チームワーキングとリーダーシップ

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チームワーキングとリーダーシップ

■ コミュニケーションの形成とメンバーの持つ能力の発揮
 プロジェクトの推進においては、チームワーキングができるコミュニケーションの形成がポイントになります。
□ ミッションと課題を共有できる場作り
 ノーベル化学賞を受賞した田中耕一氏は、化学は高校で学んだ程度で、大学では電気工学を専攻したとのことです。田中氏にとって、授賞対象の化学は専門分野外の研究領域であったことになります。田中氏は、質量分析装置開発におけるソフト脱離イオン化法による受賞は、各種の専門技術分野のメンバーによるチームワークの成果であることを強調しています。
プロジェクトを成功に導くためには、チームが一体となることが必要であると同時に、個人の弱みは、チームのパワーでカバーできます。メンバーは個人の役割の達成に関心をもつだけではなくではなく、チームとしての課題の達成のために、メンバーの各々がいかに貢献すべきかという視点を行動の原点に据えることが重要です。そのためには、メンバー間で、プロジェクトのミッションと課題を共有できる場作りが必要です。プロジェクトリーダーがリーダーシップを発揮するためには、メンバーが持つ能力を最大限に発揮させるための環境作りからスタートする必要があります。この環境作りとは、メンバー間における信頼関係の形成を目指したコミュニケーション作りを行うことにあります。
□ 達成感による好循環の場と情報共有化の仕組み
ここでは、メンバーに自分の役割、担当をしっかり理解してもらうことが前提条件になります。自己の担当業務をこなすことでやりがいや達成感をメンバーが享受できる雰囲気作りが、プロジェクトリーダーとしてのSEの担うべき大きな役割といえます。課題の解決を通じての達成感が次の仕事をこなすためのエネルギーとなって、チーム全体の生産性の向上につながってくるからです。特にプロジェクトの規模が大きくなってくると、このような好循環の場を形成できるかどうかが、プロジェクトの成否を左右する大きなファクターになります。
ゴールまでの道のりが長い大規模プロジェクトでは、各メンバーのベクトルが揃わずに、個々人のエネルギーが分散した形でプロジェクトが進行すると、巨艦がとんでもない方向に進み、舵を進むべき方向に戻すのに多大な時間と労力ならびにコストを要する事態を招くことが多々あります。
システムは、数多くのモジュールから構成されており、相互が関連を持っています。メンバーの各々が組織の歯車の役割を担っており、歯車のひとつでも機能しなくなると、その影響は様々な形でシステム全体に波及してきます。その意味で、プロジェクトの全体像が常に把握できるように、プロジェクトリーダーが中心となって、メンバーの全員が、システム開発に関わる各種情報の共有化を図ることができるような仕組みが整備される必要があります。プロジェクトの進捗会議を頻繁に開催し、プロジェクト推進上で発生する様々な問題や課題を個人レベルで抱え込まないで、メンバー全員で共有し、新たな問題や課題が各メンバーが担当する業務にどのような影響を及ぼすのかを十分に分析し、全体最適の視点に立って、対策を総合的に図っていくアプローチが望まれます。
進捗会議に参加したメンバーは常に問題意識をもって、自分の役割、ポジションを明確に把握している必要があります。メンバーは、主体的な姿勢で、会議に参加し、積極的な発言により、プロジェクトが抱える問題点や課題をチームワークによって解決していくスタンスを持つように心がけましょう。自分を含めたチームのメンバーそれぞれの役割を認識し、各メンバーが役割を果たせるように協力する姿勢が大切です。協調性を確保しながらも、自分の意見・考えを行動が伴う具体的なアイデアとして会議の場で提示する積極性が望まれます。また、会議では、一方的な批判的発言はチームワークの形成にとって支障を来たす場合もあります。
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