品(プロトタイプ)を作って,エンドユーザのニーズを十分に確認しながら開発を行います。試作品の結果を以降のシステム開発工程に反映できます。エンドユーザに画面や帳票のイメージを与えながら開発者と一体になって要求分析と基本設計を行います。

□スパイラルモデル
 スパイラルモデルでは、大規模開発向きのウォータフォールモデルと小規模開発に向いているプロトタイピングモデルの長所を取り入れています。この手法では、システムの一部の開発から始め,サブシステムごとに開発し,発展的に成長させて全体のシステムにつなげいきます。通常、開発工程のリスク管理に重点が置かれ,ユーザの要求定義のステップでプロトタイピングモデルを用います。
 
□RAD
RAD( Rapid Application Development)では,短期間でアプリケーション開発を行うことができます。①キックオフミーティング、②要求定義、③外部設計、④開発、⑤導入のステップからなります。RADでは、特に、外部設計において、プロトタイピング手法を用いて、ユーザ・ニーズを明確にし、外部仕様を効率的にすばやく確定するところに特徴があります。開発のステップでは、CASEツールなど、各種のツールやソフトウェアパッケージを活用し、短期間の開発を実現します。プロトタイピングの開発では、ユーザの参画により、効率的なユーザ・ニーズの吸収を図ります。
□システムの見積り手法
 オブジェクト指向GUI(Graphical User Interface)画面による開発の活発化に伴い,プログラムのステップ数で見積もる従来の方法ではコスト算定の信頼性の確保が難しくなっています。ファンクションポイント法では,システムに求められる機能及び規模,開発の難易のレベルを分析し,開発コストを見積もります。
 現行システムから新規システムに移行する際に関わるシステム移行時の留意点について理解します。現行システムから新規システムの移行においては、関係者の参加のもとに、まず、移行対象を明確に決定する必要があります。データ変換の移行作業、ハードウェア、ソフトウェアの移行作業など、手順と準備事項、担当者、スケジュールを明確化し、移行計画書を作成しなければなりません。そのうえで、関係者の了解を得て、移行リハーサルを行い、新たに発見あるいは発生した問題点や課題を抽出し、本番稼動のための移行計画を確定し、移行の実施に着手することになります。
 ここでは、移行失敗時のリカバリーをどのような段取りと手順で行うか、不測事象対応計画として事前に準備しておくことも必要です。さらに、システム規模が大きい場合や、関連部門、関連する外部企業が多数に亘る場合は、システムのダウンやバグなどによるトラブルを想定して、移行対象範囲を限定し、特定の部門、関連する企業でパイロットテストを行い、十分に、検証し、問題点を洗い出し、改善を図った上で、順次、移行対象範囲を拡大していくアプローチが重要といえます。

□ システムの運用計画のポイント
 事業環境変化への対応などのため,情報システムのハードウェア,ソフトウェアに関する構成変更が発生すると、現場業務に支障が生じないようにシステムの運用管理を図る必要があります。
 情報システムでは、ハードウェアの更新やソフトウェアのバージョンアップが発生するため,ハードウェアとソフトウェアの構成を記録できる台帳管理が必要です。システムセキュリティの確保のためには、ユーザIDやパスワード管理を組織的に行う必要があります。情報システムに関するセキュリティ評価基準ISO15408では、第三者機関が企業における情報処理機器や運用システムにおけるセキュリティ機能・品質を検査し,問題がないことを証明します。システムの運用においては,セキュリティ対策を十分に検討し,実施することが重要です。
 バッチ処理を採用しているシステムでは,システム運用の詳細なスケジュールを計画します。処理内容の優先順位,処理手順のルールを明確にして,運用マニュアルを作成し、運用状況は、運用日誌に記録します。システムのトラブル発生時には,日常業務に支障が出ないように迅速に対応できるような仕組みを不測事象対応計画として、事前に計画します。システムの保守は、定期的にチェックを行い、未然にトラブルの発生をを防ぐことが要求されます。

□ TCO( Total Cost of Ownership)と運用形態の選択のアプローチ
 運用管理では、TCOの考え方が重要です。TCOとは,コンピュータの導入時の初期投資費用だけではなく,運用・保守や教育に関わる導入後の費用を含めたシステムの総コストを指します。情報化におけるコストには、要件定義段階でのコンサル費用、ハードウェア及びソフトウェアの費用、システム開発費用、導入・運用管理費用、廃棄費用などがあります。システムのコストは、情報システムのライフサイクルの視点で把握することが大切です。    
 たとえ導入までのコストが比較的安くても、人件費やソフトのバージョンアップ、通信費用、カスタマイズやシステム改善などの運用管理コストで当初の見積もりを大幅に上回る場合も発生することが多く、注意が必要です。
 システム稼動後、ネットワーク負荷やシステム負荷が当初の予想に反して増大し、レスポンス悪化によるシステムの大幅な見直しなどが発生するケースもあります。 TCO削減のためには、自社で利用する情報システムを自社で資産として保有せずに、リースの利用やASPサービス、アウトソーシングなどを活用する選択肢が一般的です。ROI(Return On Investment:投資収益率)の向上を図れるIT投資へのアプローチが重要になってきています。外部のASPやハウジング・サービス、ホスティング・サービスを利用するなど、多彩なTCOのアプローチがあります。


□ ベスト・オブ・ブリード
 ベスト・オブ・ブリードとは、特定のベンダーに企業のシステム全体を任せるのではなく、各々の分野で最良のシステムを選択して組み合わせる手法です。企業間の合併・統合の動きが増す中、TCOを図るための注目すべきアプローチです。ここでは異なるパッケージ間のインターフェースをEAI(Enterprise Application Integration)ツールで統合することで、特定ベンダー依存のシステムから脱却し、コスト優位性を確保することも可能になります。

クラウド・コンピューティング
 クラウドコンピューティングでは、ネットワーク経由の大規模なデータセンターを介して、従来は自分のシステムで利用していたフトウェアやデータなどをサービス形式で必要の都度、利用する方式を採用します。
 ユーザーは、システムの投資や更新・バックアップ管理などから開放されるメリットがあるが、セキュリティ管理上の問題が残ります。


中小企業診断士受験対策:財務分析―危険な会社と伸びる会社

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 危険な会社を見分けるには、決算書における安全性のチェックポイントとして、次の7つをマークすれば十分です。株投資にも有効な指標です。

1.借金の支払い能力をチェック
 流動比率流動資産÷流動負債×100(%)
      
 優良企業:200%以上
安全圏:150%以上
危険圏:100%以下
流動比率は、1年以内に現金化できる資産と1年以内に返済要する借金を比較して、借金の健全度を見る。

2.短期即時支払能力をチェック
当座比率当座資産÷流動負債×100(%)
安全圏:100%以上
危険圏:90%以下
当座資産=現金・預金+受取手形売掛金+有価証券−貸倒引当金

3.借金の支払い能力をチェック
 流動比率流動資産÷流動負債×100(%)
      
 優良企業:200%以上
安全圏:150%以上
危険圏:100%以下
流動比率は、1年以内に現金化できる資産と1年以内に返済要する借金を比較して、借金の健全度を見る。

4.短期即時支払能力をチェック
当座比率当座資産÷流動負債×100(%)
安全圏:100%以上
危険圏:90%以下
当座資産=現金・預金+受取手形売掛金+有価証券−貸倒引当金

5.資本力をいかに返済不要の資金でまかなっているかチェック
自己資本比率自己資本(I)÷総資本(J)×100(%)
     
 優良企業:40%以上、安全圏:30%以上



6.設備投資をいかに返済不要の資金でまかなっているかチェック
固定比率=固定資産÷自己資本×100(%)
   
安全圏100%以下、危険圏:100%以上
7.設備投資の長期資金(固定負債)依存度をチェック
固定長期適合率=固定資産÷(自己資本+固定負債)×100(%)
安全圏:100%以内、危険圏:100%以上(資金繰り悪化)


伸びる会社や投資すべき会社を見分けるには、決算書における次の成長性及び効率性のチェックポイントをマークすれば十分です。

1.過去3年間程度の決算書で成長性の推移をチェック
成長企業では、下記の指標は、少なくとも3年以上は増加傾向にあり、右肩上がりになっていることが絶対条件です。
・売上高伸び率、営業利益増減率
・経常利益増減率、自己資本増減率
・総資産増減率

2.効率性チェック
総資本回転率は、正常な経営の企業では、1〜2回転以上が必要です。
・固定資産回転率は、製造業等で2.5回転以上、流通業では5回転以上が必要です。
・売上債権回転率は、6回転以上で、資金回収力が正常です。
棚卸資産回転率は、6回転以上で、製品販売力が正常です。

<財務分析手法>

損益分岐点分析とは
損益分岐点は企業において、事業採算を見極める際に使われる手法です。収益性の検討には不可欠な手法といえます。
費用を変動費と固定費に分けて考える損益分岐点分析の手法では、売上高や販売量の変動により、企業収益や原価がどのように変化するかを把握できます。損益分岐点売上高とは,損益がゼロのときの売上高を意味しています。損益分岐点売上高を求めるためには,まず,費用を操業度や売上によって変わる変動費と、操業度や売上によって変動しない固定費に分けます。
固定費には間接部門の人件費・労務費、減価償却費、支払利息・割引料、租税公課などがあります。変動費には原材料費、エネルギー費、外注加工費、販売経費などがあります。

損益分岐点売上高は次式で計算できます。

損益分岐点売上高=固定費÷(1−変動費÷売上高)
          =固定費÷(1−変動費率)

ここで、以下の式が成立します。
変動費率 = 変動費 ÷ 売上高
固定費率 = 固定費 ÷ 売上高
限界利益率 = 1 − 変動費
損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ (1−変動費率)
       = 固定費 ÷ 限界利益


■経営分析の5つの視点とは
企業が順調な経営運営を行っているかどうかは、経営分析による評価で把握できます。経営分析では,事業の収益性、資本投資効率などの生産性、経営の安全性や成長性などを分析する各種の指標で評価できます。ここでは、経営分析に用いられる代表的な評価指標について説明していきます。
□ 収益性、効率性、安全性、生産性、成長性の視点
会社経営が順調に行われているかどうかを分析する視点は、収益性、効率性、安全性、生産性、成長性の5つです。
企業経営の成果は収益性によって判断できます。収益性は、いかにうまく儲けているかを見るために必要な視点です。収益性は資本の運用の巧拙や製品力のレベルなどにより左右されます。収益性の評価指標として、資本利益率、売上高総利益率、売上高営業利益率などがあります。収益性を判断するのに、損益分岐点分析の考え方も有効です。
会社経営の効率性では、会社が資本や資産をいかに効率よく使っているかを見ます。効率性は、売上債権回転率、棚卸資産回転率、自己資本回転率、総資本回転率などでチェックします。いかに資本や製品、商品の回転スピードを上げている経営を行っているかを見るためのものです。回転スピードが下がると、資本効率が落ちたり、在庫が増えて、経営効率がダウンし、経営コストの悪化につながってきます。
安全性の分析は、取引先における危ない会社を見分けるために不可欠な視点といえます。事業環境変化の激しい現代においては、会社倒産の危機は常について回ります。順調に推移していた業績が、ある日、突然、戦争や地震災害など、突発的な事象の発生で悪化する場合があります。あるいは、大手顧客である取引先の倒産により、現金回収ができずに、倒産の危機に追いやられる場合もあります。粉飾決算の発覚や経営トップの不祥事、顧客を無視した事業運営などで倒産するケースもあります。顧客のライフスタイルの変化に追従できずに、業績が大幅に悪化する会社も見られます。
多角的なリスク管理を行うことで、あるレベルまでは、経営リスクを回避できますが、事業経営は生き物であるため、常日頃から、企業体質の強化を図っておく必要があります。経営の安全性は、事業環境変化にいかに対応できる企業体力を備えているかを見るものです。安全性の分析には、会社の基礎体力や、負債の支払能力、運転資金など、財務面でのチェックがポイントです。
生産性とは、企業の生産活動において、投入する経営資源と産出高との関係から企業の経営効率のレベルを分析するものです。従業員一人当たりの売上高や売上利益率などをチェックします。生産性は、製品や商品のコスト低減力の評価に直結する視点です。安い人件費で効率的にものを作れるような生産力の向上や、単位時間当たりに生産できる製品の数量がアップすれば、生産性が高くなっていると判断できます。
会社の成長性のチェックでは、売上や利益に関する年々の推移の指標から、企業の安定成長の可能性を把握します。企業成長は、従業員や株主、社会への利益還元の拡大には不可欠なものです。企業の成長性を判断する評価指標には、売上高伸び率、営業利益伸び率、経常利益伸び率などがあります。

□ 分析の切り口にはどのようなものがあるのか
 経営分析の切り口をうまく使いこなせば、会社経営の実態がくっきりと見えてきます。
① 財務諸表を使って分析する
経営分析の基本情報は、貸借対照表損益計算書キャッシュフロー計算書の3つから収集できます。財務諸表からいかに有益な情報を読み取ることができるかは本書で順次紹介していきます。
② 経営指標を計算して分析する
財務諸表の数値をいろいろな切り口で加工して計算すれば、各種の有益な経営指標を導き出すことができます。
③ 業界・競合・時系列・目標値の比較によって分析する
業界情報、競合他社情報、数年間の過去の実績情報、経営目標値など、各種の経営情報をベースに、実績の経営指標を相互比較することによって、会社の事業の経営レベルを把握することができます。

□ ROE株主資本利益率)とは
株主資本利益率ROE:Return On  Equity)は、企業が株主から預かったお金を使って効率的な経営を行っているかを判断するための指標です。グローバル企業には、不可欠な指標です。企業が事業活動で用いる総資本は、株主資本と他人資本から構成されます。株主資本は企業が株主から預かったお金です。他人資本は銀行借入や社債などによる資本の調達によるものです。
ROE(Return on Equity)は、自己資本(株主資本)に対してどの程度の利益を上げているかを示すものです。ROEは株主が投資したお金の利回りを意味しています。ROEは、株主資本(自己資本または純資産)に対する税引後の当期利益の割合のことで、株主資本利益率あるいは自己資本利益率ともいいます。株主資本は株主が出資した資本金、法定準備金、剰余金の合計です。株主にとって、投資した企業のROEの値は、少なくとも市中金利よりも大きくなければ、魅力の無い投資になってしまいます。計算式から、当期利益の増加、あるいは、株主資本の減少によって、比率は高くなります。当期利益を増やすことが、株主資本の増加につながります。

ROE株主資本利益率)=純利益÷自己資本
=当期利益÷株主資本

会社は借入れにより資金を調達し、ROEの数値そのものを高くすることが可能です。そのため、ROEの絶対値そのものを自己資本比率の異なる会社間で比較しても有益な情報は得られません。連結決算時代では、単独ROEでなく連結ROEで判断する傾向にあります。一般には、10%以上のROEを達成できれば、優れた企業といえるでしょう。欧米の優良企業では、ROEが20%を超えている企業が数多くあります。
分子の税引後の当期利益と分母の株主資本を発行株式数で割ると、次の式を得ることができます。
ROE=一株当り利益÷一株当り株主資本

□ 総資産利益率を判断するROA
ROA(Return On Assets)は、税引き後利益を総資産の金額で割ったものです。ROI(Return On Investment)は、投下資本に対して得られる利益の割合のことです。
ROA(Return On Assets:総資産利益率)は、純利益である税引き後利益(当期利益)を総資産の金額で割って求めます。ROAは、総資産に対する投資利回りの意味です。10%以上が理想といえます。

    ROA = 当期税引き後利益÷総資産

ここで利益の金額には、経常利益または営業利益を一般的に用います。ROAでは、株主資本に加えて、借入金など他人資本も加味した総資産で計算します。

□ ROIとは
 ROI(Return On Investment)は、投資利益率のことで、投下資本に対して得られる利益の割合のことです。投資に見合った利益を生み出しているかを判定できます。企業における事業や資産、設備の収益性を測る指標として活用されています。
ROI= 経常利益÷投下資本
   =(売上高÷投下資本)×(経常利益÷売上高)
  =経営資本回転率×売上高経常利益率

□ 経済付加価値EVAとは
EVAは、経済付加価値のことで、Economic Value Addedの略語です。米国のコンサルティング会社 スターン スチュワート(Stern Stewart)社の登録商標です。税引後利益から使用する資本のコストを加味した利益を指しています。
EVAは、企業が投資家の期待以上の利益を生み出し、付加価値を創出することができたかを判断するための経営指標です。会社の資本コストの計算では、負債のコストと株主資本(自己資本)のコストの両方を見る必要があります。WACC(加重平均資本コスト)は、負債と株主資本のそれぞれの金額で加重平均して計算したものです。
EVAは企業で創造された価値を測定するための指標として活用されています。事業の生み出した利益から資本コストを差し引いた差額を指し、算出されたEVAがプラスになれば価値を創出していると判断します。EVAは、税引後営業利益NOPAT(Net Operating Profit after Tax)から投下資本(C:Invest Capital)の資本コストを差し引いて、収益力を把握します。EVAでは、投資すべきか否かの判断の基準は、資本コストを上回る投資案件か否かで判断します。EVAは、資本コストをかけて投資すべきか否かの判断基準を与えてくれます。
EVAにより、資本コストを上回る利益がある場合は経済的な付加価値が生まれ、逆に資本コストを下回る利益しか確保できない場合には経済的価値を生まないということが判断できます。

・EVA=税引後営業利益NOPAT−投下資本C×加重平均資本コストWACC
・WACC=株主資本のウエイト×株主資本コスト+負債資本のウエイト×負債コスト

キャッシュフロー計算書とは
キャッシュフロー計算書とは、一定期間でのキャッシュの流れ(キャッシュフロー)を示した計算書のことです。一定期間におけるキャッシュの流入(キャッシュ・イン)と、キャッシュの流出、すなわち、キャッシュの使途(キャッシュ・アウトという)が把握できます。企業の資金力を評価するうえで、キャッシュフロー計算書は明確な答えを返してくれます。
キャッシュフロー計算書は、営業活動によるキャッシュフロー、投資活動によるキャッシュフロー、財務活動によるキャッシュフローからなる3部構成になっています。

営業活動によるキャッシュフローでは、製品・商品などの売買による本業の活動によるキャッシュフローの実態を把握できます。
投資活動によるキャッシュフローでは、企業の成長を目指した投資の内容として、固定資産、有価証券などへの投資による収入と支出の実態がわかります。
財務活動によるキャッシュフローでは、資金の調達先と返済、株主への配当金などの状況がわかります。
貸借対照表では企業の財政状態が把握できます。損益計算書では経営成績がわかります。しかしながら、両者だけでは、企業の資金力の度合いを十分に掴むには不十分といえます。売上がアップしている場合でも、その企業にはキャッシュが入ってこないケースもありえます。
たとえば、受取手形による集金や売掛金だけが増加している場合には、見かけ上、売上高が増えても手元にキャッシュが一向に入らないことになるわけです。
キャッシュフローの視点からみると、売上や利益の増加にもかかわらず、在庫や売上債権が増えるとキャッシュは減少することになります。
すなわち、キャッシュフロー計算書を見れば、その企業の手元に資金が不足し、キャッシュフローが悪化した状態であることが判明します。キャッシュフロー経営とはまさに、安定した経営状態を保つために、手元にいかに資金を豊富に確保できているかが問われることを指しているのです。

□フリーキャッシュフローとは自由に使える余裕資金
フリーキャッシュフローとは、企業が本業の事業活動により生み出すキャッシュフローのことで、企業が株主や資金の提供元に対して自由に分配できるキャッシュです。フリーキャッシュフローは、金利の返済や、債務の償還、株主への配当などの原資になります。設備投資では、フリーキャッシュフローの考え方が必要になります。フリーキャッシュフローは営業活動及び投資活動によるキャッシュフローから構成されます。財務活動によるキャッシュフローは除外します。

フリーキャッシュ・フロー(FCF)=営業活動によるキャッシュ・フロー
+投資活動によるキャッシュ・フロー


<税引後営業利益(NOPAT)の算出方法>
①財務活動によるキャッシュ・フローを除外し、本業による税引前利益(EBIT:Earning Before Interest & Tax)を計算。
②経常利益に支払利息を加えて戻し、受取利息を差し引く。
③この税引前利益に法人税の実効税率を乗じて税金費用を求め、税引前利益から差し引く。

求めた税引後の営業利益はNOPAT(Net Operating Profit After Tax)と呼んでいます。但し、減価償却費などは、キャッシュの支払が発生しない費用ですので、これを税引後営業利益に加え戻します。設備投資は、費用ではありませんが、キャッシュの支出になりますので、設備投資額を税引後営業利益から差し引きます。
運転資本の増減があれば、修正を行う必要があります。在庫は費用には該当しませんが、営業キャッシュフローを得る上で、必要な資金のため、支払いの扱いになります。ここで設備投資額を最後に控除するのは、設備投資が現在の考え方からです。仕入・支払い、及び売上・入金には、時期的なズレが発生します。入金遅れや支払いの先行により、運転資本が増加すると、キャッシュフローはマイナスに作用します。運転資本の増減額は税引後営業利益から差し引かねばなりません。フリーキャッシュフロー(FCF)は次式で計算します。

フリーキャッシュフロー(FCF)=税引後営業利益+減価償却費−設備投資額
−運転資本増加額


ここで、税引後営業利益は次式で求めます。実効税率とは、事業税、法人税など企業に課せられた税金の税率のことです。
税引後営業利益=(経常利益−受取利息+支払利息)×(1−実効税率)

よって、フリーキャッシュフローは次式でまとめることができます。減価償却費は非資金費用に該当します。非資金費用とは、資金の支出はないですが、損益計算上費用の扱いとなる費用のことです。
フリーキャッシュフロー(FCF)=(経常利益−受取利息+支払利息)×(1−実効税率)+減価償却費−設備投資−運転資本増加額
フリーキャッシュフローの増加対策としては、営業利益の増加、増加運転資金の減少及び、設備投資の減少の選択肢があります。

中小企業診・IT資格受験対策講座:財務分析―決算書の極意

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 決算書は、専門的には財務諸表と呼んでいます。財務諸表には、貸借対照表損益計算書キャッシュフロー計算書があります。これらは、財務三表と呼んでいます。損益計算書は、会社の儲け具合を把握するためには必須の経営情報源になります。貸借対照表は、財産の調達と運用の状況がわかるものです。企業成長は、従業員や株主、社会への利益還元の拡大には不可欠なものです。企業の成長性を判断する評価指標には、売上高伸び率、営業利益伸び率、経常利益伸び率などがあります。
 
 財務諸表を使って分析することにより、経営分析の切り口をうまく使いこなせば、会社経営の実態がくっきりと見えてきます。経営分析の基本情報は、貸借対照表損益計算書キャッシュフロー計算書の3つから収集できます。
 財務諸表の数値をいろいろな切り口で加工して計算すれば、各種の有益な経営判断データを導き出すことができます。業界・競合・時系列・目標値の比較によって分析することも有効です。業界情報、競合他社情報、数年間の過去の経営数値など、各種の経営情報をベースに、経営指標を相互比較することによって、事業の経営レベルを把握することができます。


企業の決算書を読み解く能力は、ビジネスパーソンや投資家にとって必須能力となっています。新会社法が施行され、決算書の内容も変更になっています。従来の資本の部は、純資産の部と呼ぶようになりました。従来の利益処分計算書に変わり、新たに株主資本等変動計算書により、期首および期末における資本の増減を明確に理解できるようになりました。
 決算書は、数々の優れた業績評価指標をステークホルダーに論理的に提供してくれるビジネス戦略手法であるといえます。決算書の数値は、経営分析という理論によって、企業の経営状況、財政状況を明確に判断できるものに価値転換されます。ここでは、経営数値に対する精緻な洞察力と企業経営の基本理論を熟知していることが重要です。
このような話をすると、決算書は難しいものだとの印象を持つ方が多いかもわかりませんが、決算書の基本構造は、非常に簡単です。

上場企業の決算書を得るには、様々な手段があります。紙の媒体手段による方法では、新聞や政府刊行物取扱書店で買える有価証券報告書、「会社四季報」(東洋経済新報社)及び「会社情報」(日本経済新聞社刊)の書籍などがあります。未上場の企業では、注目・有力企業に関する財務情報は、「日本経営指標<店頭・未上場会社版>」(日本経済新聞社刊)で入手できます。
 インターネット上で企業のホームページを検索する方法もあります。googleやYahooの検索エンジンで企業名を検索して、「投資家向け情報」や「IR情報」、「決算公告」、「業績・財務情報」などの項目をクリックすると、決算報告に関する情報を収集できます。ここでは、財務諸表のデータだけでなく、企業方針や事業セグメント別情報など、詳しい役に立つ情報も得ることができます。
 中小企業のホームページ(http://www.chusho.meti.go.jp/chousa/index.htm)を見れば、中小企業庁が毎年発表する「中小企業の経営指標」のダイジェスト版を得ることもできます。財務省のホームページでは、「法人企業調査統計」により、業種ごとに売上高、利益、設備投資などに関する調査結果を公開しています(http://www.mof.go.jp/ )。
 また、金融庁より行政サービスの一環として提供されているサイトに、EDINET(Electronic Disclosure for Investors' NETwork)があります。これは、『証券取引法に基づく有価証券報告書等の開示書類に関する電子開示システム』のことです。このサイトでは、EDINETシステムに提出された開示書類について、インターネット上で企業情報の閲覧が可能です。
 財団法人中小企業診断協会が出している「中小企業の経営指標」(中小企業庁編)からも有益な情報が得られます。損益計算書には、5種類の利益が示されています。利益には法人税、住民税、事業税などの税金がかかってきます。税引前当期利益は、税金が差し引かれる前の利益のことです。税金が差し引かれた後に残った当期利益というものが、年度の最終に確保された利益ということになります。当期利益がマイナスの場合は、赤字ということになります。プラスであれば、利益を出している状態であることがわかります。このように、損益計算書では、まず、当期利益を見れば、その会社が儲かっているのか、儲かっていないのかが分かります。
 利益は、時系列で少なくとも3年間のものを比較して見ることで、その企業の経営がうまくいっているのか、悪化しているのかがわかります。さらに、同規模の同業他社や競合企業と比較することで、会社の実力が見えてきます。
 次に売上総利益というものがあります。売上総利益は、粗利益[ ]とも呼びます。売上高から、売上に要した棚卸商品の仕入原価や製造原価の金額を差し引いて計算します。ここで差し引くものは、売上原価と呼んでいます。よって、売上総利益とは、売上高から売上原価を差し引いて求めることができます。売上高は、営業収益と呼ぶこともあります。売上総利益から販売費及び一般管理費を差し引くと、営業利益が求められます。営業利益は、会社が本業によって獲得した利益です。ここで、販売費とは、商品や製品を販売するのに要した営業員の人件費や広告宣伝費、経費などを指します。一般管理費とは、会社全体を維持管理するために要した費用のことです。一般管理費は、販売活動には直接関係のない経費です。例えば、間接部門の人件費やオフィスの賃貸費用などがあります。

売上総利益(粗利益)=売上高 − 売上原価

営業利益=売上高 ― 売上原価 ― 販売費 ― 一般管理費
経常利益とは、本業で儲けた利益である営業利益に、本業以外で儲けた利益を加え、費用を差し引いたものです。
経常利益=営業利益 +営業外収益 ―営業外費用

 ここで、営業外収益とは、営業活動以外から発生した経常的な利益を指します。営業外費用は、営業活動以外から発生した経常的な費用を意味します。

 経常利益に特別損益を加減したものが税引前当期利益です。特別損益は、当期に臨時的に発生した損益のことで、特別利益と特別損失からなります。特別利益には、土地の売却益、有価証券売却益などがあります。特別損失には、固定資産売却損、過年度損益修正などの項目があります。
税引き前当期利益から法人税、住民税、及び事業税を除いたものが当期利益です。

経常利益は、営業利益に営業外収益を加算し、営業外費用を差し引いて求めます。税引前当期利益は、経常利益に特別利益を加え、特別損失を差し引いて計算できます。当期利益は、税引前当期利益から、法人税、住民税、及び事業税を差し引いて求めることができます。
収益は、売上高、営業外収益、特別利益の3つから構成されています。まず、収益は、事業活動の本業収入である売上高と、本業以外からの収入である営業外収入から構成されます。さらに、営業外収入は、営業外収益と特別利益からなります。営業外収益には、例えば銀行に預金を預け入れることで得る受取利息などがあります。営業外費用では、例えば、企業が銀行からお金を借りた場合に支払う利息などです。
 特別利益とは、臨時的な収入です。例えば、災害などによって受け取る保険金のようなものがあります。特別損失は、偶発的な出来事によって発生する損失です。特別損失には、例えば、固定資産を売却して損失が出た場合や、不良債権の処理による貸倒損失の発生などの場合が該当します。特別損失が多額であると、経常利益は黒字でも当期利益が赤字になってしまうことがあります。
 費用は、売上原価、販売費及び一般管理費、営業外費用、特別損失、法人税、住民税及び事業税の5つの区分からなります。利益は、前に触れたように売上総利益、営業利益、経常利益、税引前当期利益、当期利益の5つに分類されています。

 資産には、現金、銀行預金、不動産や、売掛金、貸付金、未収金(*)などの債権、さらには、営業権、特許権などがあります。資産は、固定資産、流動資産、繰延資産の3つに大きく分けられます。固定資産は、企業経営で長期にわたって保有する財産です。土地、建物、設備などがあります。流動資産とは、現金、及び資金で短期(一年以内が標準)に現金化できるものを指します。
 繰延資産とは、企業が支出する費用の中で、支出した効果が支出の時だけでなく将来にも及ぶものを指します。一時的に費用にするのではなく、その効果の及ぶ期間にわたって費用計上します。

 固定資産は、有形固定資産、無形固定資産、投資その他の固定資産の3つからなります。有形固定資産は、固定性をもつ物そのものを意味し、不動産、設備、さらに、車両のような動産があります。無形固定資産には、営業権、特許権、借地権、商標権、実用新案権意匠権、などがあります。権利を取得するために支払った対価を取得原価とするものが、無形固定資産です。
 
 固定資産である土地や建物、設備、車両などは、会社が入手して幾年にもわたって使用し続けます。そのため、購入時の事業年度に費用として一括で会計処理することはできません。製品を作るための原材料費や人件費などは、発生した事業年度に費用として計上できる点が、固定資産との違いといえます。
 減価償却という手法では、固定資産の価値の減少分を費用として、毎年、計上していきますが、どのような割合で価値の減少分を算定するかによって、代表的な手法に定率法と定額法があります。減価償却を毎期の費用として計算する基準は、固定資産の種類に応じて、税法できめ細かく決められている法定耐用年数と償却率によります。

 定率法とは、毎期に一定率の償却費を計上する方法です。固定資産を購入した初年度は、取得価額に一定の比率を乗じて減価償却費を計算します。次年度は、取得価額から初年度の減価償却費を差し引いて、残りの価額に、同様の比率を乗じて、次年度の減価償却費を計算します。次々年度も同様にして、未償却の残高に同じ比率を乗じて、法定耐用年数に達するまで、減価償却費を計上していきます。
 ただし、固定資産は、通常、減価償却が法定耐用年数に達した以降も、使用可能なため、費用化できない残存価額というものを定めています。税法上、購入価額の100%を費用計上できない仕組みになっています。減価償却費は、次の式で計算します。
 ここで、期首未償却残高とは、購入時の取得価額に対して、前期末までにおける減価償却費を累計した額を除いた残りの金額を意味しています。

減価償却費=期首未償却残高 × 一定率


 定額法では、毎期に一定額の償却費を計上します。償却費は、取得価額から残存価額を差し引いて、残りの金額を法定耐用年数で割って計算します。ソフトウェアなどの無形固定資産は、通常、定額法で計算します。例えば、500万円で購入したソフトウェアを5年で均等に償却すると、5年目の残存価額をゼロとして、毎年、100万円を費用計上できることになります。
減価償却費=(取得価額 − 残存価額)÷耐用年数


 流動資産は、大きくは、棚卸資産当座資産、その他の流動資産に分けられます。ここでは、用語の意味をしっかり把握することがポイントです。
棚卸資産には、商品、製品、仕掛品[製造が完了していない未完成品のこと。]、部品・資材などからなります。当座資産には、現金、預貯金、売掛金受取手形、有価証券などがあります。その他の流動資産とは、棚卸資産及び当座資産以外の流動資産のことです。その他流動資産には、前渡金、前払費用、未収金などがあります。これらには、期限が営業販売の取引以外の1年以内に到来する債権が含まれます。


 資本を資産及び負債との関係で見てみましょう。資本は、資産総額から、負債総額を引いたもので、自己資本ともいいます。企業の純財産が資本です。負債は他人資本といいます。一般企業では、自己資本他人資本による経営を行っています。期間損益計算の観点では、総資本が資本とされます。

資本=資産―負債
 貸方側の資本の調達源泉とは、会社が総資産を確保するための資金をどのようにして調達したのかを示しています。他人資本は、借入金、買掛金などの負債でまかなった資本です。自己資本である株主資本は、株主によって払い込まれた資本金、及び利益を蓄積した剰余金などが含まれます。
 自己資本は、純資産に相当するもので、返済の義務がありません。純資産は、資産の部、負債の部、純資産の部から構成される貸借対照表の一部です。純資産は、株主資本、評価・換算差額等、及び新株予約権などから構成されます。
 純資産の構成要素である株主資本は資本金、資本剰余金、利益剰余金、及び自己株式などからなります。評価・換算差額等は、有価証券評価差額金及び為替換算調整勘定などからなります。連結会計では、少数株主持分は純資産に含まれます。


 負債には、固定負債と流動負債があります。固定負債は、返済期限が一年を超えて支払期限が到来する負債です。一年以内に期限の到来する債務は、流動負債といいます。
 固定負債には、社債、長期借入金[一年を超えて返済期限がくるもので、短期借入金に比べて金利が高い。]、退職給与引当金[従業員が全員自己都合で退職したと想定し、退職金を見積って引き当て計上するもの。]、などがあります。流動負債には、支払手形、短期借入金、未払金、買掛金、前受金、預り金、納税引当金、未払費用、関係会社からの短期債務、前受収益、などがあります。
 ここで、買掛金とは、商品、資材などの仕入代金の未払額のことです。未払金は、商品、資材以外のものに対しての未払額であることに注意しましょう。前受金は、受注品などに対する手付金・証拠金のことです。
 流動資産と流動負債の差額を正味運転資金と呼んでいます。資産はプラスで、負債はマイナスで処理します。正味運転資金とは、企業の通常の事業活動で運用される資金のことです。
正味運転資金=流動資産 − 流動負債

 財務諸表の各勘定科目は、資産、負債、資本、収益、費用からなります。貸借対照表損益計算書などの財務諸表と勘定科目[取引の性質が似たもの同士を集計するために決算書上で分類表示される項目をいう。]の関係は、次のようになります。
・資産 + 費用 = 負債 + 資本 + 収益
・資産 − 負債 − 資本 = 収益 − 費用 = 純利益

 貸借対照表は、資金運用の形態を示す資産の部,源泉の形態を示す負債の部および資本の部からなります。資産の部の合計額と負債及び資本の部の合計額は一致し,バランス・シート(B/C)ともいわれます。
 資産合計は「総資産」とも呼び、その会社の規模を示しています。負債・資本合計は「総資本」ともいいます。規模が大きいだけで経営効率の悪い会社も多くあります。逆に小さい規模の会社でも業界トップクラスの利益を出している会社もあります。
 貸借対照表では、左側欄にお金の使途を示し、右側欄にはお金の調達先を示します。流動資産には、現金、預金、売上代金、製品在庫など短期間に換金できるものを指します。  
 固定資産は、企業活動において長期間用いられるもので、有形の土地・建物や、無形の特許権などがあります。調達先は、返済義務がある負債と、返済義務のない資本からなります。

 会社経営が順調に行われているかどうかを分析する視点は、収益性、効率性、安全性、生産性、成長性の5つです。企業経営の成果は収益性によって判断できます。収益性は、いかにうまく儲けているかを見るために必要な視点です。収益性は資本の運用の巧拙や製品力のレベルなどにより左右されます。収益性の評価指標として、資本利益率、売上高総利益率、売上高営業利益率などがあります。収益性を判断するのに、損益分岐点分析の考え方も有効です。
 会社経営の効率性では、会社が資本や資産をいかに効率よく使っているかを見ます。効率性は、売上債権回転率、棚卸資産回転率、自己資本回転率、総資本回転率などでチェックします。いかに資本や製品、商品の回転スピードを上げている経営を行っているかを見るためのものです。回転スピードが下がると、資本効率が落ちたり、在庫が増えて、経営効率がダウンし、経営コストの悪化につながってきます。
 安全性の分析は、取引先における危ない会社を見分けるために不可欠な視点といえます。事業環境変化の激しい現代においては、会社倒産の危機は常について回ります。順調に推移していた業績が、ある日、突然、戦争や地震災害など、突発的な事象の発生で悪化する場合があります。あるいは、大手顧客である取引先の倒産により、現金回収ができずに、倒産の危機に追いやられる場合もあります。粉飾決算の発覚や経営トップの不祥事、顧客を無視した事業運営などで倒産するケースもあります。顧客のライフスタイルの変化に追従できずに、業績が大幅に悪化する会社も見られます。
 多角的なリスク管理を行うことで、あるレベルまでは、経営リスクを回避できますが、事業経営は生き物であるため、常日頃から、企業体質の強化を図っておく必要があります。経営の安全性は、事業環境変化にいかに対応できる企業体力を備えているかを見るものです。安全性の分析には、会社の基礎体力や、負債の支払能力、運転資金など、財務面でのチェックがポイントです。
 生産性とは、企業の生産活動において、投入する経営資源と産出高との関係から企業の経営効率のレベルを分析するものです。従業員一人当たりの売上高や売上利益率などをチェックします。生産性は、製品や商品のコスト低減力の評価に直結する視点です。安い人件費で効率的にものを作れるような生産力の向上や、単位時間当たりに生産できる製品の数量がアップすれば、生産性が高くなっていると判断できます。
 会社の成長性のチェックでは、売上や利益に関する年々の推移の指標から、企業の安定成長の可能性を把握します。企業成長は、従業員や株主、社会への利益還元の拡大には不可欠なものです。企業の成長性を判断する評価指標には、売上高伸び率、営業利益伸び率、経常利益伸び率などがあります。

 損益計算書の営業成績は企業活動のアウトプットといえます。売上高、費用、利益などの項目は、企業活動の結果として表れる数値ですが、経営資源をどれだけ投入したのかを知るためには、貸借対照表をじっくりながめる必要があります。貸借対照表は財政状態を把握するために不可欠な情報を持っています。どのように資本を調達し、どのように資本を使っているのか、資本の運用状況がわかります。
 貸借対照表損益計算書キャッシュフロー計算書を関連付けてみることにより、様々な角度から経営の効率性をチェックすることが可能になります。
 利益の金額が大きい場合には会社は儲かっています。しかしながら、黒字を維持していても経営が悪化していたり、場合によっては倒産のリスクが発生することさえあります。表面上、利益が出ているにも関わらず、キャッシュを確保できているとは限らないからです。小売などでは現金商売が一般的ですので、売上計上と同時に、顧客が支払いを行うことで、現金が入ってきます。
 しかし、信用取引が一般的な製造業などでは、売上計上はされていても、売掛金が膨らみ、顧客からの入金が遅れれば、次第に、手元に残る現金は減ってきます。資金繰りに窮している場合、手元に現金がなければ、社員に給料が払えなくなります。あるいは、仕入れ先の会社に商品の支払いができなくなります。ここでは、キャッシュフローの実態をしっかり把握する必要があり、キャッシュフロー計算書の解読が役に立ちます。キャッシュフロー計算書では、キャッシュの入と出の状況に関する情報が得られます。

□ 収益性を判断できる総資本回転率
 よく使用されるのは総資本回転率(総資産回転率)です。会社の規模に対して売上が比較的大きい場合は回転率も大きくなります。反対に会社の規模が大きいにもかかわらず少ない売上しか確保できないと回転率は小さくなってしまいます。売上高と総資本が同じ場合は、総資本回転率は1です。このとき、会社の総資本と同額の1回転分の売上が発生しています。大手企業や中堅・中小の製造業では、総資本回転率は、1〜2回転が標準の値になります。
総資本回転率=売上高÷総資本
―>1〜2回が標準

□ 資本で収益性を判断する資本利益率とは
 新規に事業を始めるためには、資金が必要ですが、投入資金に見合うだけの利益が出なければ、その事業は失敗したことになります。事業の収益性を見るうえで重要な経営指標には、資本利益率と呼ぶものがあります。

資本利益率=利益÷資本×100(%)

□ 総資本による利益獲得をチェック
 収益性を示す代表的な指標の一つに総資本経常利益率があります。企業に投下した総資本により、1年間にどの程度の利益を獲得したかを示す指標です。
総資本は、通常、貸借対照表における期首と期末の平均値で計算しますが、両者に差があまりない場合は期末の総資本で計算します。

総資本経常利益率=経常利益÷総資本

 ここで、総資本利益率は、さらに二つの指標に分解できます。次の式の意味がわかれば、総資本利益率の分解ができます。

A÷B=(A÷C)×(C÷B)

 同様に、総資本利益率は売上高を仲介にして、次のように分解できます。投下した総資本の何倍の売上高を達成したかを示す総資本回転率は次式で計算できます。総資本回転率では、資本の利用効率を評価します。回転率が高いほど経営効率がよいといえます。

総資本回転率=売上高÷総資本×100(%)

 よって、総資本経常利益率は、売上高経常利益率総資本回転率を乗じて計算できます。本業が順調の場合でも、営業外で、思わぬ株式の売却損や評価損が発生すれば経常利益は悪化します。
 逆に、本業が順調でなくても、営業外の副業などでカバーできれば、経常利益の悪化が防げることになります。

総資本経常利益率=経常利益÷総資本×100(%)
           =(経常利益÷売上高)×(売上高÷総資本)×100(%)
           =売上高経常利益率×総資本回転率×100(%)

□ 売上高総利益率
 売上高総利益率とは、粗利率のことで、企業の収益性を評価するものです。企業規模は、会社によって様々です。大企業でも、企業規模に比べて少しの利益しか出していないところもあれば、逆に、中堅・中小企業でも企業規模以上の大幅な利益を出しているところもあります。独創的な製品開発力で勝負し、ニッチ(狭い)市場で、業界トップクラスの利益率を誇っている企業もあります。
 売上高総利益率は、会社の儲ける力を把握するための経営指標といえます。売上高総利益率は、高いほど、効率的な事業運営を行っていると判断できるため、優れた会社であるといえます。
製造業では、売上総利益は、売上高から製造原価を差し引いて計算します。いっぽう、卸・小売業などでは、商品の仕入れによって事業を営むため、売上総利益は、売上高から仕入高を差し引いて計算します。

売上高総利益率=売上総利益÷売上高×100(%)


会社の収益や費用の発生は、本業の営業利益だけによるものではなく、副業による収益・費用を加減算することによって、企業としての総合的な実力を把握することができます。売上高経常利益率では、会社の総合的な実力を知ることができます。経常利益は本業の営業利益に営業外収益・費用を加味したものです。
売上高経常利益率は、経常利益を売上高で割って計算します。売上高経常利益率は、製造業で、5%前後、卸・小売業で、2〜3%前後が適正な値であるといわれています。これらの以下の数値になった場合、その企業は、問題ありといえるでしょう。
 本業が順調でなくても、営業外収益でカバーすることもできます。しかしながら、バブル時代には、本業以外の不動産事業などに手を出して、バブル崩壊後の不動産の暴落で痛い目に合った企業が多くあります。あるいは、鉄鋼メーカーなどが半導体などのハイテク事業に新規参入して撤退したケースが多々ありました。
 本業回帰により、強みに経営資源を集中させることで、企業復活を図っているところも多いといえるでしょう。

売上高経常利益率=経常利益÷売上高×100(%)

 営業利益率が低いにもかかわらず、経常利益率の高い会社は、本業が順調でない状況に陥っていると判断できます。逆に、営業利益率が高いにも関わらず、経常利益率が異常に低い会社は、本業以外の分野で、負債を抱え込んでいる可能性が高いといえます。ここでは、副業の失敗が本業の利益を圧迫する構図が成り立っているといえます。

営業面から企業の採算性を評価する指標に売上営業利益率があります。企業における本業での儲けの実力を見るための経営指標です。

売上営業利益率は、営業利益を売上高で割って求めます。売上営業利益率は、業界平均や同業他社との比較、さらには経年比較が意味を持ちます。多くの事業を営んでいる会社では、事業部門別に売上営業利益率を把握することも有効です。製造業では、売上高営業利益率は、5%以上が適正な値といえます。それ以下の数値になった場合は、販売費や一般管理費にメスを入れる必要があるといえます。
売上営業利益率=営業利益÷売上高×100(%)
―>5%以上が適正値

ここで、営業利益は次式で求めます。

営業利益=売上高 ― 売上原価 ― 販売費 ― 一般管理費

売上高に対応した製品製造などに要した原価を売上高と対比させた比率に売上高原価率があります。売上高原価率は低いほど優れ、売上をいかに効率よく出したかを把握することができます。
なぜならば、売上総利益=売上高 − 売上原価 の式より、売上原価が下がると、売上総利益は増えるからです。逆に、売上原価が上昇すると、売上総利益は下がることになります。企業では、原価低減活動が活発ですが、原価を下げることで、事業利益の拡大が図れるからです。
売上原価を下げるためには、商品の仕入れコストや原材料の調達コストを下げるための方策を検討し、日々の企業活動において実践していかなければなりません。製造業では、製品の開発・設計プロセスの改善を行い、生産ラインにおけるプロセス(工程)改善が不可欠になります。

このように、利益の源泉は、企業活動における各プロセスを見直すことによって、見出すことができるのです。売上高原価率は、業種にもよりますが、70%以下が適正であるといわれています。
売上高原価率=売上原価÷売上高×100(%)
―>低いほどよい

収益力を見るキャッシュフロー分析の主要な経営指標には、キャッシュフローマージン、利益構成比率などがあります。投資活動と資金調達の程度をチェックするキャッシュフロー分析には、営業CF投資CF比率、事業CF売上高比率があります。
返済能力を見るキャッシュフロー分析には、営業CF対流動負債比率、営業CF対長期負債比率、インタレスト・カバレッジ・レシオがあります。

□ 収益力を見るキャッシュフローマージンとは
本業の営業活動によって、売上高の何%を営業キャッシュフローで稼ぎ出しているのかを見る指標に、キャッシュフローマージン率というものがあります。この比率が高いほど効率的な資金化が行われていると判断できます。キャッシュフローマージン率は、損益計算書の売上経常利益率に相当するものです。
キャッシュフローマージン率=営業キャッシュフロー÷売上高×100(%)


営業キャッシュフローの構成要素の中には、当期利益と減価償却費が含まれます。利益構成比率は、営業キャッシュフローにおける利益と減価償却費の比率を見るもので、営業キャッシュフローへの貢献度合いを示しています。利益構成比率が50%を超える場合は、営業キャッシュフローが利益の変動要因に左右されやすい経営ということになりますが、成長性が大きいともいえます。利益構成比率が低ければ、減価償却費の比重が大きくなり、安定的なキャッシュフローを稼げる経営体質であると見ることができます。

利益構成比率=当期利益÷(当期利益+減価償却費)×100(%)


□ 投資活動と資金調達の程度を見るキャッシュフロー分析
 投資活動と資金調達の程度を見るキャッシュフロー分析には、営業CF投資CF比率、事業CF売上高比率があります。
 会社の本業を維持し、成長させていくためには、戦略的な設備投資が必要になります。例えば、デジタル液晶分野では、大型投資によって、競合他社に打ち勝てる生産力を維持できなければ、コスト競争で負けてしまう宿命を負っています。しかしながら、企業体力を超えた設備投資は、経営を危うくします。設備投資に必要な資金は、本業から得た営業キャッシュフローで充当するのが賢明な経営といえます。
 営業活動で得た営業キャッシュフローを、どの程度、投資に充当したかを判断できる指標が、営業CF(キャッシュフロー)投資CF(キャッシュフロー)比率です。
 投資に必要なキャッシュフローを営業キャッシュフローでまかなえているかどうかがわかる比率です。この比率が100%以上であれば、営業キャッシュフローで投資全体をまかなっていることになり、財務上、安全な投資を行っているといえます。100%未満の場合は、手元資金の取り崩しや、借入金、増資など、財務キャッシュフローによる新規の資金調達が行われていることになります。
 
営業CF投資CF比率=投資キャッシュフロー÷営業キャッシュフロー×100(%)


□ 事業CF売上高比率
 事業CF売上高比率は、会社の営業活動と投資活動によって流出した金額が、売上に対してどれ程度の比率になるかを表したものです。売上に対してどの程度の資金調達を必要としているかがわかります。この比率が高ければ、借入れの依存度が低いといえます。
事業CF売上高比率=(営業キャッシュフロー+投資キャッシュフロー)÷売上高×100%




□ 返済能力を見る営業CF対流動負債比率
 返済能力を見るキャッシュフロー分析には、営業CF対流動負債比率、営業CF対長期負債比率、インタレスト・カバレッジ・レシオがあります。営業CF対流動負債比率は、流動負債に対する営業キャッシュフローの返済能力を見るものです。この比率が大きいほど、返済能力が高いと判断できますので、安全性が高いともいえます。当座比率では、当座資産で流動負債の返済能力を判断できますが、営業CF対流動負債比率は、営業活動で獲得したキャッシュフローによってどの程度の流動負債を返済できるかがわかります。
営業CF対流動負債比率=営業キャッシュフロー÷流動負債×100%


□ 営業CF対長期負債比率
 営業CF対長期負債比率は、長期負債(長期借入金、社債転換社債、長期支払手形、長期未払金など)を営業キャッシュフローでまかなうことが可能かどうかを判断するための指標です。この比率が100%以上の場合、営業活動で獲得したキャッシュを充当することによって長期負債を返済できることを示しています。

□インタレスト・カバレッジ・レシオ
 インタレスト・カバレッジ・レシオは、利払い能力を見る指標で、この倍率が高いほど利息支払に余裕があることを示しています。逆にこの倍率が低いということは、儲けた営業キャッシュフローのほとんどが支払金利に充当され、余裕のない財政状態であるということになります。






















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中小企業診断士試験やITコーディネーター、高度情報処理技術者試験の合格を目指す方には、決算書の読み方やバランス・スコアカード、ITマネジメント、さらには、ビジネス戦略に関する知識が必須といえるでしょう。

1.中小企業診断士試験対策
 中小企業診断の試験は、第一次試験、第二次試験、実務補習・実務従事の3つから構成されます。第一次試験では、マークシート形式の多肢選択式により、企業経営やコンサルティングについての基本的知識を問う問題が出題されます。
 試験科目は、1日目は、経済学・経済政策、財務会計、企業経営理論、運営管理、2日目は、経営法務、経営情報システム、中小企業経営・中小企業政策について各科目が60分の試験時間及び100点の配点となっています。
 第二次試験は、筆記試験と口述試験からなります。この試験では、企業の問題点や改善点などについて、中小企業診断士として必要な応用能力を有するか否かを判定されます。中小企業の診断及び助言に関する能力について、筆記及び口述試験の2段階の方法により実施されます。
 筆記試験は、1日で終了し、事例Ⅰでは組織を中心とした経営の戦略及び管理についての事例、事例Ⅱではマーケティング・流通を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例、事例Ⅲでは生産・技術を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例、事例Ⅳでは財務・会計を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例が出題されます。総合的な幅広いマネジメント知識と現場感覚の問題発見・課題設定・解決策を創出しうる能力が有るか否かを試される試験といえます。
 筆記試験は、各設問に対して、15〜200文字程度の記述を鉛筆でわかりやすい文字と文章で書く必要があります。コンサルタントに必要な基本的な作文能力の有無を試される試験でもあります。筆記試験に合格すると口述試験を受けることができます。
 口述試験では、約10分間で、中小企業の診断及び助言に関する能力を把握するため、筆記試験の事例などについて、個人別に面接があります。
 以上の試験をクリアすると、実務補習を15日以上受けるか、実務に15日以上従事し、晴れての中小企業診断士の登録を行うことができます。実務補習では、徹夜作業が続き、体力の有無が問われるでしょう。

1次試験を合格された方が2次試験でつまずく要因でよく見受けられるのは、戦略的な発想法の訓練が不足しているパターンです。中小企業診断士の2次試験では、SWOT分析による経営戦略の策定能力が記述式で問われます。SWOT分析とは、企業を取り巻く外部環境と企業内部の環境を分析し、企業の持つ強み、弱みをうまく組み合わせて、経営戦略を練る手法を指します。
 ここでは、2次試験対策として、バランス・スコアカード手法とSWOT分析手法及び戦略マップを連携させて経営戦略を策定する方法を実践的ケーススタディによって学んでおくことをお薦めします。バランス・スコアカードでは財務の視点、顧客の視点、業務プロセスの視点、学習・成長の視点からなる綜合的なコンサルティング能力をベースとした経営戦略を図式化するステップを踏みますので、診断士試験には資するところが大きいでしょう。特に、バランス・スコアカードでは、SWOT分析や戦略マップによる図式化のツールを駆使することができますので、バランスのとれた体系的なコンサルティング提案手法として、大手コンサルティング会社でもよく使われています。

 中小企業診断士試験2次の事例問題では、組織・人事分野、生産・技術分野、マーケティング分野、経営戦略分野、及び財務分析分野から、幅広く出題されます。ここでは、まず、世界の著名なビジネス戦略手法を幅広く学習することがポイントです。
3つの戦略アプローチをもつポーターの競争戦略、コトラーの競争的マーケティング戦略、アンゾフの製品・市場マトリックス多角化戦略、バランス・スコアカード、4つのカテゴリーで事業の成長度合いを見るPPMなどは、必須知識であると同時に経営戦略策定のツールとして使いこなせる応用力が必要です。
さらに、ものづくり、品質、組織、マーケティング、財務分析の切り口で各分野の基本知識を学んでおけば、オーソドックスなアプローチが答案に書けるでしょう。
特に、中小企業診断士試験の一次試験では、ITパスポート試験と関連性のある内容が多く、ビジネス改革の提案では、ITの基本知識を学んでおくことが2次試験にも役立つでしょう。

2次の事例問題では、資本コスト、投資効果算定、損益分岐点分析、経営比率分析、フリーキャッシュフローなどのキャッシュフロー分析のテーマが頻出しています。決算書の構造的な理解が望まれます。
中小企業の事例では、最新版の中小企業白書における企業の経営革新事例を数多く読み込んでおくことがポイントです。

2.ITコーディネーター試験対策
ITコーディネーター試験の実践ケーススタディでは、バランス・スコアカードの事例演習が中心となっていますので、バランス・スコアカードとSWOT分析を駆使した経営戦略策定のケーススタディを数多くこなしておくことがポイントです。
3.ITパスポート試験対策
ITパスポート試験では、IT分野だけではなく、マネジメント系、ストラテジスト系の分量が多いため、戦略分野やマネジメント分野の知識が必要になっています。



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<ビジネス戦略手法>

■4つのカテゴリーで事業を特徴付けるPPM
PPMは、1960年代半ば以降の米国で巨大コングロマリット企業による事業再編の中で、大手コンサルティング・ファームのボストン・コンサルティング・グループが開発した経営戦略策定の経営手法です。PPMの手法では、事業・製品の魅力度を表す市場成長率と、業界における事業・製品の強さ・弱さを表すマーケット・シェアからなるマトリックスで評価して、事業の重点分野と撤退分野を選別し、経営資源の最適な組み合わせを検討できます。
PPMでは、市場成長率とマーケット・シェアの2軸からなるマトリックスによって、事業を、①花形製品(高成長・高シェア)、②金のなる木(低成長、高シェア)、③問題児(高成長、低シェア)、④負け犬(低成長、低シェア)に区分し、企業全体として最適な経営資源の配分(ポートフォリオ・マネジメント)を検討することができます。
多角化を行っている企業では、各事業領域をSBU(Strategic Business Unit:戦略事業単位)と呼んで、事業別の採算管理をシビアに行っているところが多くあります。PPMにより、自社が保有する人材、モノ、金、技術、ノウハウ、及び情報などの経営資源をどのように各事業に最適配分すれば、経営効果の最大化が見込めるかを判断できます。選択と集中の視点で、戦略的重点事業分野と撤退事業分野を見極め、経営資源の最適化を図り、事業運営を図っていくことができます。場合によっては、強い事業の優れた人材や経営手法を弱い事業に水平展開することで、シナジー(相乗)効果を狙うアプローチや、他社の経営資源を活用するために、買収、合併も選択肢に入ってきます。金のなる木の事業で稼いだキャッシュは、成長著しい問題児の事業や花形製品に投入され、将来の有望事業に育成していくための戦略がとられます。
花形製品は、市場シェアが高く、成長率が高いため、売上高の向上が見込めますが、市場の成長が著しいため、事業を維持し、競合に対抗するために必要な投資も増加するのが一般的です。花形製品では、成熟期に達するまで市場シェアを確保し、金のなる木にもっていく事業戦略がポイントになります。
PPMの適用で注意すべき点は、市場成長率とマーケット・シェアの2軸だけで評価するため、場合によっては評価軸が不足し、経営判断を誤ることがあるということです。

■競合に打ち勝つための3つの基本戦略とは
 競争戦略は、戦略の権威である米国のマイケル・E.ポーターが編み出した経営手法です。競争戦略では、市場における競争優位のポジションを獲得するために、コスト・リーダーシップ戦略、差別化戦略、集中化戦略からなる3つの基本戦略を提示しています。
 コスト・リーダーシップ戦略は、業界内で最小のコストという武器によって、競争優位のポジションを確保するための戦略です。最小コストを実現するためには、製品・サービスのバリュー・チェーンの改革や、製品設計の見直し、調達コストの低減や製造ラインの生産性の向上を図るといったアプローチが必要です。あるいは、非効率なプロセスそのものにメスをいれ、プロセス改革を図っていくことも有効です。コスト・リーダーシップ戦略では、競合が同様の戦略をとってきた場合、業界全体がコスト競争の罠に陥り、利益の出ない赤字出荷という最悪のパターンに出くわさないように注意しなければなりません。
 市場が大きい場合、低コストを達成するためには、スケールメリットを追求する選択肢も有効です。ここでは、企業の合併や買収(M&A)も視野に入ってきます。合併の連鎖が、業界全体の価格交渉力を強くする方向に作用し、製品コストの上昇をもたらす経済効果を生み出す場合があります。
 差別化戦略では、競合他社にはない独自性や特徴を前面に出して、プレミアムを得るアプローチがとられます。差別化戦略は、競争しない戦略ともいわれ、競合他社の追随を跳ね除けて、独自の土俵で製品・サービスに磨きをかける戦略です。競合他社にない機能や、デザイン、サービス、インセンティブ、ブランド、配送など、様々な差別化手段を検討することができます。まったく新しい技術により、製品の差別化を図っていくこともできます。例えば、プリンター市場で後発であったキャノンは、バブル・インクジェット方式の新技術開発によって、高品質かつ低価格のプリンターを市場に投入し、世界的企業として確固たる地位を築いています。特徴があります。
 集中化戦略では、業界の特定の市場セグメントにフォーカスして、限定された範囲の市場で競争優位のポジションの獲得を狙います。集中化戦略を成功させるためには、ターゲットとする特定の市場セグメントのニーズが、自社の提供する製品・サービスとマッチすると同時に、そのニーズに対応できる競合が少ない市場であることが前提条件となります。

■市場シェアでポジショニングする競争地位別戦略
 フィリップ・コトラーは、マーケティングにおける市場地位のポジショニングの視点で、競争的マーケティング戦略を編み出しました。市場における企業の相対的規模および地位と、マーケティング戦略との関係を明らかにしています。市場シェアの視点から、マーケット・リーダー、マーケット・チャレンジャー、マーケット・ニッチャー、マーケット・フォロワーの4つの分類からなる市場地位のポジションを提示しています。
 マーケット・リーダーは、市場で最大のマーケット・シェアを有している企業のことです。競争企業の標的ともなる存在です。リーダー企業の狙いとするところは、市場でのトップの地位を維持することです。マーケット・シェアを維持・拡大するとともに、市場規模全体を一層大きくするために必要な方法を発見することがマーケティング・リーダーの目的となります。
 マーケット・チャレンジャーは、市場の地位でマーケット・リーダーには劣りますが、リーダーに次ぐ豊富な経営資源と市場シェアを有しています。チャレンジャーは、リーダーから市場シェアを奪い、リーダーの地位を脅かす存在です。新製品の投入や低価格戦略などによって、リーダーに戦いを挑んでいく戦略を採ります。あるいは、イノベーションによる画期的商品の市場投入やサービス改善、製造コスト低減、広告・販売促進の強化を図るアプローチもあります。リーダーの弱点を発見し、その攻めやすさを評価したうえで、攻撃対象をリーダーにするか、あるいは、追随企業ないしは弱小企業に的を絞るかを決定することになります。
 マーケット・リーダーにすべての追従企業が挑戦するわけではありません。マーケット・リーダーが総力戦で望めば、対抗企業は、病弊して、再起不能となるケースも出てきます。
マーケット・フォロワーの戦略は、マーケット・リーダーの反撃を受けないように現状のシェアを維持し、市場での生き残りを模索します。フォロワーは、リーダーを模倣し、低コストへの努力と高い品質やサービスの維持に傾注する戦略を採ることで、一定のシェアを安定的に獲得することを目指します。
 いっぽう、マーケット・ニッチャーは、ニッチ市場を狙い、集中化戦略を採用します。ニッチ市場では、まず、利益を確保できるだけの市場規模と購買力があるかがポイントにな
ります。次に、成長潜在性があり、自社の経営資源を最大限に発揮できるだけでなく、大手企業の参入が難しい市場であることが要求されます。

■4つのグループで製品・市場の成長の方向性を示す製品・市場マトリックス
製品・市場マトリックスとは、アメリカの経営学者H・I・アンゾフが著した経営戦略の古典「企業戦略論」で紹介された手法です。新製品を輩出できない企業は、いずれ、顧客ニーズの変化に追随できず、資本市場から撤退を余儀なくされることになります。アンゾフは、既存製品と新製品、既存市場と新市場という枠組みにフォーカスし、そこで策定されるべき戦略を、2×2の4パターンに類型化しました。
企業は、既存の製品および市場をベースに事業拡大を図っていくことで、事業成長を目指します。アンゾフは、横軸の製品と縦軸の市場からなるマトリックスにおいて、4つのパターンに戦略を類型化しました。すなわち、市場浸透戦略、市場開発戦略、製品開発戦略、および多角化戦略からなる4つの戦略を製品・市場マトリックスに配置しました。
●市場浸透戦略のアプローチ
 市場浸透戦略では、既存市場において、既存の製品を浸透させる戦略を練ります。企業にとって新たな経営資源投入の負担とリスクが少ない戦略といえます。この戦略では、マーケット・シェアの拡大を図るために、既存顧客に対する顧客単価の増大を図るとともに、未だ自社製品を購入していない顧客に対しては、販売を促進していくことになります。ここでは、製品の原価の低減による販売価格の値下げや、流通の合理化を進めていくアプローチがとられます。
●製品開発戦略のアプローチ
 既存の市場で、新規の製品を市場投入していく戦略です。既存顧客に新製品をいくつも勧める戦略が当てはまります。既存顧客には、なじみある製品を通じて、顧客ロイヤルティを企業が獲得しているため、新製品に対しても、抵抗が少なく、ブランド志向や、指名買いによる購買行動が期待できます。
●市場開発戦略のアプローチ
 新市場に対して、既存製品の浸透を図り、売上の拡大を狙う戦略です。この戦略では、まったく新規のエリアを市場開拓する場合だけでなく、既存商品の新用途開発による市場開拓のアプローチもあります。例えば、肌を美しくする女性用化粧品を、肌のスキンケアに敏感な男性向けにも販売するようなケースが挙げられます。

多角化戦略のアプローチ
 多角化戦略は、既存市場、既存製品の範疇からはみ出た戦略のことです。新市場において、全くの新製品を投入する戦略です。多角化戦略の目的には、事業のリスク分散やシナジー効果の追求などがあります。

<選択式問題>(4点×10問)
第1問 【第1章 情報処理の基礎技術】
  補助記憶装置に関する次の記述で、最も適切なものはどれか。

  ア CD−RWは、データを一度だけ書き込むことができる補助記憶装置である。

  イ DVDは、動画、音声、データなどをデジタル記録できるもので、DVD−RAMはデータの書き換えが可能である。

  ウ MOは、データの記録にレーザー光のみを使う記録媒体である。

  エ CD−Rは、データを何度でも繰り返し読み書きができる補助記憶装置である。



第1問 【第1章 情報処理の基礎技術】
答え イ
 アは不適切である。CD―RW(CD-Rewritable)は、相変化記録方式を採用し、データの消去、書き換えを繰り返し行なうことができる。
 イは適切である。DVDには、デジタル・ビデオ用のDVD−Video、音楽用のDVD−Audio、再生専用のDVD−ROM、追記型のDVD−R(Recordable)、書き換え可能なDVD−RAMがある。
ウは不適切である。MO(Magneto Optical)では、データの記録にレーザー光と磁気の両方を使う。あらかじめ磁化されている記録膜に、磁界をかけながらレーザー光を照射して、データの記録、読み出し、消去を行なう。
 エは不適切である。CD−Rでは、データを一度しか読み書きができない補助記憶装置である。


第2問 【第1章 情報処理の基礎技術】
   入出力インタフェース規格に関する次の記述で、最も適切なものはどれか。

  ア IEEE1394は、最大8台のハードディスクなどを接続することが可能であり、ホットプラグに対応する。

  イ USBは、ホットプラグに対応し、パラレル双方向の伝送路を採用し、ハブを介して、最大127台のハードディスクを接続できる。

  ウ IrDAでは、パラレル双方向の伝送路による赤外線データ通信の規格を採用している。

  エ SCSIは、SCSIボードも含め、最大8台のハードディスク装置の接続が可能である。

第2問 【第1章 情報処理の基礎技術】
答え エ
 アは不適切である。IEEE1394は、ホットプラグに対応し、最大63台のハードディスクを接続することができる。パソコンがなくてもAV機器同士を接続できる。
 イは不適切である。USBでは、シリアル双方向の伝送路を採用し、ハブを介して、
最大127台のハードディスクを接続できる。ホットプラグ対応である。
IrDAでは、パラレル双方向の伝送路による赤外線データ通信の規格を採用してい
る。
 ウは不適切である。IrDAでは、シリアル双方向の伝送路による赤外線データ通
信の規格を採用している。ケーブルでの接続が不要である。
 エは適切である。接続台数を増加し、データ転送速度を高速化したSCSI−2、SCSI−3の規格もある。




第3問 【第1章 情報処理の基本技術】
   
  プログラミング言語に関する次の記述で、最も適切なものはどれか。

  ア COBOLは、数値計算、事務処理用の大量処理や、データベースの使用に適した言語である。

  イ Perlは、CGIを使ったアクセス・カウンタや入力処理のプログラミングを記述することが可能で、エディタなどでスクリプトを記述できる。

  ウ C++は、オブジェクト指向言語であるが、C言語とは互換性がない。

  エ Javaは、UNIXでしか利用することができないOSである。


第3問 【第1章 情報処理の基本技術】
 答え イ
 アは不適切である。COBOLは、事務処理用の大量処理やデータベースの使用に
適した言語であるが、数値計算には不向きである。
 イは適切である。Perlは、テキストやファイルを処理するのに適し、CGIを使っ
たアクセス・カウンタや入力処理のプログラミングを記述することが可能で、エデ
ィタなどでスクリプトを記述できる。
 ウは不適切である。C++は、C言語を拡張したオブジェクト指向言語であり、C言語とは上位互換性がある。
 エは不適切である。Javaは、UNIXだけでなく、WidowsやMac OSなど、特定のOSやパソコンの機種に依存することなく実行できるプログラミング言語である。ネットワークを通じてダウンロードされ、WWWブラウザ上で動作するプログラムはJavaアプレットという。


第4問 【第1章 情報処理の基本技術】
   
  ソフトウェアに関する次の記述で、最も適切なものはどれか。

  ア オープンソフトウェアとは、プログラムのソースコードを無償で公開したソフトウェアのことで、Linux OSやTronなどがある。

  イ ERPは、経営資源の最適管理が可能であるが、導入の決定では、ボトムアップのアプローチが要求される。
 
  ウ シェア・ウェアは、ネットワーク上で自由に配布され、継続使用においては無償のソフトウェアである。
  
エ Linuxは、ソースコードを公開しているが、OSは、UNIX OSではない。



第4問 【第1章 情報処理の基本技術】
 答え ア
  アは適切である。オープンソフトウェアは、OSの使用、改良、再配布の権利
を第3者に与えたソフトウェアである。
  イは不適切である。ERPは、経営資源の最適管理が可能であるが、導入の決
定では、トップダウンのアプローチが要求される。
  ウは不適切である。シェア・ウェアは、ネットワーク上で自由に配布され、
継続使用においては一定の対価を要求するソフトウェアである。
  エは不適切である。LinuxのOSは、ソースコードを公開しているUNIX OS
である。




第5問 【第1章 情報処理の基本技術】
   
  情報システムに関する次の記述で、最も適切なものはどれか。

  ア CSSシステムは、集中処理システムの一形態である。

  イ メインフレームは、分散処理システムの一形態である。

  ウ 3階層CSSシステムでは、プレゼンテーション層を担うクライアント・サーバー、アプリケーション層を担うアプリケーション・サーバー、およびデータベース層を担うDBサーバーからなる3つの基本構成をとる。
  
エ ダウンサイジングとは、情報システムの形態が、分散処理から集中処理のシステムに移行してきた変遷を指したものである。


第5問 【第1章 情報処理の基本技術】
 答え ウ
 アは不適切である。CSS(Client Server System)は、分散処理システムの一
形態である。
  イは不適切である。メインフレームは、集中処理システムの一形態である。
 ウは適切である。プレゼンテーション層では、入力と表示関連の処理を担う。
アプリケーション層では、業務ロジックを集中的に管理する。データベース層で
は、DBの検索・更新を担う。
  エは不適切である。ダウンサイジングとは、情報システムの形態が、集中処
 理から分散処理のシステムに移行してきた変遷を指したものである。

第6問 【第1章 情報処理の基本技術】
情報システムの処理形態に関する次の記述で、最も適切なものはどれか。

  ア バッチ処理では、取引が発生した時点で処理を行い、オンラインで接続さ
れているデータベースを更新する。

  イ 集中処理は、システムの規模が比較的小さい場合に採用され、個々のニーズにきめ細かく対応できる特徴がある。

  ウ リアルタイム制御は、発電所や工場の設備などの制御に用いられている処理形態である。

  エ 集中処理システムは、分散処理システムに比べて、システム障害の信頼性は高いといえる。


第6問 【第1章 情報処理の基本技術】
 答え ウ
 アは不適切である。オンライントランザクション処理に関する記述である。
  イは不適切である。分散処理に関する説明である。集中処理では、システムの規模は比較的大きく、個々のニーズにきめ細かく対応できない特徴がある。
 ウは適切である。設備を常時監視し、極めて短時間でデータ処理できる特徴を
持つ。
  エは不適切である。集中処理システムは、分散処理システムに比べて、システム障害の信頼性は低いといえる。集中処理システムでは、本体のメインフレームがダウンするとシステム全体に影響を及ぼす。分散処理システムでは、システムの各機能が分散されているため、リスクの分散が可能で、システム障害に強いといえる。
第7問 【第1章 情報処理の基本技術】
デジタルデータの処理方法に関する次の記述で、最も適切なものはどれか。

  ア HTMLは、XMLの後続言語で、ホームページ記述用言語である。
  イ XMLでは、文書の構造は記述できるが、ユーザー独自のタグの意味やタグ間の関係は記述できない。
  ウ BMPは、画素数や色数の異なる画像を1つのファイルとして扱えるようにしたファイル形式である。
 エ MP3は動画のMPEG−1の音声部分の規格である。


第7問 【第1章 情報処理の基本技術】
 答え エ
 アは不適切である。HTMLは、SGMLの特徴を活かしたホームページ記述用言
語である。XMLは、HTMLの後続言語である。
  イは不適切である。XMLでは、文書の構造は文書形定義(DTD)として記述できるため、ユーザー独自のタグの意味やタグ間の関係は記述可能である。
 ウは不適切である。TIFF(Tagged Image File Format)に関する記述であ
る。BMPは、Windowsが標準で利用する非圧縮の画像データのファイル形式で
ある。
  エは適切である。MP3は、音質の劣化がなく、非可逆で圧縮したファイル形式である。


第8問 【第2章 情報処理形態と関連技術】
クライアントサイドの拡張技術に関する次の記述で、最も適切なものはどれか。

  ア クロスサイトスクリプティングとは、Webサーバ側でWebページを動的に生成する場合に発生する可能性があるセキュリティ問題のことをいう。

 イ JavaScriptは、サーバ側のWebブラウザが実行するプログラムのことである。

  ウ JavaScriptは、コンパイラ型のプログラムで、OSに依存しない。

 エ Webサイトの内容を動的に変化させることが可能なDynamic HTMLでは、JavaScriptを利用することができない。

第8問 【第2章 情報処理形態と関連技術】
 答え ア
 アは適切である。URLで記述された引数の中に、送信先とは別のサーバでス
クリプトを動作させる内容が含まれている場合に問題になる。引数指定された
Webサーバでスクリプトが動作されると、本来送信された先とは別のWebサ
ーバでスクリプトが実行され、サイト単位で設定されたセキュリティ対策が無
力化してしまう不具合が発生する。
  イは不適切である。JavaScriptは、クライアント側のWebブラウザが実行するプログラムのことである
  ウは不適切である。JavaScriptは、インタプリタ型のプログラムで、OSに依
 存しない。
エは不適切である。Webサイトの内容を動的に変化させることが可能である
Dynamic HTMLでは、JavaScriptを利用することができる。

第9問 【第3章 データベース】

   データベースに関する次の記述で、最も適切なものはどれか。

  ア データ・マイニングでは、一般に仮説に基づいて各種のデータ分析を行い、検証する点に特徴がある。

  イ 2相ロッキングとは、複数のメッセージが互いにロックをかけているレコードにアクセスしようとして、待ち状態が発生する状態をいう。

  ウ ジャーナルファイルとは、データベースの内容を一定周期でバックアップコピーしておくファイルのことをいう。

 エ SQL言語のUPDATE文には、データの削除の機能がある。

第9問 【第3章 データベース】

 答え ア
 アは適切である。マイニングとは鉱脈を採掘するという意味があり、蓄積した
生データから有益な法則やパターンを発見する手法をデータ・マイニングという。
  イは不適切である。デッドロックに関する説明である。2相ロッキングでは、1つのトランザクションが、処理の開始前に、アクセスする全データに対してロックを獲得し、他のトランザクションによる同一データへのアクセスを排除する。
  ウは不適切である。バックアップファイルに関する説明である。ジャーナルファ
イルとは、データファイルの更新情報を記憶するファイルのことをいう。
エは不適切である。SQL言語のUPDATE文は、データの更新の機能がある。
データの削除はDELETE文で行なう。
【第 4章 通信ネットワーク】
   OSI基本参照モデルに関する次の記述で、最も適切なものはどれか。

  ア 応用層では、通信ルートの確立、開放、保持の機能を提供し、利用者間での通進を実現する。
 
 イ データリンク層では、下位層を構成するネットワーク品質の差を補い、上位層が要求するスループット、誤り率などを保障するデータ伝送を行なう。

  ウ 物理層では、隣接するノード間で通信回線を介してビット単位の転送を保障する。

  エ データリンク層では、データ表現形式や構造の制御・変換・統一のための
機能を有する。

第10問 【第 4章 通信ネットワーク】
答え ウ
  アは不適切である。ネットワーク層に関する記述である。応用層では、個々の業務や端末の利用者に対するデータ通信機能を提供する。
  イは不適切である。トランスポート層に関する説明である。データリンク層では、物理層が提供するビット列での転送機能を利用して、隣接するノード間のフレーム単位でのデータ伝送を保障する。
  ウは適切である。端末インタフェースのコネクタなどの物理的、電気的な仕様を規定する。
  エは不適切である。プレゼンテーション層に関する記述である。


<記述式問題>
次の文章の空欄に適語を入れよ。(各1点×20問=20点)
(設問1) 【第4章 通信ネットワーク】
 
 TCPは、OSI参照モデルの[  1  ]に位置し、ネットワーク層のIPと、セッション層以上のプロトコルの橋渡しを行なう。TCPは、データが確実に送受信できることを保障するが、送受信の都度、[  2  ]を確立するため、手間や時間を要し、小さなデータ通信には向かない。UDPでは、通信相手とコネクションは確立しないため、送受信の確実性は保障されない。TCPUDPでは、通信データが欠落したか、または誤りを検出する仕組みとしてチェックサムがある。



(設問1) 【第4章 通信ネットワーク】
答え 
1 トランスポート層
2 コネクション(接続手順)

解説
 TCPUDPの違い、特徴を理解しているかを問う問題である。コネクションとは相手との通信経路のことである。
TCPは、OSI参照モデルトランスポート層に位置し、ネットワーク層のIPと、セッション層以上のプロトコルの橋渡しを行なう。TCPは、データが確実に送受信できることを保障するが、送受信の都度、コネクションを確立するため、手間や時間を要し、小さなデータ通信には向かない。UDPでは、通信相手とコネクションは確立しないため、送受信の確実性は保障されないが、通信の効率がよい。TCPUDPでは、通信データが欠落したか、または誤りを検出する仕組みとしてチェックサムがある。


(設問2) 【第4章 通信ネットワーク】
 [  1  ]は、インターネットなどの外部ネットワークを経由して企業などの内部LANのコンピュータシステムに不正侵入することを防ぐソフトウェアやハードウェアの仕組みをいう。[  2  ]では、インターネットとLAN間を出入りするデータパケットの中継や破棄の機能を有する。アプリケーションゲートウェイでは、外部に直接接続できないLAN上のコンピュータの代理(プロキシ)として、インターネット側にあるサーバとのデータ送受信を行なうことができる。


(設問2) 【第4章 通信ネットワーク】
答え
1 ファイアウォール
2 パケットフィルタリング

解説
 ファイアウォールの代表的な2つの機能であるパケットフィルタリングとアプリケーションゲートウェイに関する問題である。両者の機能の違いをよく理解しておきたい。
ファイアウォールは、インターネットなどの外部ネットワークを経由して企業などの内部LANのコンピュータシステムに不正侵入することを防ぐソフトウェアやハードウェアの仕組みをいう。パケットフィルタリングでは、パケットフィルタ機能を用いて、インターネットとLANを出入りするデータパケットの中継や破棄の機能を有する。アプリケーションゲートウェイは、ProxyあるいはProxyサーバともいう。クライアントからは単にアプリケーションと同様に見えるタイプのファイアウォールの形式をいう。セッション層やプレゼンテーション層、アプリケーション層レベルでサービスを中継する機能を持つ。
(設問3) 【第5章 経営戦略と情報システム】
 顧客データの分析に重点を置いた[  1  ]では、顧客購買履歴などを分析したデータは、顧客の属性、嗜好などに応じた顧客セグメント化により、既存顧客との信頼関係を強化し、新規顧客の開拓にも効果を発揮する。[  2  ]は、企業が顧客データや販売データを蓄積したデータベースを多次元的に解析し、視覚化を可能にするシステムである。データウェアハウスなどを使って収集された大量のデータを多次元データベースに格納し、これを多角的に分析して問題点や解決策を発見できる。


(設問3) 【第5章 経営戦略と情報システム】
答え
1 アナリティカルCRM
2 OLAP(On-line Analytical Processing)

解説
アナリティカルCRMとOLAPに関する問題である。顧客データの分析に重点を置いたアナリティカルCRMでは、顧客購買履歴などを分析し、顧客の属性、嗜好などに応じた顧客セグメント化を可能にする。さらに精度の高いマーケティングへの展開を可能にする。これにより、既存顧客との信頼関係を強化し、新規顧客の拡大を図ることができる。OLAPでは、企業が顧客データや販売データを蓄積したデータベースを多次元的に解析し、視覚化を可能にすることができる。多次元データベースに格納した大量のデータを多角的に分析することにより、問題点や解決策の発見に役立てることができる。



(設問4) 【第5章 経営戦略と情報システム】

 企業間のSCMの構築により、調達、生産、販売、物流などの一連の業務プロセスの効率化が図れる。SCMで狙う効果には、[  1  ]の短縮化、在庫削減、コスト低減などがある。SCMの構築においては、システム導入の目的を明確にし、業務の標準化を進め、自社だけの[  2  ]を検討するのではなく、参加企業の[  2  ]を十分に考慮して、双方にとって効果が出るようなシステム化を狙うことが重要である。


(設問4) 【第5章 経営戦略と情報システム】
答え
1 リードタイム
2 メリット

解説
SCMの構築のポイントを問う問題である。SCMでは、多数の関連部門や企業が参加するため、全体最適の視点に立って仕組みを検討することが大切である。
企業間のSCMの構築により、調達、生産、販売、物流などの一連の業務プロセスの効率化が図れる。SCMで狙う効果には、リードタイムの短縮化、在庫削減、コスト低減などがある。SCMの構築においては、システム導入の目的を明確にし、業務の標準化を進め、自社だけのメリットを検討するのではなく、参加企業のメリットを十分に考慮して、双方にとって効果が出るようなシステム化を狙うことが重要である。





(設問5) 【第5章 経営戦略と情報システム】
PMBOKでは7つの知識エリアからなるが、プロジェクト計画の策定、プロジェクト計画の実施、変更管理は、[  1  ]の知識エリアで扱う。作業定義、作業順序設定、作業所要時間の見積、スケジュール作成、スケジュール管理は、[  2  ]の知識エリアで扱う。

(設問5) 【第5章 経営戦略と情報システム】
答え
1 総合マネジメント
2 タイムマネジメント

解説
PMBOKは、A Guide to the Project Management Body of Knowledgeを指し、プロジェクトマネジメントのデファクトスタンダードに位置付けられる基礎知識体系のことである。PMBOKは、「スコープ(範囲)」、「タイム(工程)」、「コスト(予算)」、「品質」、「組織」、「コミュニケーション(連絡・調整)」、「リスク」、「調達・契約」、「統合」からなる9つの知識エリアで構成される。

(設問6) 【第 章 】

不規則に並べた英数字や記号の文字列を鍵と呼ぶ。[  1  ]は、この鍵と、データの順序を入れ替える方式を定めたアルゴリズムとを組み合わせて、容易に解読できないようにする。インターネットなどのネットワーク上で、デジタルデータをやり取りする際、通信経路上で第三者によるデータの盗み見や改ざんを防止するために[  1  ]を行う。対となる2つの鍵を用いる公開鍵暗号方式と、送信側及び受信側の両者が同じ鍵を用いる[  2  ]がある。

1 暗号化
2 秘密鍵暗号方式

解説
不規則に並べた英数字や記号の文字列を鍵と呼ぶ。暗号化は、この鍵と、データの順序を入れ替える方式を定めたアルゴリズムとを組み合わせて、容易に解読できないようにする。暗号化により、通信経路上で第三者によるデータの盗み見や改ざんを防止することができる。対となる2つの鍵を用いる暗号化の方式は、公開鍵暗号方式と呼ぶ。対になっている秘密鍵と公開鍵のうち、秘密鍵は本人だけが持ち、公開鍵は誰でも所有できる。秘密鍵暗号方式では、送信側及び受信側の両者が同じ鍵を用いる。秘密鍵は相手だけに渡す必要があり、人数が増えると鍵の数も増えるため、鍵の管理の負担が大きい。



(設問7) 【第 章 】
[  1  ]とは、最早開始日と最遅開始日との差である。[  1  ]が0日の場合、その日程に余裕がないことを示している。クリティカルパスは、最早開始日と最遅開始日が等しい、すなわち[  1  ]が0日の結合点を結んだ経路のことをいう。この経路の作業が遅れたとき、全体の作業に遅れの影響が発生するため、全体の日程を遅らせないように重点管理が必要になる。[  2  ]とは、クリティカルパスに着目して、開発の日数やコスト削減に役立てる手法をいう。


(設問7) 【第 章 】
答え
1 余裕日数
2 CPM

解説
最早開始日と最遅開始日との差が余裕日数である。余裕日数が0日の場合、その日程に余裕がないことになる。クリティカルパスは、最早開始日と最遅開始日が等しい、すなわち余裕日数が0日の結合点を結んだ経路を指す。この経路の作業が遅れた場合、全体の作業に遅れの影響が発生する。そのため、クリティカルパスに着目して、全体の日程を遅らせないように重点管理を行う手法をCPM(Critical Path Method)という。




(設問8) 【第 章 】
収集した標本数が多くなると、一般に、データの分布は平均に近い値が多くなる。そのため、平均値を中心に左右対称の釣鐘型になる。このような分布を[  1  ]と呼ぶ。平均値μ、分散σ2の場合の[  1  ]を N(μ,σ2)と表現する。[  1  ]では、平均値±σの範囲に全体の約68.3%、平均値±2σの範囲では、全体の約95.4%、平均値±3σの範囲では、全体の約[  2  ]のデータが含まれる。

(設問8) 【第 章 】

答え
1 正規分布
2 99.7%

解説
正規分布では、収集した標本数が多くなると、一般に、データの分布は平均に近い値が多くなり、平均値を中心に左右対称の釣鐘型をとるようになる。このような分布が正規分布である。平均値μ、分散σ2の場合の正規分布は、N(μ,σ2)と表す。正規分布では、平均値±σの範囲に全体の約68.3%が含まれる。平均値±2σの範囲には全体の約95.4%、平均値±3σの範囲では、全体の約99.7%のデータが含まれる特徴がある。



(設問9) 【第 章 】

[  1  ]は、項目の件数の多い順にX軸に棒グラフを作成し、その累計を線グラフで表現したものである。散布図は2種のデータ間の正や負の相関関係の有無や程度を表現するために使用される。管理図は、品質のばらつきから、異常を早期に発見することが可能である。[  2  ]は、データの範囲をいくつかの区間に分け、各区間毎の度数を棒グラフとして表わしたものである。特性要因図は結果に影響を与えていると思われる要因を系統図で表現したものである。

(設問9) 【第 章 】
答え
1 パレート図
2 ヒストグラム

解説
パレート図は、項目の件数の多い順にX軸に棒グラフを作成し、その累計を線グラフで表現したものである。散布図は2種のデータ間の正や負の相関関係の有無や程度を表現するために使用される。管理図は、品質のばらつき具合から、異常を早期に発見する役割を持つ。ヒストグラムはデータの範囲をいくつかの区間に分け、各区間毎の度数を棒グラフとして表現したものである。特性要因図は結果に影響を与えていると思われる要因を系統図で表現したもので不良原因の追求などに使用される。

(設問10) 【第 章 】
著作権の保護の対象は、著作物の他、実演、レコード、放送、有線放送も保護対
象である。[  1  ]は著作物として保護されるが、[  1  ]作成に用いるプログラム言語、規約、解法は保護されない。データベースでその情報の選択あるいは体系的な構成により、[  2  ]を有するものは、著作物として保護される。法人等の発意により、従業者が職務上作成する[  1  ]の著作者は、別段の定めがない限り、その法人等となる。

(設問10) 【第 章 】
答え
1 プログラム
2 創作性

解説
著作権の保護の対象は、著作物の他、実演、レコード、放送、有線放送も保護対
象である。プログラムは著作物として保護されるが、プログラム作成に用いるプログラム言語、規約、解法は保護されない。データベースでその情報の選択あるいは体系的な構成により、創作性を有するものは、著作物として保護される。法人等
の発意により、従業者が職務上作成するプログラムの著作者は、別段の定めがない限り、その法人等となる。請負契約の場合は、被雇用者ではないため、作る側、すなわち受託者に権利がある。











練習問題にチャレンジしましょう。

(設問1)  【第1章 情報処理の基本技術】
言語プロセッサの代表的なものを3つ挙げよ。

(設問1)  【第1章 情報処理の基本技術】
答え
1 アセンブラ
2 コンパイラ
3 インタプリタ

解説
 言語プロセッサとは、プログラムをマシン語に変換するソフトを指す。アセンブラとは、アセンブラ言語のプログラムを機械語に変換する言語プロセッサである。コンパイラとは、C言語FortranCOBOLなどの高水準言語のプログラムを機械語に変換する言語プロセッサである。インタプリタとは、BASIC言語などのプログラムを1命令ずつ変換して実行する言語プロセッサである。

(設問2)  【第2章 情報処理形態と関連技術】

 情報システムの運用管理におけるコスト低減の方法を3つ挙げよ。


(設問2)  【第2章 情報処理形態と関連技術】

1 アウトソーシング
2 ハウジングサービス
3 リース
4 レンタル
5 レンタルサーバホスティングサービス)

解説
 上記の5つの手法からいずれか3つを列挙できればよい。アウトソーシングとは、自社の情報システムの運用管理を外部の専門業者に委託することでコスト低減を図る手法をいう。ハウジングサービスとは、通信事業者やインターネットサービスプロバイダが、顧客が所有する通信機器や情報システムのサーバを、回線設備の整備された施設に設置するサービスをいう。リースでは、機器や設備、装置などの賃借料を相手に支払って一定の期間にわたって借用し、ユーザーの責任で保守を行う。レンタルは、リースに比べて借用期間が数日から数カ月と比較的短期間であり、中途解約が可能である。機器の所有権はレンタル会社にあり、保守もレンタル会社に責任がある。レンタルサーバとは、別名でホスティングサービスともいい、通信事業者などが自社設備内に設置したサーバを複数の顧客が借りて共有するサービスをいう。

第3問 【第1章 情報処理の基本技術】
   
  プログラミング言語に関する次の記述で、最も適切なものはどれか。

  ア COBOLは、数値計算、事務処理用の大量処理や、データベースの使用に適した言語である。

  イ Perlは、CGIを使ったアクセス・カウンタや入力処理のプログラミングを記述することが可能で、エディタなどでスクリプトを記述できる。

  ウ C++は、オブジェクト指向言語であるが、C言語とは互換性がない。

  エ Javaは、UNIXでしか利用することができないOSである。


第3問 【第1章 情報処理の基本技術】
 答え イ
 アは不適切である。COBOLは、事務処理用の大量処理やデータベースの使用に
適した言語であるが、数値計算には不向きである。
 イは適切である。Perlは、テキストやファイルを処理するのに適し、CGIを使っ
たアクセス・カウンタや入力処理のプログラミングを記述することが可能で、エデ
ィタなどでスクリプトを記述できる。
 ウは不適切である。C++は、C言語を拡張したオブジェクト指向言語であり、C言語とは上位互換性がある。
 エは不適切である。Javaは、UNIXだけでなく、WidowsやMac OSなど、特定のOSやパソコンの機種に依存することなく実行できるプログラミング言語である。ネットワークを通じてダウンロードされ、WWWブラウザ上で動作するプログラムはJavaアプレットという。


第4問 【第1章 情報処理の基本技術】
   
  ソフトウェアに関する次の記述で、最も適切なものはどれか。

  ア オープンソフトウェアとは、プログラムのソースコードを無償で公開したソフトウェアのことで、Linux OSやTronなどがある。

  イ ERPは、経営資源の最適管理が可能であるが、導入の決定では、ボトムアップのアプローチが要求される。
 
  ウ シェア・ウェアは、ネットワーク上で自由に配布され、継続使用においては無償のソフトウェアである。
  
エ Linuxは、ソースコードを公開しているが、OSは、UNIX OSではない。



第4問 【第1章 情報処理の基本技術】
 答え ア
  アは適切である。オープンソフトウェアは、OSの使用、改良、再配布の権利
を第3者に与えたソフトウェアである。
  イは不適切である。ERPは、経営資源の最適管理が可能であるが、導入の決
定では、トップダウンのアプローチが要求される。
  ウは不適切である。シェア・ウェアは、ネットワーク上で自由に配布され、
継続使用においては一定の対価を要求するソフトウェアである。
  エは不適切である。LinuxのOSは、ソースコードを公開しているUNIX OS
である。




第5問 【第1章 情報処理の基本技術】
   
  情報システムに関する次の記述で、最も適切なものはどれか。

  ア CSSシステムは、集中処理システムの一形態である。

  イ メインフレームは、分散処理システムの一形態である。

  ウ 3階層CSSシステムでは、プレゼンテーション層を担うクライアント・サーバー、アプリケーション層を担うアプリケーション・サーバー、およびデータベース層を担うDBサーバーからなる3つの基本構成をとる。
  
エ ダウンサイジングとは、情報システムの形態が、分散処理から集中処理のシステムに移行してきた変遷を指したものである。


第5問 【第1章 情報処理の基本技術】
 答え ウ
 アは不適切である。CSS(Client Server System)は、分散処理システムの一
形態である。
  イは不適切である。メインフレームは、集中処理システムの一形態である。
 ウは適切である。プレゼンテーション層では、入力と表示関連の処理を担う。
アプリケーション層では、業務ロジックを集中的に管理する。データベース層で
は、DBの検索・更新を担う。
  エは不適切である。ダウンサイジングとは、情報システムの形態が、集中処
 理から分散処理のシステムに移行してきた変遷を指したものである。

第6問 【第1章 情報処理の基本技術】
情報システムの処理形態に関する次の記述で、最も適切なものはどれか。

  ア バッチ処理では、取引が発生した時点で処理を行い、オンラインで接続さ
れているデータベースを更新する。

  イ 集中処理は、システムの規模が比較的小さい場合に採用され、個々のニーズにきめ細かく対応できる特徴がある。

  ウ リアルタイム制御は、発電所や工場の設備などの制御に用いられている処理形態である。

  エ 集中処理システムは、分散処理システムに比べて、システム障害の信頼性は高いといえる。


第6問 【第1章 情報処理の基本技術】
 答え ウ
 アは不適切である。オンライントランザクション処理に関する記述である。
  イは不適切である。分散処理に関する説明である。集中処理では、システムの規模は比較的大きく、個々のニーズにきめ細かく対応できない特徴がある。
 ウは適切である。設備を常時監視し、極めて短時間でデータ処理できる特徴を
持つ。
  エは不適切である。集中処理システムは、分散処理システムに比べて、システム障害の信頼性は低いといえる。集中処理システムでは、本体のメインフレームがダウンするとシステム全体に影響を及ぼす。分散処理システムでは、システムの各機能が分散されているため、リスクの分散が可能で、システム障害に強いといえる。
第7問 【第1章 情報処理の基本技術】
デジタルデータの処理方法に関する次の記述で、最も適切なものはどれか。

  ア HTMLは、XMLの後続言語で、ホームページ記述用言語である。
  イ XMLでは、文書の構造は記述できるが、ユーザー独自のタグの意味やタグ間の関係は記述できない。
  ウ BMPは、画素数や色数の異なる画像を1つのファイルとして扱えるようにしたファイル形式である。
 エ MP3は動画のMPEG−1の音声部分の規格である。


第7問 【第1章 情報処理の基本技術】
 答え エ
 アは不適切である。HTMLは、SGMLの特徴を活かしたホームページ記述用言
語である。XMLは、HTMLの後続言語である。
  イは不適切である。XMLでは、文書の構造は文書形定義(DTD)として記述できるため、ユーザー独自のタグの意味やタグ間の関係は記述可能である。
 ウは不適切である。TIFF(Tagged Image File Format)に関する記述であ
る。BMPは、Windowsが標準で利用する非圧縮の画像データのファイル形式で
ある。
  エは適切である。MP3は、音質の劣化がなく、非可逆で圧縮したファイル形式である。


第8問 【第2章 情報処理形態と関連技術】
クライアントサイドの拡張技術に関する次の記述で、最も適切なものはどれか。

  ア クロスサイトスクリプティングとは、Webサーバ側でWebページを動的に生成する場合に発生する可能性があるセキュリティ問題のことをいう。

 イ JavaScriptは、サーバ側のWebブラウザが実行するプログラムのことである。

  ウ JavaScriptは、コンパイラ型のプログラムで、OSに依存しない。

 エ Webサイトの内容を動的に変化させることが可能なDynamic HTMLでは、JavaScriptを利用することができない。

第8問 【第2章 情報処理形態と関連技術】
 答え ア
 アは適切である。URLで記述された引数の中に、送信先とは別のサーバでス
クリプトを動作させる内容が含まれている場合に問題になる。引数指定された
Webサーバでスクリプトが動作されると、本来送信された先とは別のWebサ
ーバでスクリプトが実行され、サイト単位で設定されたセキュリティ対策が無
力化してしまう不具合が発生する。
  イは不適切である。JavaScriptは、クライアント側のWebブラウザが実行するプログラムのことである
  ウは不適切である。JavaScriptは、インタプリタ型のプログラムで、OSに依
 存しない。
エは不適切である。Webサイトの内容を動的に変化させることが可能である
Dynamic HTMLでは、JavaScriptを利用することができる。

第9問 【第3章 データベース】

   データベースに関する次の記述で、最も適切なものはどれか。

  ア データ・マイニングでは、一般に仮説に基づいて各種のデータ分析を行い、検証する点に特徴がある。

  イ 2相ロッキングとは、複数のメッセージが互いにロックをかけているレコードにアクセスしようとして、待ち状態が発生する状態をいう。

  ウ ジャーナルファイルとは、データベースの内容を一定周期でバックアップコピーしておくファイルのことをいう。

 エ SQL言語のUPDATE文には、データの削除の機能がある。

第9問 【第3章 データベース】

 答え ア
 アは適切である。マイニングとは鉱脈を採掘するという意味があり、蓄積した
生データから有益な法則やパターンを発見する手法をデータ・マイニングという。
  イは不適切である。デッドロックに関する説明である。2相ロッキングでは、1つのトランザクションが、処理の開始前に、アクセスする全データに対してロックを獲得し、他のトランザクションによる同一データへのアクセスを排除する。
  ウは不適切である。バックアップファイルに関する説明である。ジャーナルファ
イルとは、データファイルの更新情報を記憶するファイルのことをいう。
エは不適切である。SQL言語のUPDATE文は、データの更新の機能がある。
データの削除はDELETE文で行なう。
【第 4章 通信ネットワーク】
   OSI基本参照モデルに関する次の記述で、最も適切なものはどれか。

  ア 応用層では、通信ルートの確立、開放、保持の機能を提供し、利用者間での通進を実現する。
 
 イ データリンク層では、下位層を構成するネットワーク品質の差を補い、上位層が要求するスループット、誤り率などを保障するデータ伝送を行なう。

  ウ 物理層では、隣接するノード間で通信回線を介してビット単位の転送を保障する。

  エ データリンク層では、データ表現形式や構造の制御・変換・統一のための
機能を有する。

第10問 【第 4章 通信ネットワーク】
答え ウ
  アは不適切である。ネットワーク層に関する記述である。応用層では、個々の業務や端末の利用者に対するデータ通信機能を提供する。
  イは不適切である。トランスポート層に関する説明である。データリンク層では、物理層が提供するビット列での転送機能を利用して、隣接するノード間のフレーム単位でのデータ伝送を保障する。
  ウは適切である。端末インタフェースのコネクタなどの物理的、電気的な仕様を規定する。
  エは不適切である。プレゼンテーション層に関する記述である。


<記述式問題>
次の文章の空欄に適語を入れよ。(各1点×20問=20点)
(設問1) 【第4章 通信ネットワーク】
 
 TCPは、OSI参照モデルの[  1  ]に位置し、ネットワーク層のIPと、セッション層以上のプロトコルの橋渡しを行なう。TCPは、データが確実に送受信できることを保障するが、送受信の都度、[  2  ]を確立するため、手間や時間を要し、小さなデータ通信には向かない。UDPでは、通信相手とコネクションは確立しないため、送受信の確実性は保障されない。TCPUDPでは、通信データが欠落したか、または誤りを検出する仕組みとしてチェックサムがある。



(設問1) 【第4章 通信ネットワーク】
答え 
1 トランスポート層
2 コネクション(接続手順)

解説
 TCPUDPの違い、特徴を理解しているかを問う問題である。コネクションとは相手との通信経路のことである。
TCPは、OSI参照モデルトランスポート層に位置し、ネットワーク層のIPと、セッション層以上のプロトコルの橋渡しを行なう。TCPは、データが確実に送受信できることを保障するが、送受信の都度、コネクションを確立するため、手間や時間を要し、小さなデータ通信には向かない。UDPでは、通信相手とコネクションは確立しないため、送受信の確実性は保障されないが、通信の効率がよい。TCPUDPでは、通信データが欠落したか、または誤りを検出する仕組みとしてチェックサムがある。


(設問2) 【第4章 通信ネットワーク】
 [  1  ]は、インターネットなどの外部ネットワークを経由して企業などの内部LANのコンピュータシステムに不正侵入することを防ぐソフトウェアやハードウェアの仕組みをいう。[  2  ]では、インターネットとLAN間を出入りするデータパケットの中継や破棄の機能を有する。アプリケーションゲートウェイでは、外部に直接接続できないLAN上のコンピュータの代理(プロキシ)として、インターネット側にあるサーバとのデータ送受信を行なうことができる。


(設問2) 【第4章 通信ネットワーク】
答え
1 ファイアウォール
2 パケットフィルタリング

解説
 ファイアウォールの代表的な2つの機能であるパケットフィルタリングとアプリケーションゲートウェイに関する問題である。両者の機能の違いをよく理解しておきたい。
 ファイアウォールは、インターネットなどの外部ネットワークを経由して企業などの内部LANのコンピュータシステムに不正侵入することを防ぐソフトウェアやハードウェアの仕組みをいう。パケットフィルタリングでは、パケットフィルタ機能を用いて、インターネットとLANを出入りするデータパケットの中継や破棄の機能を有する。アプリケーションゲートウェイは、ProxyあるいはProxyサーバともいう。クライアントからは単にアプリケーションと同様に見えるタイプのファイアウォールの形式をいう。セッション層やプレゼンテーション層、アプリケーション層レベルでサービスを中継する機能を持つ。

(設問3) 【第5章 経営戦略と情報システム】
 顧客データの分析に重点を置いた[  1  ]では、顧客購買履歴などを分析したデータは、顧客の属性、嗜好などに応じた顧客セグメント化により、既存顧客との信頼関係を強化し、新規顧客の開拓にも効果を発揮する。[  2  ]は、企業が顧客データや販売データを蓄積したデータベースを多次元的に解析し、視覚化を可能にするシステムである。データウェアハウスなどを使って収集された大量のデータを多次元データベースに格納し、これを多角的に分析して問題点や解決策を発見できる。


(設問3) 【第5章 経営戦略と情報システム】
答え
1 アナリティカルCRM
2 OLAP(On-line Analytical Processing)

解説
 アナリティカルCRMとOLAPに関する問題である。顧客データの分析に重点を置いたアナリティカルCRMでは、顧客購買履歴などを分析し、顧客の属性、嗜好などに応じた顧客セグメント化を可能にする。さらに精度の高いマーケティングへの展開を可能にする。これにより、既存顧客との信頼関係を強化し、新規顧客の拡大を図ることができる。OLAPでは、企業が顧客データや販売データを蓄積したデータベースを多次元的に解析し、視覚化を可能にすることができる。多次元データベースに格納した大量のデータを多角的に分析することにより、問題点や解決策の発見に役立てることができる。



(設問4) 【第5章 経営戦略と情報システム】

 企業間のSCMの構築により、調達、生産、販売、物流などの一連の業務プロセスの効率化が図れる。SCMで狙う効果には、[  1  ]の短縮化、在庫削減、コスト低減などがある。SCMの構築においては、システム導入の目的を明確にし、業務の標準化を進め、自社だけの[  2  ]を検討するのではなく、参加企業の[  2  ]を十分に考慮して、双方にとって効果が出るようなシステム化を狙うことが重要である。


(設問4) 【第5章 経営戦略と情報システム】
答え
1 リードタイム
2 メリット

解説
 SCMの構築のポイントを問う問題である。SCMでは、多数の関連部門や企業が参加するため、全体最適の視点に立って仕組みを検討することが大切である。
企業間のSCMの構築により、調達、生産、販売、物流などの一連の業務プロセスの効率化が図れる。SCMで狙う効果には、リードタイムの短縮化、在庫削減、コスト低減などがある。SCMの構築においては、システム導入の目的を明確にし、業務の標準化を進め、自社だけのメリットを検討するのではなく、参加企業のメリットを十分に考慮して、双方にとって効果が出るようなシステム化を狙うことが重要である。





(設問5) 【第5章 経営戦略と情報システム】
PMBOKでは7つの知識エリアからなるが、プロジェクト計画の策定、プロジェクト計画の実施、変更管理は、[  1  ]の知識エリアで扱う。作業定義、作業順序設定、作業所要時間の見積、スケジュール作成、スケジュール管理は、[  2  ]の知識エリアで扱う。

(設問5) 【第5章 経営戦略と情報システム】
答え
1 総合マネジメント
2 タイムマネジメント

解説
 PMBOKは、A Guide to the Project Management Body of Knowledgeを指し、プロジェクトマネジメントのデファクトスタンダードに位置付けられる基礎知識体系のことである。PMBOKは、「スコープ(範囲)」、「タイム(工程)」、「コスト(予算)」、「品質」、「組織」、「コミュニケーション(連絡・調整)」、「リスク」、「調達・契約」、「統合」からなる9つの知識エリアで構成される。



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Balanced Sheet and Profit/Loss Analysis Training: 70 Analysis Knowledge for Strategic Management

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☆プロジェクト評価軸における4つの視点☆

 プロジェクトの成否は、参加する利害関係者の評価で決まります。プロジェクトのアウトプットを客観的に評価するのは、ユーザである利害関係者です。利害関係者には、社内関連部門、社外取引先、関連企業などが関わってきます。プロジェクトリーダーとプロジェクトメンバーがいくら精魂が尽きるほどにがんばっても、プロジェクトのアウトプットが経営効果となって現れてこなければ、そのプロジェクトは失敗したことになります。システムの定着化に齟齬を来たすと、システム投資は負の遺産となって、償却負担の増大化を招き、収益に影響してきます。

プロジェクト評価軸は、外部環境の視点、内部環境の視点、技術の視点、及び顧客ニーズの視点からなる4つの視点で評価できます。
外部環境の視点では、外部環境・事業環境変化対応レベル、競争優位対応レベル、及び利害関係者(ステークホルダー)参加レベルの項目によって評価できます。
内部環境の視点では、ビジネスモデル創造・再構築レベル、業務改革レベル、経営資源変化対応レベル、組織変化対応レベル、企業文化・風土変化対応レベル、及びオペレーション・プロセス影響レベルによって評価できます。
技術の視点では、システム連携レベル、既存システム影響レベル、技術的難易レベル、技術革新レベル、要求スキル・ノウハウレベル、及び業界標準化レベルによって評価できます。顧客ニーズの視点では、案件規模レベル(コスト)、必要要員規模レベル(コスト・納期)、予算規模レベル(コスト)、要求ソリューションレベル(品質)によって評価できます。
 各々の項目において、たとえば、5段階評価により、ある情報化案件に対して、現状の評価レベルに対して、目標とすべき評価レベルを設定し、両者間におけるギャップ分析を行い、認識されたギャップを埋めるために、いかなる戦略課題を設定し、情報化によってその戦略課題をいかに実現すべきか主要成功要因CSF(Critical Success Factor)の絵を描くことになります。
ここでのCSFとは、経営面における戦略課題を解決に導くための主要な情報化テーマを指します。プロジェクトの評価は、次式でスコアの計算ができます。

     PROJECT VALUES = ΣE + ΣI + ΣT +ΣC

プロジェクトでは、社内外の利害関係者(ステークホルダー)が参画し、様々な利害の追及からなる構図が成立します。取引先A社にとっては、システムのある機能Xがメリットになっても、取引先B社には全くメリットがないというようなことが起こってきます。また、参加企業によっては、システムを使いこなす人材が極端に不足している場合もあります。情報化レベルは、参加者、参加企業によってもばらつきがあるのが一般的です。

■ 外部環境と内部環境の視点による評価とは
 

外部環境の視点では、まず、開発・導入した情報システムが、クライアント企業を取り巻く外部環境(経済・政治・他)及び事業環境(競合の動き、市場の動き、顧客ニーズ)の変化に対応できないものであれば、役に立たない、あるいは時代に逆行するオペレーション・システムとして評価されてしまいます。
システム開発段階で前提条件として想定していた外部環境や事業環境が短期間に変化し、システムが完成してまもないころ、全く、システムが土俵の外に追いやられているケースに陥ってしまうパターンです。
競争優位対応レベルの評価では、情報システムの主要目的として、競合に優位に立てるようなビジネスモデルを実現するために、ITを活用しているかという点がポイントになります。情報システムのリニューアル化を図って社内業務の効率化が図れても、業務が楽になっただけで、競合に勝るような経営指標の改善が達成されていなければ、情報化投資の効果は出ているとはいえません。新規情報システムの導入によって、売上の向上や市場シェアのアップが図れ、リードタイムや在庫が半減したといったような経営効果が見られなければ、プロジェクトは成功したとは評価されません。
 ステークホルダー参加レベルの評価では、たとえば、受発注関連の新規の情報システムによって、取引先企業などの大半に参加してもらえなければ、業務プロセスは、従来業務と新規業務プロセスとが並存することになり、かえって、業務効率の悪化を招く場合が多々あります。さらに、参加企業が少なければ、当然、参加企業のシステム加入・参加費用による運用管理収入の減少を招き、情報システムの運用管理コストの源資を確保できなくなってしまいます。

□内部環境の視点による評価とは
 内部環境の視点では、まず、新規情報システムの導入・改善などによって、従来のビジネスモデルの再構築や、新たなビジネスモデルの創造が図れるかといった切り口で評価します。さらに、業務改革が図れ、体質強化につながっているか、あるいは、組織構造が変化した場合に、情報システムが対応できるのかといったことも評価しなければなりません。
情報システムが組織構造の変化に柔軟に対応できるような仕組みや仕掛けが備わっていない場合には、その情報システムは硬直化したツールとして、ユーザーに活用されない事態を招いてしまいます。さらに、企業文化・風土変化対応レベルやオペレーション・プロセス影響レベルの評価では、新規情報システムの導入・改善によって、かえって従来のオペレーションに比べて悪化するようであれば、そのプロジェクトは失敗とみなされます。
□技術の視点による評価とは
技術の視点では、ネットワーク連携能力が強化され、システム連携レベルの向上が図れなければ、新規情報システムの効果は不十分なものになってしまいます。
さらに、新規情報システムが既存システムに与える影響も考慮されなければなりません。
システム化では、技術的難易レベルによって、開発期間や開発コストが左右されます。新規システムでは、技術革新のレベルが高いものをクライアントから要求されるケースもあるでしょう。
しかも、システム開発を担当するSEやプログラマーは、クライアントから専門性に裏打ちされた高いスキルやノウハウが求められるのが一般的です。特に、企業間連携の強化や顧客との接点の拡大の視点から、インターネットを軸に業界標準プラットフォームを取り込んだシステムの実現への要望が強くなっています。

□クライアントニーズの視点による評価とは
 クライアントニーズの視点では、クライアントの要求する品質、コスト、納期のレベルを詳細化することがプロジェクト推進の前提条件となります。いくらよい品質のシステムが完成しても、当初見積もりを大幅に超過するようなコストと納期遅延が発生した場合、プロジェクトは失敗に帰したことになりかねません。経営品質の向上と経営効果の追求を目的としたシステム化対象案件の実現コストを抑えたいニーズが、クライアントには必ず存在します。ここでは、クライアントが解決したい経営課題に対するITソリューションを多くの選択肢の中から検討し、最小限の予算規模で、最大の経営効果を発揮できるようなシステム化がクライアントから要求されます。IT投資の回収を迅速に図り、経営効果を発揮させるために、クライアントはプロジェクトの推進期間の圧縮を要求して来るでしょう。
 以上のように、プロジェクトの評価では、多角的な視点で、クライアントのニーズをシステム思考の原点にして、十分に検討することが、プロジェクトリーダーの役割であるといえます。

 
■ 経営戦略とビジネスモデルの構築
経営戦略企画・推進プロセスのステップでは、ビジネスモデルの再構築・創造のデザイン能力を発揮できる必要があります。

□情報化プロセス
 情報化プロジェクトの検討の最初のステップでは、まず、情報化プロジェクト推進管理体制の確立を図ります。具体的な実行プロセスは、上流工程の経営戦略企画・推進プロセスから始まり、続いて、情報化戦略企画・推進プロセス、システム化推進プロセス、及び運用管理プロセスを経て完了します。以降で、各プロセスを具体的に見ていきます。
 
□ ITプロジェクト・マネジャーの能力とビジネスモデル構築

ITパワーは、インターネット上で資本力の弱いベンチャー企業やニッチ企業が世界の電子商取引市場でビジネスを拡大することを可能にしました。これらの企業の中には、資本力に頼らず、競争優位性のあるビジネスモデルの創造や独自性で勝負することで、ニュービジネスを生み出しているところが多くあります。

情報システムがうまく機能していない企業では、トップダウンによる情報化アプローチの徹底化が図られていないところが多いものです。現場の声高なニーズに振り回されて部分最適に陥っている情報化のアプローチからの脱却を図っていくことが必要です。

経営戦略と情報化戦略が一体化してきている今日、ボトムアップ的な情報化アプローチでは、経営的効果の追求が不十分なばかりではなく、経営戦略課題に直結した情報化戦略を立てるのは不可能であるといえます。経営戦略に関わっている部門の管理者やトップは、情報化戦略の立案においては、戦略の立案の当初の段階から主体的に関わっていくスタンスが要求されます。事業戦略を勘案し、競合に対しビジネスの差別化を図れる情報システムは、経営効果となって大きなキャッシュ・フローを生み出します。ここでは、全体最適化の企業活動のデザインをイメージできるかどうかが情報戦略の成否に大きく影響します。

経営トップや管理者との積極的な対面、レビューを繰り返し、クライアント企業が抱えている問題点の本質を捉え、経営課題の抽出に注力することが重要です。クライアント企業の経営戦略を十分に理解したうえで、経営課題の解決を図るために情報化戦略企画・策定を行い、主要成功要因(CSF)を見極め、情報化によって具現化するステップを踏みます。

□経営戦略の基本軸とITプロジェクト・マネジャー(ITPM)の能力

競争優位に立つ企業に飛躍していくためには、限られた経営資源の最適化を図り、企業付加価値の最大化を目指したビジネスモデルを構築することが不可欠であるといえます。ビジネスモデルの再構築や創造においては、独自性のあるアイデアを情報システムに組み込み、ビジネスモデル特許で独占的ポジションを確保することが競争優位に立つためのビジネス基盤の形成につながります。
インターネットが普及し、電子商取引市場が拡大する中で、消費者と企業の購買行動は大きく変化しつつあります。このような時代の潮流に対応して、企業活動の新たなる仕組みを不断に追及していくことが企業のサバイバル競争の絶対条件になってきています。
そのためには、顧客ニーズを十分に把握し、IT活用により、業務プロセスの革新を図っていく必要があります。ここでは、顧客へのサービス、ロジスティクス、販売、生産、調達、設計、開発というように、従来の業務プロセスのベクトルを反転させて顧客の視点からビジネスモデルをデザインするというアプローチが重要です。
ITソリューションには様々なものがありますが、プロジェクト案件の性格やクライアント企業の事業特性・実態にマッチしたものを取捨選択し、経営効果が発揮できるものが要求されます。

全体最適の視点で、顧客を起点ベクトルに据えた業務プロセスの革新を図るとともに、バリュー・チェーン(価値連鎖)の再構築を図ることで、ビジネスのスピードとコストを追求していく能力を身に付ける必要があります。

ここでは、経営的視点と情報化の視点をバックボーンにして、バリュー・チェーン(価値連鎖)に関わるビジネス知識の習得を図ることが不可欠です。各業界のオペレーション・マネジメントの基本をしっかりとマスターする必要があります。経営資源の最適化を図るために、人、設備の稼働率を高め、調達先を巻き込んだ企業連携の関係を確立し、競合に優位に立てるビジネス活動の仕組みを追求していく必要があるでしょう。企業の付加価値創造のシナリオを、いかなる業務プロセス及びバリューチェーンのデザインによって描くかということです。

ビジネスプロセスの評価基準として、ベンチマーキングによるベストプラクティスの手法がよく用いられます。これは、その業界での最適なビジネスの手法を実践している企業を評価尺度の対象にして、自社のレベルを評価し、両者のギャップを解消するための方策を検討するものです。

さらに、情報化の推進においては、プロジェクトマネジメントの能力を有することが、ITPMにとっては不可欠です。限られた時間、予算、納期、人員の制約条件の中で、様々なプロジェクト環境の変動要因に対処しながら、当初の目的を達成するには、リーダーシップの発揮による効率的なプロジェクト運営管理の能力が要求されます。

■ビジネスモデルのナレッジデザインにおけるポイント


□ビジネスモデルの基本構造とは
ビジネスモデルの基本構造を検討する際には、クライアント企業の経営ビジョンをベースに企業の組織目的、社会的存在価値、ビジネス機能・役割、組織構造、収益構造を明確にしなければなりません。
 そのためには、まず、競合や業界を取り巻く市場環境としての外部環境を把握するために、業界構造の分析をファイブ・フォース・モデル分析の手法で行います。
次に、外部環境における内部環境の強み・弱みを洗い出すためにSWOT分析を適用し、ビジネスの主要成功要因(CSF:Critical Success Factor)を抽出します。CSFとしては、製品競争力、価格競争力、サービス力、チャネル・流通政策、投資スタンス、バリュー・チェーン(価値連鎖)、業務プロセス、情報化レベル、競合に対する優位性、及び市場におけるポジショニングを検討します。競合分析では、ベンチマーキングがよく適用されます。
これは、先進的な同業他社や競合他社の優れたビジネスのやり方や業務プロセスを自社のものと比較して,目標基準を設定し,自社とのギャップを埋めるような改善活動につなげていく手法です。

さらに、KPI(経営目標到達指標)を達成するためのアクション・プランでは、KPI(業績評価指標)を設定する必要があります。たとえば、売上高の倍増というKGIに対して、KPIで顧客獲得数を3倍に設定するというアクション・プランが考えられます。

企業の事業ドメイン(事業領域)は、顧客(WHO)、ニーズ(WHAT)、コア・コンピタンス(HOW:技術力、デザイン力、などの企業の核となる強み)の3つの軸で把握することができます。
たとえば、ある新機能を備えた携帯電話の顧客ターゲットを若年層の10代、20代の年齢別、地域別などに細分化・層別化して、きめ細かいマーケティング活動を展開し、顧客ニーズの吸収を図り、優れたデザイン力と生産力で製品化するアプローチが考えられます。

収益構造、組織構造、情報流通構造を把握するためには、バリュー・チェーン(価値連鎖)構造、コスト構造、業務プロセス、組織機能・役割、意思決定機能・プロセス、情報流通機能・プロセスを明らかにする必要があります。ここで適用される構造分析手法には、経営分析指標の分析、損益分岐点分析、各種原価計算の手法、ABC/ABM、などがあります。

さらに、ビジネスモデルの再構築・創造では、ライバルや関連するビジネスモデルの特許を事前に徹底して調査する必要があります。ビジネスモデル特許紛争をビジネスモデルのデザインの段階で事前に避けるためです。検討したビジネスモデルが、他社などのビジネスモデル特許に抵触する場合は、法的裏付けのもとに、ビジネスモデルデザインの変更またはライセンス契約による攻守のアプローチで対応していく必要があります。
ここのステップを無視して、ビジネスモデルのアイデアをシステム化してしまうと、場合によっては、特許紛争に巻き込まれるリスクもありますので、クライアント企業との共同作業により、ビジネスモデル特許調査は十分に行っておく必要があります。

以上のステップを踏んだ上で、ITソリューション戦略を検討します。ここでは、外部環境・内部環境、技術動向・業界標準化動向、クライアントニーズを明確にします。ITソリューションには、クライアント企業の実態と導入目的に応じて最適な経営手法とITをドッキングさせて選択・導入を図ることがポイントです。現状のビジネスモデルの再構築や改革・創造を図るためには、最適な経営手法の導入により、ビジネスモデルそのものの構造転換を図ることが効果的であるからです。

☆ 4 corner viewpoint ☆ at the project evaluation axis
The success or failure of the project is decided by the evaluation of the participating interested parties.
It is the interested parties who are a user that evaluate the output of the project objectively.
The company related department, the outside the company customer, the related enterprise and so on concern interested parties.
The project fails if the output of the project becomes a management effect and the project leader and the project member don't appear hang in there, too, to the extent that the how much heart and soul runs out.
When there is to have come in the variance to become established a system, the system investment becomes a negative inheritance and causes the enlargedness of the repayment load and influences profit.
The project evaluation axis can be evaluated in the 4 corner viewpoint which consists of the viewpoint of the external environment, the viewpoint of the internal environment, the viewpoint of the technology and the viewpoint of the customer needs.
In the viewpoint of the external environment, the item of external environment and business environmental-variation compatible level, competition predominant compatible level and the interested party ( the stake folder ) participation level can evaluate.
In the viewpoint of the internal environment, the business model creation and restructuring level, the business reform level, management resource change compatible level, organization change compatible level, the corporate culture and climate change compatible level and the operation process influence level can evaluate.
In the viewpoint of the technology, the system cooperation level, the existence system influence level, the technical difficulty level, the technical innovation level, the request skill know-how level and the de facto standard making level can evaluate.
In the viewpoint of the customer needs, the agenda item scale level ( the cost ), the necessary personnel scale level ( the cost and the appointed date of delivery ), the budget scale level ( the cost ), the request solution level ( the quality ) can evaluate.
CSF in this place means the main becoming information-oriented theme to lead a strategy problem about the business end to the solution.
The evaluation of the project can do the computation of the score in the following equation.

PROJECT VALUES=ΣE+ΣI+ΣT+ΣC

In the project, the stake folder at the in and out of the company take part in the planning and the composition which consists of search into a wide range of interests is concluded.
Even if the feature X which has a system becomes a merit for the customer A Inc., the thing that the customer B Inc. doesn't have a merit at all happens.
Also, depending on the participation company, the human resources which master a system are sometimes lacking extremely, too.
As for the becoming information-oriented level, that there is looseness with the participant, the participation company, too, is general.

■The external environment and the evaluation by the viewpoint of the internal environment

The external environment and the business environment which was assumed as the precondition in the system development step change into the short time, the system is complete and when not being, completely, the system is the pattern which has fallen into the case which is driven out of the sumo ring.
In the evaluation of competition predominant compatible level, the point whether or not it is utilizing IT to realize the business model as it is possible to stand predominantly with the competition, making like a principal-particulars of the information system becomes a point.
A good result of the becoming information-oriented investment can not crawl when producing it if the business becomes easy only and the improvement of the management index as it excels competition isn't achieved even if it is possible to attempt the increase in efficiency of the company business by attempting for the information system to get renewed.
If the management effect as it said that it is possible to attempt for the sales to improve and for the market share to rise by the introduction of the new information system and that a lead time and an inventory were cut in half isn't seen, the project isn't evaluated when it succeeds.
Moreover, if few, of course, it causes the decrease of the operations management income by the system subscription and the admission fee of the participation company, Genshi with the operations management cost of the information system can be secured and if there are few participation companies, it has passed away.
□ The evaluation by the viewpoint of the internal environment
In the viewpoint of the internal environment, almost, it evaluates in the cut ends such as whether it is possible to attempt to create the restructuring of the conventional business model and a new business model by the introduction and the improvement of the new information system and so on.
Moreover, the things such as whether the information system can support when it is possible to business reform and it leads to the tendency reinforcement or organization structure is changed, too, must be evaluated.
When not equipped with the mechanism as for the information system to support the change of the organization structure flexibly and the device as it is possible support, the information system has caused the situation which isn't utilized for the user as the rigid-ized tool.
Moreover, if it seems that it is aggravated compared with the conventional operation, returning with the introduction and the improvement of the new information system in the evaluation of the corporate culture and climate change compatible level and the operation process influence level, the project is thought of as the failure.
□ The evaluation by the viewpoint of the technology
The effect of the new information system resembles in the insufficient one and has become if ability of the network cooperation is strengthened in the viewpoint of the technology and it isn't possible to attempt for the system cooperation level to improve.
Moreover, the influence which the new information system gives the existence system, too, must be considered.
In the systematization, development time and a development cost are influenced by the technical difficulty level.
In the new system, there will be a case to require one with the high level of the technical innovation from the client, too.
Moreover, that the high skill and the know-how which was lined with client by the specialty are sought is general about SE and the programmer which takes charge of the system development.
Specifically, the request to the realization of the system to have taken in a de facto standard platform at the axis in the Internet from the viewpoint of the reinforcement of the B to B cooperation and the expansion of the point of tact with the customer by becomes strong.
□ The evaluation by the viewpoint of the client needs
In the viewpoint of the client needs, to do the level of the quality, the cost, the appointed date of delivery which the client demands in the refinment becomes the precondition of the project promotion.
When the cost and the delivery delay as it exceeds an estimate substantially at first occur even if the system with the quality which is good in much is complete, the project can not result in the failure.
The needs to want to suppress the realization cost of the systematization object agenda item which had a purpose of the improvement of the management quality and the pursuing of a management effect always exist at the client.
This place reviews IT solution to the management problem to want to solve a client from the inside of a lot of alternative and the systematization as the biggest management effect can be shown at the minimum budget scale is required from the client.
To attempt to collect IT investment quickly and to make show a management effect, the client will demand compression in the period of the promotion of the project.
It is possible to say that to make the needs of the client the starting point of the system-thinking in the multilateral viewpoint in the evaluation of above mentioned project and to review sufficiently are the role of the project leader.

■The building of a management strategy and a business model
The step of the management strategy planning and promotion process must be able to show the design ability of the restructuring and the creation of the business model.
□ The becoming information-oriented process
In the first step of the reviewing of a becoming information-oriented project, almost, it attempts for a becoming information-oriented project promotion control system to be established.
Specific Executing Process begins with the upstream process management strategy planning and promotion process and next, it completes via the becoming information-oriented strategy planning and promotion process, the systematization promotion process and the operations management process.
Since then, it sees each process specifically.

The ability and the business model building of the IT project manager
IT power made it possible for the venture business and the niche company about which the capital power is weak to expand business by the e-marketplace in the world on the Internet.
There are a lot of places to produce new business in not depending on the capital power and fighting the inside of these companies by the creation of the business model which has competition advantage and the originality.
The information system is the one where there are many place where the carrying-without exception of the becoming information-oriented approach which depends, being top-down isn't attempted in the company which doesn't function, being good.
It is necessary to attempt to avoid from the approach by the becoming information-oriented which falls, being best for the part, being brandished by the loud needs in the scene.
Today when a management strategy and becoming information-oriented strategy are united, in the becoming information-oriented approach like from the bottom up, it is possible to say that it is impossible to make a becoming information-oriented strategy by which it made a management strategy problem in the direct connection in addition to that the pursuing of a managing effect was insufficient.
In case of drafting of becoming information-oriented strategy, the stance which concerns independently from the step at first of the drafting of strategy is required about the administrator and the top with the department which concerns a management strategy.
It takes account of business strategy, and the information system that it is possible to attempt the differentiation of the business to the competition it becomes a management effect and invents a big cash flow.
This place influences the success or failure of the information strategy roughly by whether or not it is possible to imagine the design of the business activity of the total-optimization.
To repeat active meeting with a management top and a administrator, a review, to take the essence of the problem which the client company has and to put an emphasis on the extraction of the management problem are important.
It does becoming information-oriented strategy planning and working-out to attempt the solution of the management problem after understanding the management strategy of the client company sufficiently, it ascertains the main enabler (CSF) and it does dance steps which the becoming information-oriented embodies.
□ The ability of the basic axis of the management strategy and IT project manager (ITPM)
It is possible to say that to attempt the optimization of the limited management resource and to build the business model which aimed for a corporate additional value to be maximized are indispensable to leap to the company which stands in the predominance in the competition.
It leads to the forming of the business basis that to incorporate the idea which has originality into the information system in case of restructuring and creation of the business model and to secure a monopolistic position in the business model patent stand in the predominance in the competition.
In that the Internet becomes popular and that the e-marketplace expands, the buying behavior of the consumer and the company is changing roughly.
To support a tide in such times and to search into the new mechanism of the business activity constantly become the absolute condition of the survival competition of the company.
For its purpose, it grasps customer needs sufficiently and by IT utilization, the innovating of a business process must be attempted.
Here, the approach of the business model to design from the viewpoint of the customer, reversing the vector of the conventional business process as if to serve to the customer, to do logistics, to sell, to produce, to procure, to design, to do a development is important.
IT solution includes a wide range of ones, but it selects the one which was matched with the character of the project agenda item and the business characteristic and the actual state of the client company and the one which can show a management effect is required.
The ability to pursue the speed and the cost of the business in attempting to innovate the business process to have installed a customer in the starting point vector in the viewpoint which is the optimal for the whole and attempting the restructuring of the value chain ( the value chain ) must be put to the body.
That this place makes a managing viewpoint and the viewpoint of the becoming information-oriented a backbone and to attempt to acquire business knowledge about the value chain ( the value chain ) are indispensable.
The basics of the operation management of each industry must be tightly mastered.
To attempt the optimization of the management resource, it improves the operating rate of the person, the facilities, it establishes the relation of the corporate cooperation which involved a procurement place and the mechanism of the business activity to make predominantly with the competition will have to be pursued.
It is the fact to draw the scenario of the additional value creation by the company by what business process and the design of the value chain.
As the evaluation standard of the business process, the technique of Best Practice by the benchmarking is often used.
This is the one which reviews the means to cancel the gap of both, evaluating the level of the company, dealing with the company which is practicing the technique of the best business by the industry for the rating-scale.
Moreover, to have the ability of the project management in case of promotion of the becoming information-oriented is indispensable for ITPM.
To achieve a purpose at first while coping with the fluctuation factor of a wide range of Project Environment in the constrained condition with limited time, budget, appointed date of delivery, personnel, the ability of the efficient project management management which is due to the show of the leadership is required.

■ The point about the knowledge design of the business model
□ The basic structure of the business model
When reviewing the basic structure of the business model, the organization purpose, the social being value of the company, the business feature and the role, the organization structure, the profit-profile must be made clear based on the management vision of the client company.
For its purpose, almost, to grasp an external environment as the market environment which surrounds competition and industry, it analyzes industry structure by the technique of the five force and the model analysis.
Next, it applies SWOT analysis to dig up the advantage and the weak point of the internal environment about the external environment and it extracts the main enabler (CSF:Critical Success Factor) of the business.
As CSF, it reviews product competition power, price competitiveness, service power, a channel and a distribution policies, an investment stance, a value chain ( the value chain ), a business process, a becoming information-oriented level, advantage to the competition and positioning in the market.
In the competition analysis, benchmarking is well applied.
This is the technique which can connect to Improvement Activity as it fills a gap with the company, setting a goal standard, comparing the way and the business process of the business about which the cutting-edge other companies in the same trade and the competition other company are excellent with the one in the company.
Moreover, in the action plan to achieve KPI ( the management goal reaching index ), KPI ( the performance evaluating index ) must be set.
For example, the action plan to set the number of the customer wining to KGI, the doubling of the proceeds, by 3 times in KPI is thought of.
The business domain ( the business territory ) of the company can be grasped with the (WHO) customer, (WHAT) need, core competence ( HOW: the advantage which becomes technical power, design power, the nucleus of the company ) 3 corner axis.
For example, according to the age of the teen-ager, the twentysomething of the younger age group, it develops subdivision and the marketing-activities to make a statification and to be fine at areas and so on, in the customer target of the cell phone which was equipped with some new function, it attempts to absorb customer needs and the approach to commercialize at the excellent design power and the prolificacy is thought of.
To grasp a profit-profile, organization structure, information circulation structure, the value chain ( the value chain ) structure, the cost structure, the business process, the organization feature and the role, the decisionmaking feature and the process, the information circulation feature and the process must be clarified.
In the structural analysis technique which is applied here, it is the analysis of the analysis of the affairs of a business index, a break-even analysis, the technique, ABC/ABM of the various costing.
Moreover, the patent of the rival and the related business model must be completely investigated beforehand in the restructuring and the creation of the business model.
It is to avoid a business model patent dispute beforehand in the step of the design of the business model.
When the reviewed business model is against the business model patent of the other company and so on, under the legal evidence, it is necessary to support by the change of the business model design or the approach by the offense and defense by the immunity-agreement.
Because there is risk which is involved in the patent dispute in some cases, too, when ignoring a step in this place and having systematized the idea of the business model, by the coagency with the client company, the business model patent investigation must go sufficiently beforehand.
After doing above dance steps, it reviews IT solution strategy.
This place makes an external environment and an internal environment, a technology trend and a de facto standard making trend, client needs clear.
The actual state of the client company in IT solution and to combine a best management technique and IT according to the purpose of the introduction and to attempt to choose and to introduce are a point.
To attempt the restructuring and the reform and the creation of the business model of the present situation, with the introduction of the best management technique, it is because to attempt a structural transformation with business model itself is effective.

Balanced Scorecard Introduction

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The balance scorecard introduction lecture
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The balance scorecard is one of the tactical management techniques that the introduction is becoming animated in the public organization and at the hospital and so on, too, including the company.
The individual let's introduce the basic structure.

The mechanism of the all directions type tactical management system - the balance scorecard
The balance scorecard is the tactical management system which debit P. Norton in the consulting company invented with the Robert Sarah Caplan professor of the Harvard Business School professor.
The characteristic of this business strategy technique is the point which balance well adopts the 4 corner viewpoint which consists of financial viewpoint, the viewpoint of the customer, the viewpoint of the business process, the viewpoint of the learning and the growth and does a performance evaluating by the scorecard.
By the evaluation which consists of 4 corner index, it grasps a goal and the gap of the achievement fitting at the value.
The 2 corner viewpoint of the financial accounting and the customer is the category which is based on the viewpoint of the stake folder.
The financial strategies aims at the maximization of the cash flow in the harvest, aiming at the profitability in the lasting period, aiming at the germinancy in the growing period of the business.
There are a ① market share, a ② customer fixed rate, a ③ new customer fixed rate, ④ customer satisfaction, a profit, evaluation index according to the ⑤ customer in the viewpoint of the customer.
It evaluates the business process which is best to give the customer and the stockholder a value ( the value ) in the viewpoint of the inner business process and to achieve a strategic objective.
Generally, it is evaluated at the quality, the cost, the appointed date of delivery, the new product introduction percentage and so on.
The viewpoint of the learning and the growth means the basis which is necessary for the long-term growth of the organization.
① Human resources, a ② IT system, a ③ motivation and an empowerment ( the delegation of power ), are made.
By making a management policy and an evaluation index clear, evaluate management in the 4 corner viewpoint that a balance was taken, it coordinates an organization hierarchically and the balance scorecard which does management tactically can be called the strategy management technique of all directions type.

The strategy mapping by the balance scorecard
The strategy mapping is the indispensable tool to use a balance scorecard.
The strategy mapping is the viewpoint of the learning of ① human resources and the growth if saying by a word.

② The viewpoint of the inner business process

③ The viewpoint of the customer

④ It is to go along in turn and that the scenario of the strategy of the management reform is composed of the flow which is a financial viewpoint.
As for the financial viewpoint, to be evaluated at the value which appears at the financial statement as the result of the business performance, it is possible to be both in the viewpoint in the past.
It is possible to be with the present viewpoint, too, about the customer, the inner business process.
The viewpoint of the learning and the growth can be called a viewpoint in the future, too, from the implication, the upbringing of the human resources, the reinforcement of the ability to reform.
When looking at the 4 corner viewpoint by the temporal axes in this way, as for the zone in the time which each viewpoint belongs to, it will find the fact to be different.
If comparing strategy mapping by the play of the golf, a 4 corner viewpoint is called the hall which should reach.
A wide range of faults are waiting by reaching each hall.
The basic structure of the strategy mapping is composed of ① strategic-target (KGI:Key Goal Indicator), ② important enabler (CSF:Critical Success Factor), ③ important evaluation index ( the performance evaluating index: KPI:Key Performance Indicator ), ④ target ( the specific target-number value of KPI ), ⑤ action plan ( the execution concrete plan ) to each of the 4 corner viewpoints.
It links the various factor which composes a 4 corner viewpoint by the arrow in the connection, the cause and the result.
As a result, the mapping to have finished putting together from the tactical viewpoint is complete.
The balance scorecard in the management top becomes a hierarchical structure as if to do a balance scorecard with operating department length, to do the balance scorecard of the group leader, to do the balance scorecard of the general staff and breaking down
With this mechanism, as for the strategy mapping by the whole company, the consistence can be secured about all organization hierarchies.
It is the meaning which can prevent gap's occurring to the strategy among the hierarchies and reform vector's becoming apart.
The author names this a pyramid vector.
The balance scorecard is the business strategy technique of the strategy management which is useful for the performance evaluating, working out a management strategy.
It shows the power to be outstanding in to the business management.
The point to narrow down these viewpoints to the 4 corner all directions type and for " the 4 eyes Lev management " to be able to be practiced is a reason for giving off the blaze of the existence value.
The single-lens reflex camera very provides the good clear photograph of the deterioration.
The balance scorecard is the one management and which can be well seen wonderfully, boiling as it is possible to say " the 4 eyes Lev camera " which gathered four single-lens reflex cameras.
Why will it be a financial viewpoint?
If the company doesn't make a profit even if it sends the product which is excellent in much using the money in the world, it has failed in time.
The financial basis is sound and to win the confidence of the capital market is the absolute condition of the company continuation.
In the meaning, the balance scorecard adopts a financial viewpoint.
Next, why will it be the viewpoint of the customer?
The customer shoulders without turning in the seeing, too, to the product where the convenience is bad and the product where the after-sale service is bad even if the performance and the feature are excellent and have the good design of the much advantage.
It is a point by whether or not the customer can be gotten by buying at the proper price by this place's making the product concept which matches the needs of the customer clear.
As for the viewpoint of the customer, it asks the existence value of the business activity.
How will it be therefore to the viewpoint of the business process which is the 3rd viewpoint?
As for the business process, it is equipped with the factor which influences the level of the product and " the quality ", " the cost " and " the appointed date of delivery " of the service.
These 3 corner factors can be called the absolute condition of the manufacturing, but when either one level falls, the product and the service can meet the needs of the customer and pass away.
The viewpoint of the learning which is the 4th viewpoint and the growth concerns the quality of the human resources which compose corporate organization.
There can be human resources when to bring up excellent human resources by the repeat of histological 習 to be called person property, too, influences the perpetuity of the company, too.
The balance scorecard 4 corner viewpoint differs in the zone of the temporal axes.
For example, the financial viewpoint can be called a viewpoint in the past as the result of the business performance to be evaluated at the management value like the financial statement.
The customer, the business process are one to the activity condition of the present progressive and can be called the present viewpoint.
This place analyzes a customer, a market, competition and inventing a best business process by it
It attempts to bring up human resources and to strengthen the ability to reform and the viewpoint of the learning and the growth can be called a viewpoint in the future.
Among these 4 corner viewpoints, it is equipped with the past, all temporal axeses which consist of the future at present and it has the characteristic that it is possible to do a performance evaluating balance well without the overlook.
For example, here, as the 5th new viewpoint, the viewpoint of the risk and the viewpoint of the environment can be added, too.
The business management which can do the control that a balance was taken by this place's adding a best viewpoint according to the characteristic and the description of business of the company can be realized.
In the balance scorecard, it uses so-called KPI(Key Performance Indicator) for the performance evaluating index.
KGI evaluates the maximum goal of the management in the company at the value.
" Achievement with 10 % of profitability ", Exhibited to the capital market as the target-number value of the management as if to do " the definite achievement with twice of proceeds "
KPI subdivides in detail as the performance evaluating index in the specific action plan to achieve KGI.
It is the one which can be called the monitoring parameter of the management.
KPI sets a wide range of ones to each while it makes have a consistence mutually in the 4 corner viewpoint.
The achievement of KGI must be led to as those amounts.
It checks to be proportional to the proceeds and whether or not the profitability, too, is improved in KPI of the financial viewpoint or whether or not it declines.
Every month, which degree, it monitors whether or not it clears to be changing to the target value or whether or not it is aggravated.
KPI makes the value that the result of the practice of the reform was invented the form which the eyes can see.
It is charged with a role of the monitoring ( the watch ) which evaluates a value and a level at the value in the time series using the managing viewpoint.
As for the contents of KGI, according to the change of the progress condition of the business reform and the status, the business environment of the competition, every time , the orbit correction hangs.
It accompanies to that and it reconsiders and the correction, and the new setting, the reorganization become need next to the inevitability, in the action plan and KPI ( Key Performance Indicator: the performance evaluating index ) in the change of the strategy.
That is, the reconsideration of the companywide balance scorecard is done and the changing clothes of the frame of the performance evaluating is done.
KPI can get a big harvest as the company if it can be achieved when setting a target value high.
However, when setting the overstretching oneself target value as it doesn't correspond with the ability of the company to KPI, in some cases, the company crashes.
For example, there is a case that the staff does that the sales are dilute to achieve exorbitant sales Norma well.
In this way, KPI of becoming the sword of the double edge, too, very is the tool of the monitoring ( the watch ) of naive management.
When reviewing what level to decide the value on, in addition to gap analysis of the competition and the company, to ascertain the level of the acceptance power and the true ability of the company well from a wide range of angles under the enough adjustment among the related departments is important about as what index to choose KPI.
It is necessary to check whether or not it is possible not to choose the achievement index that it is possible to really master the performance evaluating index (KPI) to have incorporated into the balance scorecard on the scene or whether or not it doesn't get not to be in the meaning as the business environmental-variation can not be supported, too.
For example, if the performance of the competition improves, it accompanies to that and the reconsideration of KPI becomes need.
Or, if KGI is changed, the correction orbit of KPI is necessary at the same time.
With to call the specific promotion index to achieve KGI, too, being possible, it is in the relation of the parent and child with KPI.

KGI, KPI, CSF about the balance scorecard
The evaluation index of the goal attainment level when proceeding with the management reform includes two of KGI ( Key Goal Indicator: the management final-result index ) and KPI ( Key Performance Indicator: the performance evaluating index ).
For example, KGI is the management goal of which it is possible to say the last goal of the finance as it said that it wanted to expand the sales of the 3 years after company by 3 times, too.
It is the management index which is indispensable because of the embodiment of the companywide management policy.
KPI can be called the child of KGI, too.
It is the index to evaluate whether or not to receive the looking forward to it of KGI which is parents and in the specifically to realize it how needed cut end it should achieve it by the specific action.
For example, A let's suppose that it asks when he resembles in the high pay taking that the income of the professional baseball player with over a hundred million yen annual income can be secured, becoming the director of the company which is excellent about its child B you as the parents and is wished to become.
This becomes KGI of A and is the strategic-target of the last goal.
To get a job in the excellent company, it sends to an excellent school and it puts a tutor, it is possible to mean a wide range of lessons and the showing supposes that it does a westerly wind if it is not within the 3rd in the class of the school.
This becomes KPI.
The actions which send to a school which is excellent to get a job in the excellent company here and put a tutor and can mean a wide range of lessons are so-called action plan.
As for the important enabler in this place, the fact whether or not it is possible to make a child get a job in the first-class company corresponds.
The one of KPI of KGI which bridges is important enabler (CSF).
Because the outsider can evaluate objectively at the specific value, KGI, KPI are charged with a role of the feature of the monitoring ( the watch, the evaluation ) in case of working-out of a management strategy.
The scorecard which consists of the 3 corner combination of KGI, CSF, KPI here must be created to each of the 4 corners of the financial viewpoint, the viewpoint of the customer, the viewpoint of the inner business process, the viewpoint of the learning and the growth.

The balance scorecard and Titanic, KPI
The point which should be the most careful in the utilization of the balance scorecard is in the design of performance evaluating index KPI.
The crash of the executive officers who fell into one piece of efficiency management is well attended by the accident of the recent major company, ignoring the actual state of the scene and the capacity of the scene in case of setting of this KPI.
It practices the business activity which aims at doing best with the whole but the balance scorecard has the risky side to have made the management policy that the top was wrong penetrate companywide.
Because, the company is in case of the middle, the person in charge in the scene, employee's boiling a balance scorecard by the coxswain of the gigantic warship from the management top because it is the one which forms a pyramid vector, becoming a cluster and failing because the direction can not have been advanced towards.
When the worst, it doesn't limit when not falling into the traged of Titanic which conflicts with the iceberg, too.
KPI is the starboard which affects fate of the gigantic warship and is a conning tower.
It sets KPI with the high level as it forces on the scene and in the organization which forces the definite achievement of the excessive action plan, the quality problem and the safe accident problem and moreover the recall problem tend to occur frequently.
When the capacity of the scene employee who is in the front line of the active conduct of business reaches a limit by the lash of the improvement of the persistence business expansion and the productivity and the profitability which depends on the top, the organization structure is because it falls into the insufficiency.
Here, the convenient bad information is the one which has fallen into the situation that the organization highest level panics with the thing becoming big and being detected, bringing about the delay of the feedback action, not flowing, being good stagnant among the organizations.
The history is proving that there was a malady in Roman Empire's aiming to conquer the world ever and repeating the expedition of the imperial globalization about the soldier and that it became the remote cause of the collapse of the Roman Empire.

The vision and the strategy become a momentum.
In the first step of the business reform, it utilizes the technique of the balance scorecard and it makes the policy of the corporate strategy which is the optimal for the whole, a vision and a performance evaluating index clear.
In the business management, the definite vision and the strategy will not be exaggerated even if it says that they are charged with a role of the compass and that they decide that the company sinks and floats.
If the management top can not show a definite vision, and a management strategy, business strategy to the employee, the executive and the employee who is engaged in the business activity in the front line in the scene go this way and that.
The vector of the business activity turns to the apart direction in each department and the regulation passes away in the coming-off, and the waste and the loss of the management resource occur and the business management traces a way of declining.
In the balance scorecard, the setting of a definite vision and strategy is in the placing in the executive ability development of the company, the momentum.
The vision and the strategy will be able to be compared to the navigator at the car.
If saying this definite vision with the navigator of the car, it takes on inputting an address in the spot of the reaching by the destination.
In the strategy, it makes the fact by what approach to be realized clear.
It reviews basic policies such as wanting to go while enjoying the feelings of the travel which was slowly while going to bed as expected with the Superexpress without using a car about whether or not it goes with the private car.
By which of the car and the Superexpress to choose, the contents which should prepare a thing, too, are different roughly.
Possible about being exposed to the crisis of the life or death in some cases, too, in the business management of the business environment in being intense when the strategy makes a bad choice of the approach
Moreover, the strategy must spread out to the action plan as the specific execution plan.
The computation of the distance which arrives at the destination, the quantity and the required time of necessary gasoline, the securing ( or, are the confirmation of the service area on the way ) of a food and the various preparation and so on must be made clear beforehand.
For example, gasoline must decide things such as whether it is the cash payment OBJ DO or whether or not to pay with the credit card about whether or not to find the gas station of the self service and how to procure is inexpensively purveyed by it.
Such a specific action plan becomes in the thing boiling which is called tactic.

The one which the 4 corner viewpoint means
In the viewpoint of the customer, the company pursues the improvement of the in-house product and the market share ( the market share ), the customer fixed rate, the new customer wining percentage to the service, the profitability according to the customer according to the product and so on in the business management.
The existence value of IT system about the business management is about to resemble about whether or not IT system can show the ability sufficiently as the management support tool to realize the improvement of these performance evaluating indexes (KPI:Key Performance Indicator).
It is possible to call the one to have expressed the management needs of the company in KPI with the viewpoint of the customer.
In the viewpoint of the financial accounting, IT system which aimed at the improvement of the germinancy and the profitability, the cash flow of the business of the company must be built.
Here, management final-result index (KGI:Key Goal In dicator) is set.
To make achieve a goal index about above mentioned customer, the financial accounting, the company does in the focus to the inner business process and attempts to improve and to reform a business process.
This place becomes a management point with quality, cost and appointed date of delivery in case of the product and service and the main introduction percentage of the new product and so on.
In the viewpoint of the learning and the growth, it attempts the human resources development which becomes the nucleus of the management resource.
Here, IT system is charged with a role which promotes the sharing of the information and the know-how.
To improve learning effect as the organization and to aim to grow, it improves the motivation of the human resources which compose an organization and it is possible to say that that the corporate culture that it is possible to appreciate worth doing and the sense of achievement to the business in the date is caused is indispensable.
Moreover, to make show the potentiality of the young people member by the mechanism of the empowerment and to take to the condition which was activated as the organization are indispensable for the business growth.

The SWOT analysis to grasp a management resource and business environment, being general
In the tactical approach by the balance scorecard, the use of the SWOT analysis is valid.
The business-opportunity which utilized the advantage of the company explores what it is and it reviews whether or not it isn't possible to evade a menace by the advantage of the company.
Also, the strategy which takes advantage of opportunity and converts a weak point into the advantage can be reviewed.
Moreover, the menace and the weak point elaborate the plan to avoid of the risk which becomes come across.
In this way, in the management strategy working-out, the SWOT analysis is an indispensable technique when attempting the best utilization of the management resource to have supported a business environmental-variation.
☆ It makes a home plan by the balance scorecard!
The thing boiling which is useful for the brain training includes a wide range of ones such as the logical sinking and the mind map.
It will be possible to say that these are an excellent tool but that they have a weak side to invent systematical strategy from there.
The balance scorecard is the business strategy technique which Robert Sarah Caplan in Harvard Business School developed but if mastering together with the SWOT analysis which is the technique of the environment analysis, it can improve strategy consideration leaping-ly.
Saying " the constant change of the whole creation ", as for Herakleitos which is a philosopher in advocated ancient Greece, the principle which dominates order in the this world is a battle and conflict and the essence of the things is being called to prefer that it is possible to be mumbling, too.
The business is about to be able to invent a business environmental-variation and the idea which can overcome competition how or to boil them.
If an idea isn't visualized, it doesn't have a force and it can not execute wisdom of the many as the strategy by gathering it.
The balance scorecard has the wonderful feature which fits the visualization of the strategy.
Moreover, it becomes the strategy tool only in addition to the working-out of business strategy which shows an excellent effect in case of life design and reconsideration of the lifestyle, too.
Will a home plan seem able to be worked by the balance scorecard?
The answer is YES.
In the balance scorecard, it makes four boiling viewpoints which consist of financial viewpoint, the viewpoint of the customer, the viewpoint of the business process, the viewpoint of the learning and the growth in the focus and it works out a strategy.
The partner concerns the viewpoint of the customer.
The fund plan is a financial viewpoint.
The thing search is the viewpoint of the business process.
The acquaintance and the information to get from the acreage estate company concern the viewpoint of the learning and the growth.
Here, in these 4 corner viewpoints, each, it is KGI( final goal: KEY.
GOAL INDICATOR
As the parameter which evaluates the action plan to achieve , KPI ( the performance evaluating index: KEY PERFORMANCE INDICATOR ) must be set.
With the step which corresponds to C(CHECK) of PDCA(PLAN、DO、CHECK、ACTION), KPI shows an effect.
In this way, the balance scorecard becomes the strategy consideration tool which is useful for the life design and the changing of the lifestyle.

The approach by the balance scorecard and CRM
The penetration to the customer consumption process
The mass marketing in the conventional product center becomes outdated.
It enters in the times when the conversion into relationship marketing (CRM) and the one-to-one marketing in the customer center decides the success or failure of the business.
The reinforcement of individual compatible and the relationship of mutual trust to the customer becomes the important issue of the marketing.
To build close relationship of mutual trust with the customer by aiming at the segment needs of the specific customer and digging, developing and providing the product and the service which was fitted to the needs is important in CRM.
By entering into the consumption process of the customer deeply, it is possible to have a point of tact to the lifetime value ( the lifetime value ) of the customer.
To maximize a customer value on the channel of the point of tact with the customer, with the statistical analysis technique, to analyze the buying behavior of the customer thoroughly becomes a point.
The approach to the customer royal tea improvement
Moreover, a marketing-activities for the royal tea improvement is required to the customer.
In case of practice of CRM, the expansion of the pioneering of a new customer, the dealings with the existence customer and the maintenance are necessary.
For the existence customer, an approach by the upgrade which raises an already bought product and the frequency and the level of the service is often used.
Also, it is effective when using the technique of the cross ceiling which sells an already bought product and the other product which is related with the service, too.
Specifically, in the maintenance of the existence customer, the ascertainment of the life cycle value of the existence customer is important and the prospect of the profitability to have taken account of a maintenance cost must be carefully estimated.
To utilize the scientific analytical method which depends on the dater warehouse for the analysis of the customer action and the buying behavior pattern discovery is effective.
Moreover, in case of collection of the buying behavior dater of the customer, it is necessary to add information from the various data channels.
For example, the call center which is a point of tact with the customer, a credit card, a Web site, a cell phone, a salesperson and so on are raised.
As the information system composition of CRM, generally, it consists of the 3 corner element of the front office which covers a point of tact with the customer, the customer database management and the middle office which takes charge of data analysis management and then the backoffice which covers a business dater.
The fusing of CRM and KM
As the direction of the future, the system form of the fusing of CRM and KM ( the knowledge management ) will become important.

The viewpoint of the business process about the balance scorecard, and TOC, SCM
TOC, SCM are the leading figure of the management technique which penetrates all the industry including the manufacturing, the distribution industry.
SCM ( the supply chain management ) manages the flow of goods about the supply activity, the flow of the information, flow with cache by Kazumoto beyond the fence out of the in-house, being best in participation B to B as the value chain.
To convert into the cash flow management, as the influential tactical business management technique, it is being bathed in the footlights.
The approach by SCM ( the supply chain management ) lies in discovering the bottleneck which is the factor which obstructs the whole efficiency in the business activity, inflicting improvement and building the mechanism which does the synchronization of all the value chains, a speed-up beyond the frame of B to B during the department.
While attempting seamless of the information on the business activity by this, reduction of the abridgment, the inventory reduction, the sale opportunity loss of the total lead time and the maximization of the cash flow can be aimed at.
Let's touch beforehand about TOC(THEORY OF CONSTRAINTS), too.
Eliyahu Goldratt in Israel proposed this theory and was bathed in the leaping footlights by the explanation of the novel making by " the goal " which is the book.
Each company which is the member which composes the supply chain first, when micro- attending, it discovers the bottleneck as it has lowered the supply speed of the whole supply chain which is obstructing synchronization among the process chains about the department or the manufacturing process.
Then, it makes the level of the neck synchronize all process chains.
Next, it improves a bottleneck.
It is the theory to repeat these steps and to attempt the best speeding of the whole process chain.
Management in general can be applied to when extending and taking a neck.
In the supply chain theory ( Michael Eleanor Porter proposes ) which compared business activity, production activities to the chain of the chain, the activity of the component in this place is equivalent to the chain and the throughput corresponds to the strength of the chain.
The strength of the whole chain of the business activity, the production activities is the strength of the weakest part and is decided.
That is, the increase of throughput lies in attempting to discover, to strengthen the constrained condition which is this weak chain.
The one in TOC which the goal of the company aims at is to achieve to be minimized for the maximization of the throughput in Point of sales and the inventory and the operating-expense, aiming at the constrained condition.

The viewpoint and the concurrent engineering of the business process about the balance scorecard (CE)
It is a focus to the source step.
In the process of the source step which fixes a product concept and a goal cost, it tears a fence of each department of the development, the manufacture, the physical distribution, the sale and the service and it says that it proceeds with the alert and agile product development under the cooperation activity system which incorporates with the gate completely by the concurrent processing.
It says that 70 - 80 % of the production cost is decided in the product planning step.
That is, to let's attempt cost cutting in the manufacture stage or the procurement step on the lower reachs of the river, too, the room of the improvement is limited.
The reduction by the reduction of the experimental production number of times with substantial experimental production cost can be aimed at because it makes a cost, quality with development phase in the source by the front-loading and it is crowded.
Moreover, it is important to proceed with the best process designs and the production designs such as the evaluation of the manufacturing easiness and the reviewing of a matching with the facilities of possessing at present at the sumo ring where the person in charge in the related department is the same before product structure and a shape are fixed.
The viewpoint of the totaled cost management
In the mega-competition times, the cost is the lifeline of the business.
In the future, it is necessary that to build the mechanism of becoming information-oriented as it puts on an abandonment and the product life cycle cost which was included until the recycling by the management like Kazumoto shifts to the environment management, too.
Specifically, it is not only manufacturing cost and to grasp sales costs, development cost, user cost, abandonment cost, recycling cost such as the dealer margin tightly in the step of product planning and the marketing that a cost factor is fixed is important.
The way of piling a necessary cost about that it should attend here and flicking a cost is the fact not to be accepted in the times of the customer taking the lead.
As for customer's placing in the market of the lead character, it is market price's there being putting-on almost.
It isn't possible to stand in the predominance in the competition if piling a necessary cost in the remainder which drew a target-income from the market price and not planning the scale, the personnel, the facilities of the business and so on.
To proceed with the concurrent engineering activity while attempting the redistribution and the optimization of the management resource below the business strategy by the idea of such subtraction, under the product strategy by it becomes the key of the business activity.
The viewpoint of the profitability, the efficiency, the safety, the productivity, the germinancy about the business management is used for KPI of the financial viewpoint about the balance scorecard.
In the balance scorecard strategy, it is important to turn the cycle of PDCA(PLAN、DO、CHECK、ACTION) fast.
Specifically, to monitor the evaluation of the management at the value in the viewpoint of the financial accounting is important.
If mastering the cut end of the analysis of the affairs of a business by analyzing using the financial statement, being good, the actual state of the company management can be decidedly seen.
The basic information of the analysis of the affairs of a business can be collected from three of the balance sheets, the statements of profit and loss, the statements of cash flow.
The derivation of the various useful management judgement data is possible if processing the value of the financial statement in a variety of cut ends and computing it.
To analyze by the comparison of the industry, the competition, the time series and the target value, too, is valid.
By doing management indexes based on the various management information such as the industry information, the competition other company information, the management value in the past of the few years in Pairwise Comparison, the management level of the business can be grasped.

The financial statement and the balance scorecard
The ability to solve the financial statement of the company by reading it becomes indispensable ability for the business person and the investor.
A new company law is enforced and the contents of the financial statement, too, are being changed.
It got to call a part with conventional capital the part of the net asset.
It changed to the conventional appropriation statement and newly, with the book of the variation gauge calculations such as the shareholders' equity, the fluctuation of the capital in the beginning of a term and the end of a term became able to be understood, being clear.
It will be possible to say that the balance scorecard is a valid tactical management system because it is the management tool which provides the mechanism of the monitoring of the performance evaluating.
It gets to do the can companywide KPI ( the performance evaluating index ) which nominates an organization at making incorporate a balance scorecard into the pyramidal structure of the organization hierarchy is controlled by which and it is monitored.
That is, the financial statement is the meaning which can be systematically with KPI watched over.
In the Europe and America, the balance scorecard is indispensable to enrich IR information and becomes an indispensable tool to fund raising from the capital market.
For the investor in addition to the one which engages in the business activity in the meaning, too, the balance scorecard will be able to be called common sense.
Specifically, it is possible to say that the financial statement is the business strategy technique to provide many excellent performance evaluating indexes for the stake folder logically.
The value of the financial statement is converted in the thing boiling value which can judge the management status, the fiscal conditions of the company, being clear by the theory, the analysis of the affairs of a business.
Here, to be familiar with the fundament of the minute perspective and the business management to the management value is important.

What is Strategy?

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□The genealogy of the strategy
What is the strategy?

  • Show the corporate true direction and a goal, being clear and elaborate the master plan of the business to overcome competition.

When attempting to read a business histories, Krause Vitz which wrote the strategics of the posterity in China and flagrant " the war theory " as the big flow and so on are well introduced.
The posterity explained that he paid attention to the analysis of the landform and the military power and so on and that he should elaborate strategy, tactic.
This way of thinking is inherited by positioning school Harvard University professor Michael Eleanor Porter's competition strategy and five force model and so on as the concept of positioning.
The five force model has a pointing scholar, too, when it is the theory which analyzed the allocation of the distribution of the game.
Recently, the resource base theory, too, is lively.
The continuity which is predominant in the competition is the theory that it should look for the source which is predominant in the competition in the inner resources ( the core competence ), it should not look for the source in the external environment.
J. Ben Bernie and so on have started a discussion to the porter.
At the design school on Harvard which is called a design school, authority Alfred Chandler professor of the economics and the business histories made the concept of the strategy clear.
Moreover, in the 1960s, with the masterpiece " that the organization follows strategy ", the organization structure clarified to be necessitously decided by the working-out of strategy from the investigation and the analysis of the history of the decentralization of a lot of big businesses such as Dupont.
It says that Kenneth Andrews became a center at this design school and that there was a refinment about the SWOT analysis which is often used with the working-out step of the management strategy at present, too.
Here, let's introduce some typical business strategy techniques.
□ The blue ocean strategy which makes competition empty
The blue ocean strategy challenges by the value innovation which can realize differentiation and a cost reduction at the same time to push up demand roughly, opening a new market ( blue ocean ).
It was invented by Weiping Zhang Kim of the INSEAD professor.
In the conventional red ocean that a desperate battle is unrolled, the company falls into a snare which unrolls competition by the same Best Practice.
It improves the value of the buyer by the handy pricing in the blue ocean strategy, it attempts for the standard of the gross demand to improve, and it creates the market where there is not competition and it catches the approach which makes competition empty.

The management technique - the five force model which is useful for the industry structural analysis
To strengthen the management risk management of the company, the business environment must be analyzed in the logical and practical viewpoint.
There is a typical thing boiling five force model of the analytical method of the industry which a company is placed in.
This is the business theory which Michael Eleanor Porter in the U.S. which is the authority of the competition strategy invented.
It is the technique to recognize the 5 corner competition factor which exists in the market and to measure and to analyze the attractiveness which the industry has.
It analyzes the industry of the object in the 5 corner viewpoint which is the existence of the competition in the ① industry, the height of the ② new entry barrier, the existence of the ③ loaner, the power of the ④ customer, the power of the ⑤ supplier.
In the status that a lot of competition exists in the industry, it is possible to judge that the attractiveness of the industry is low.
In the industry for the low product and the service of the barrier to entry, to forward the easy advance of the brother, the attractiveness of the industry declines.
The existence of the loaner can become threatening to existing product and the service.
Also, if the bargaining ability in case of purchase of the customer ( the purchaser ) is strong, the situation of the corporate side becomes weak and the attractiveness of the industry, too, falls.
When the power of the supplier ( the seller ) which supplies a part and raw material and so on is strong, as for the corporate side, the risk of the product and service cost rise becomes big and the attractiveness of the industry declines.
□ The competition strategy
Michael Eleanor Porter shows the 3 corner basic strategy which consists of cost leadership strategy, differentiation strategy, centralised strategy to win the position which is predominant in the competition in the market.
The cost leadership strategy is the strategy to secure the position which is predominant in the competition in the market with the advantage, the minimum cost, in the industry.
To achieve a minimum cost, the approaches such as attempting to reform the value chain of the product and the service, and to reconsider a product design, for the funding cost to reduce and for the productivity of the production line to improve are necessary.
The differentiation strategy is the strategy to pursue the originality and the characteristic which is not in the competition other company, and to thrust aside the following of the competition other company and for the brush to rise in the product and the service at the unique sumo ring.
There are a feature which is not in the competition other company and a means of a wide range of differentiation such as the design, the service, the incentive, the brand, the delivery.
In the centralised strategy, it makes the specific market segment of the industry in the focus and it aims at the wining of the position which is predominant in the competition in the market in the limited range.
By centralizing a management resource to the niche market, it creates a unique product and service and the backbone and the small businesses and the venture business which the management resource has a limit can become a conqueror in the market, too.
□ Bench Marking
In the bench marking, it analyzes the gap of the business power with the success company makes the company and a goal and the competition other company should makes.
It compares the way and the business process of the business about which the cutting-edge other companies in the same trade and the competition other company are excellent with the one in the company and it sets and it links a goal standard to Improvement Activity as it fills a gap with the company.
For example, it makes profitability and a product lead time, one proceed, person of sale growth rate and so on a comparative index and it evaluates business power.
In the gap analysis, it ascertains the factor which brings about the reinforcement of the business power.
For example, it is unique technical power and ones such as the sales know-how, the manufacturing technique power.
It extracts the factor which is indispensable for the differentiation and the reinforcement of such business and it adopts the approach to make clear as the numerical target with KPI ( the performance evaluating index ) and to apply to the reinforcement of the business power of the company.
The typical thing boiling by the methodology of the bench marking has four kinds of the ① tactical bench markings, the ② competition bench markings, the ③ process bench markings, the ④ company bench markings.
The bench marking which proceeds with the reform by the gap analysis with the excellent company
The origin of the bench marking can be looked for in the technique which Robert Colleen Camp did in the management service as the consul tongue when Xerox in the U.S. fell into business depression.
In the bench marking, so-called core competence ( the advantage which becomes the nucleus of the company ) such as the ability and the know-how, the technology, the management skill to become the nucleus of the company must be ascertained.
Next, it fills this gap, it sets a goal standard to overcome competition and it attempts to reform business.
By the bench marking, it learns in Best Practice ( the way of the excellent business ) of the company which should make a goal and the reform by the action plan can be attempted.
As for the typical thing boiling by the methodology of the bench marking, four kinds of the ① tactical bench markings, the ② competition bench markings, the ③ process bench markings, the ④ company bench markings can be given.
In the tactical bench marking, it imitates Best Practice of the management strategy of the world level and it makes the directionality of the strategy clear and it does the tactical optimum allocation of the management resource.
In the competition bench marking, ascertaining the difference of the competition other company of the all over the world same trade, and the achievements, the way of conducting, the process, the methodology and so on, it reviews the means to stand predominantly with the competition.
In the process bench marking, it improves the process of the specific business activity.
The development process wins competition but when the prolificacy is weak, it works out a strategy to have paid to the reinforcement of the prolificacy.
Here, the alternative such as the reinforcement of the development and the productive facilities of the progressive process, the reinforcement of the production system surfaces.
For example, it reviews what compatible it should attempt for the production lead time to fill the gap if a thing with twice, or overcoming case and the one proceeds which are fewer than with the rival is proved compared with the rival.
In the company bench marking, the objects such as the group company, the other plants, the other business place exist in the enterprise group and it attempts the level spread of the best technique and the process in the company.
SWOT.
The SWOT of 4 corner alphabet means advantage (Strengths), weak point (Weaknesses), opportunity (Opportunities), a threat, (Threats).
SWOT uses strategy logic with characteristic, the cross analysis.
In the cross analysis, it ascertains an advantage, a weak point about the internal environment and the external environment which surrounds a company and it thinks of the mutual best combination.
This place reviews whether or not it isn't possible to evade a menace by the advantage of the company, exploring what the business-opportunity which utilized the advantage of the company is.
Also, the strategy which takes advantage of opportunity and converts a weak point into the advantage can be reviewed.
Moreover, the menace and the weak point elaborate the plan to avoid of the risk which becomes come across.
The solution of the corporate strategy problem can be attempted in ascertaining the management problem to attempt the optimization of the management resource, the restructuring of the business by the SWOT analysis, doing a order of priority bill and doing dance steps which break down in the specific theme.
The practice step of the tactical management becomes an environment analysis, the company analysis, a strategy choice, a strategy implementation.
Here, let's attempt to think of how to use of the SWOT analysis specifically.
For example, when having the technology of the industry top level in some major automobile manufacturer but it isn't being possible to attempt to utilize excellent human resources, it invests the human resources which can not utilize for the remarkable field of the growth and a strategy which joins a new market can be worked out.
Also, the development of the new product which utilized the advantage when having quality and design, brand power as the advantage, when having, by the sale, the strategy which deals with the discount attack by the competition is thought of.
Moreover, when the upkeep of the dealer shop which exists in the national base oppresses management and becomes a weak point, it will be how.
It utilizes the management resource of the special agent sale which is a weak point oppositely and the case which can review the strategy which strengthens a community-based sales policy, too, as the alternative, too, will appear.
When the pulling-out , the circulation moves ahead and the direct sale by the Internet sale and so on becomes threatening for this company, a countermeasure must be worked out so as not for the channel of the dealer shop sale which is a weak point to undergo influence.
□ The Ansoff's product and market matrix and the diversification strategy
Ansoff proposed the framework of the business growth by the product and market matrix.
It is the growth strategy which cleared up which market what product it supplied with, being clear.
Generally, there are an existence product which was produced from the past and a newly developed product in the company which produces a product.
In the new product, the company which can not be produced can not follow the change of the customer needs in time and is compelled to withdraw from the capital market.
Ansoff which is the authority of the strategy typified the strategy which should be worked out there, making the frame which is called an existence product, and a new product, an existence market and a new market in the focus to 4 patterns of 2×2.
The company aims for the business to grow in attempting to expand business based on existing product and the market.
Ansoff typified strategy to the 4 corner pattern in the matrix which consists of the market of the product and the vertical axis of the transverse.
That is, it arranged market penetration strategy, market development strategy, product development strategy and the 4 corner strategy which consists of diversification strategy in the product and market matrix.
□ The approach by the market penetration strategy
In the market penetration strategy, it works out a strategy to make existing product penetrate in the existence market.
The load and the risk of the new management resource investing can be called little strategy for the company.
It promotes sale to the customer who attempts for the customer unit price to the existence customer to increase in this strategy to attempt to expand market share and doesn't buy an in-house product yet.
Here, the approach which proceeds with the reduction in price of the selling price by the reduction of the production cost of the product and the rationalization of the circulation is caught.
□ The approach by the product development strategy
It is the strategy which does a new product in the launch in existing market.
The strategy which suggests many new products to the existence customer applies.
Because the company wins customer royal tea through some acquaintance product, there is little resistance and the brand loyalty and the buying behavior which depends, boiling in the designation buying can look forward to an existence customer to the new product, too.
□ The approach by the market development strategy
It is the strategy which aims at the expansion of the sales by attempting for the existence product to penetrate to the new market.
There is an approach by the market cultivation by the new use development of the existence product in addition to the case to do a completely new area in the market cultivation, too, in this strategy.
For example, the case as it sells to be for men, too, which is sensitive to the skin care of the skin of the cosmetics for the woman which make skin beautiful is raised.
□ The approach by the diversification strategy
It is the strategy which invests a brand-new product in the new market.
The reason why the company adopts a diversification strategy includes the diversification of risks of one piece of boiling business.
Because it changes a viewpoint and it is the strategy which was stuck out of the existence market, the category of the existence product, the concept, the diversification, applies.
When it is possible that it is possible to utilize the experience and the know-how which was won by the existence business by the new business, because the management resource can be used in common among the different business, in 1+1, the effect which becomes 4, too, can look forward to 3, too.
This is called a synergy effect.
There are an sales synergy, a production synergy, an investment synergy, a business management synergy and so on in the synergy according to the management resource to utilize.
In the diversification strategy, it will not be exaggerated even if it says that the ascertainment of the synergy holds the key whether or not which succeeds in new business's stepping forward.

□ 戦略の系譜
 戦略とはなにか。−企業のあるべき方向と目標を明確に示し、競合に打ち勝つためのビジネスの基本計画を練ること。経営史を紐解いてみると、大きな流れとして、中国における孫子の兵法や、有名な「戦争論」を書いたクラウゼヴィッツなどがよく紹介されます。孫子は地形や兵力などの分析に注目して戦略、戦術を練るべきであると説きました。この考え方は、ポジショニングの概念として、ポジショニング学派のハーバード大学教授マイケル・E・ポーターの競争戦略やファイブ・フォース・モデルなどに受け継がれています。ファイブ・フォース・モデルは、獲物の配分の割り振りを分析した理論であると指摘する学者もいます。
 最近では、資源ベース理論も活発です。競争優位の継続性は、外部環境にその源泉を求めるべきではなく、内部資源(コア・コンピタンス)にこそ競争優位の源泉を求めるべきであるという理論です。J.B.バーニーなどがポーターに議論を起こしています。
 いっぽう、デザイン学派と呼ばれるハーバードのデザイン・スクールでは、経営学と経営史の権威アルフレッド・チャンドラー教授が、戦略の概念を明確にしました。さらに、1960年代に「組織は戦略に従う」という名著で、組織構造は戦略の策定によって必然的に決まることを、デュポンなど、数多くの大企業の分権化の歴史の調査・分析から明らかにしました。
現在も経営戦略の策定ステップでよく使われているSWOT分析は、このデザイン・スクールでケネス・アンドルーズが中心になって詳細化したといわれています。孫子の兵法「己を知り敵を知れば百戦危うべからず」のハーバード版といえるでしょう。
 ここで、代表的なビジネス戦略手法をいくつか紹介しましょう。
 
□競争を無意味にするブルー・オーシャン戦略とは
 
 ブルー・オーシャン戦略は、新市場(ブルー・オーシャン)を切り開き、需要を大きく押し上げるために、差別化とコスト低減を同時に実現できるバリュー・イノベーションで挑みます。INSEAD教授のW・チャン・キムらによって編み出されました。血みどろの戦いが繰り広げられる、従来のレッド・オーシャンでは、企業は、同じベスト・プラクティスによって競争を繰り広げる罠にはまります。
 いっぽう、ブルーオーシャン戦略では、手ごろな価格設定により購入者のバリューを高め、総需要の水準の向上を図り、競争のない市場を創出して、競争そのもを無意味にするアプローチをとります。

□ 業界構造分析に役立つ経営手法−ファイブ・フォース・モデル
 企業の経営リスク・マネジメントを強化するためには、その事業環境を論理的かつ実際的な視点で分析する必要があります。
 企業が置かれている業界の分析手法の代表的なものにファイブ・フォース・モデルがあります。これは、競争戦略の権威である米国のマイケル・E・ポーターが編み出したビジネス理論です。
 市場に存在する5つの競争要因を認識して、業界が持つ魅力度を測定し、分析するための手法です。
 対象の業界を①業界内の競合の存在、②新規参入障壁の高さ、③代替品の存在、④顧客の力、⑤供給業者の力、の5つの視点で分析します。
 業界内に競合が多く存在する状況では、業界の魅力度は低いと判断できます。参入障壁の低い製品・サービスを対象とする業界では、同業者の容易な進出を促すため、業界の魅力度は低下します。代替品の存在は、既存の製品・サービスに対して脅威となりえます。
 また、顧客(買い手)の購買における交渉力が強ければ、企業側の立場は弱くなり、業界の魅力度も下がります。部品・原材料などを供給する供給業者(売り手)の力が強いと、企業側は製品・サービスのコスト上昇のリスクが大きくなり、業界の魅力度は低下します。

□競争戦略とは
 マイケル・E・ポーターは、市場における競争優位のポジションを獲得するために、コスト・リーダーシップ戦略、差別化戦略、集中化戦略からなる3つの基本戦略を提示しています。
 コスト・リーダーシップ戦略は、業界内で最小のコストという優位性によって、市場で競争優位のポジションを確保するための戦略です。
 最小コストを達成するためには、製品・サービスのバリュー・チェーン(価値連鎖)の改革や、製品設計の見直し、調達コストの低減や製造ラインの生産性の向上を図るといったアプローチが必要です。
 差別化戦略は、競合他社にはない独自性や特徴を追求し、競合他社の追随を跳ね除けて、独自の土俵で製品・サービスをブラッシュ・アップする戦略です。競合他社にない機能や、デザイン、サービス、インセンティブ、ブランド、配送など、様々な差別化手段があります。
 集中化戦略では、業界の特定の市場セグメントにフォーカスして、限定された範囲の市場で競争優位のポジションの獲得を狙います。
 経営資源に限界がある中堅・中小企業や、ベンチャー企業は、ニッチ(狭い)市場に経営資源を集中化することにより、独自の製品・サービスを創造し、その市場で覇者になることも可能です。
□ベンチ・マーキンとは
優秀企業とのギャップ分析で改革を進めるベンチ・マーキング
ベンチ・マーキングは、先進的な同業他社や競合他社の優れたビジネスのやり方や業務プロセス、製品、サービス、財務などを自社のものと比較、分析し、そのギャップを埋めるための企業改革を図っていくための手法です。ベンチ・マーキングの起源は、米国のゼロックスが業績不振に陥っていたとき、ロバート・C・キャンプがコンサルタンとして経営指導した手法に求めることができます。
ベンチ・マーキングでは、企業の核となる能力やノウハウ、技術、マネジメント・スキルなど、いわゆるコア・コンピタンス(企業の核となる強み)を見極める必要があります。
次にこのギャップを埋め、競合に打ち勝つために目標基準を設定し、ビジネスの改革を図っていきます。ベンチ・マーキングにより、目標とすべき企業のベスト・プラクティス(優れたビジネスのやり方)に習い、アクション・プランによる改革を図っていくことができます。ベンチ・マーキングの方法論の代表的なものには、①戦略的ベンチ・マーキング、②競合ベンチ・マーキング、③プロセス・ベンチ・マーキング、④社内ベンチ・マーキングの4種類を挙げることができます。
戦略的ベンチ・マーキングでは、世界レベルの経営戦略のベスト・プラクティスを見習って、戦略の方向性を明確にし、経営資源の戦略的な最適配分を行ないます。競合ベンチ・マーキングでは、世界中の同業の競合他社と業績、経営方法、プロセス、方法論などの違いを見極め、競合に優位に立つための方策を検討します。プロセス・ベンチ・マーキングでは、具体的な業務活動のプロセスを改善します。開発プロセスは競合に勝っているが、生産力が弱い場合には、生産力の強化に向けた戦略を練ります。ここでは、革新的な生産方法の開発や生産設備の増強、生産システムの強化といった選択肢が浮上してきます。例えば、生産リードタイムがライバルに比べて2倍かかっているケースや一人当たり売上高がライバルよりも少ないことが判明すれば、そのギャップを埋めるためにいかなる対応を図っていくべきなのかを検討することになります。社内ベンチ・マーキングでは、グループ企業、他工場、他事業所など、対象が企業グループ内に存在し、社内でのベストな手法やプロセスの水平展開を図ります。

SWOTで経営戦略を策定する
SWOTは、企業を取り巻く外部環境(政治、経済、為替変動、業界、競合状況、顧客など)と内部環境(人、モノ、金、情報、組織、ビジネス・プロセス、チャネル、経営状況など)を強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)、脅威(Threats)の4つのカテゴリーで要因分析を行い、事業環境変化に対応した経営資源の最適活用を図るうえで役立つ経営戦略策定の手法です。SWOT(スウォット)の4つのアルファベットは、強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)、脅威,(Threats)を意味しています。
SWOTでは、クロス分析という特徴ある戦略ロジックを用います。クロス分析では、企業を取り巻く内部環境と外部環境における強み、弱みを見極め、相互の最適な組み合せを考えます。ここでは、自社の強みを活かした事業機会は何かを探り、自社の強みによって脅威を回避できないかを検討します。また、機会に乗じて弱みを強みに転換する戦略を検討できます。さらに、脅威と弱みが鉢合わせになるリスクの回避策を練ります。
SWOT分析により、経営資源の最適化、ビジネスの再構築を図るための経営課題を見極め、優先順位付けを行い、具体的なテーマにブレークダウンしていくステップを踏むことで、企業戦略課題の解決を図っていくことができます。戦略的経営の実践ステップは、環境分析、自社分析、戦略選択、戦略実行となります。
 ここで、SWOT分析の使い方を具体的に考えてみましょう。例えば、ある大手自動車メーカーで、業界トップレベルの技術を持ちながら、優秀な人材の活用が図れていない場合、成長の著しい分野に活用できていない人材を投入し、新市場に参入する戦略を練ることができます。また、強みとして品質やデザイン、ブランド力を有している場合、その強みを活かした新製品の開発、販売により、競合による値引き攻勢に対処する戦略が考えられます。さらに、全国の拠点に存在しているディーラー店の維持費が経営を圧迫して弱みになっている場合はどうでしょう。逆に弱みである特約店販売の経営資源を活用して、地域密着型の販売政策を強化する戦略も選択肢として検討できるケースも出てくるでしょう。いっぽう、流通の中抜きが進み、インターネット販売などによる直接販売がこの企業にとって脅威となっている場合には、弱みであるディーラー店販売のチャネルが影響を受けないように対策を練る必要があります。

□アンゾフの製品・市場マトリックス多角化戦略
 アンゾフは、企業成長のフレームワークを製品・市場マトリックスで提唱しました。どの市場にどのような製品を供給するかを明確に解き明かした成長戦略です。
 製品を生み出している企業では、通常、過去から生産されてきた既存製品と、新規に開発した製品があります。新製品を輩出できない企業は、いずれ、顧客ニーズの変化に追随できず、資本市場から撤退を余儀なくされることになります。戦略の権威であるアンゾフは、既存製品と新製品、既存市場と新市場という枠組みにフォーカスし、そこで策定されるべき戦略を、2×2の4パターンに類型化しました。
企業は、既存の製品および市場をベースに事業拡大を図っていくことで、事業成長を目指します。アンゾフは、横軸の製品と縦軸の市場からなるマトリックスにおいて、4つのパターンに戦略を類型化しました。すなわち、市場浸透戦略、市場開発戦略、製品開発戦略、および多角化戦略からなる4つの戦略を製品・市場マトリックスに配置しました。
□市場浸透戦略のアプローチ
 市場浸透戦略では、既存市場において、既存の製品を浸透させる戦略を練ります。企業にとって新たな経営資源投入の負担とリスクが少ない戦略といえます。この戦略では、マーケット・シェアの拡大を図るために、既存顧客に対する顧客単価の増大を図るとともに、未だ自社製品を購入していない顧客に対しては、販売を促進していくことになります。
ここでは、製品の原価の低減による販売価格の値下げや、流通の合理化を進めていくアプローチがとられます。
□製品開発戦略のアプローチ
 既存の市場で、新規の製品を市場投入していく戦略です。既存顧客に新製品をいくつも勧める戦略が当てはまります。既存顧客には、なじみある製品を通じて、顧客ロイヤルティを企業が獲得しているため、新製品に対しても、抵抗が少なく、ブランド志向や、指名買いによる購買行動が期待できます。
□市場開発戦略のアプローチ
 新市場に対して、既存製品の浸透を図り、売上の拡大を狙う戦略です。この戦略では、まったく新規のエリアを市場開拓する場合だけでなく、既存商品の新用途開発による市場開拓のアプローチもあります。例えば、肌を美しくする女性用化粧品を、肌のスキンケアに敏感な男性向けにも販売するようなケースが挙げられます。
多角化戦略のアプローチ
 新市場において、まったく新しい製品を投入する戦略です。 多角化戦略を企業が採用する理由として、一つに事業のリスク分散があります。視点をチェンジして、既存市場、既存製品の範疇からはみ出た戦略であるため、多角化という概念が当てはまります。
 多角化戦略は、ターゲットの市場が有望で、自社の経営資源の有効活用が可能な場合には、事業の成功確率が高くなってきますが、自社が保有し、蓄積してきた経営資源とはまったく関係がないような新規事業に進出する場合、未経験の人材による新規事業の立ち上げのリスクは、非常に大きなものになる傾向があります。
 既存事業で獲得した経験やノウハウを新規事業で活かせることができる場合、経営資源を異なる事業間で共通利用できることから、1+1が、3にも4にもなる効果が期待できます。これを、シナジー(相乗効果)と呼んでいます。シナジーには、活用する経営資源によって、販売シナジー、生産シナジー、投資シナジー経営管理シナジーなどがあります。多角化戦略では、シナジーの見極めが、新規事業進出に成功するか否かの鍵を握っているといっても過言ではないでしょう。
 多角化戦略の種類には、既存事業の強化を図る垂直多角化、同一タイプの顧客を対象とする水平多角化シナジー効果を利用して類似の顧客を対象とする集中型多角化シナジー効果が活かせない新規顧客・新市場を対象とするコングマリット型多角化があります。