ピラミッドとプロジェクトの意味するものとは

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□プロジェクトはナレッジの結晶体

 古代ピラミッドの構築プロジェクトでは、目的の品質とコスト、納期を達成するためには、建築技術、土木技術、資材を調達するためのロジスティクス技術、天文学、数学など、各種の基幹技術や学問の専門性が要求されたことでしょう。

 多くの労働者や技術者、専門家を効率よく配置し、個々人の技量を最大限に発揮させるには、優れた統率能力と、緻密な計算能力、壮大な構想力を兼ね備えたリーダーが存在したと考えられます。古代、様々な国家レベルのプロジェクトが世界中で行われてきたことでしょう。

 その中には、失敗したプロジェクトもあれば、様々な困難を乗り越えて成功に導いたプロジェクトもあったことでしょう。歴史に残る名プロジェクトとして、後世に言い伝えられるプロジェクト案件を経験してみたいと望むものでしょう。

 いずれにしても、職業人としてのいきがいや、やりがいにつながるようなプロジェクト活動でありたいものです。熱砂の砂漠に立つ岩石の集積体であるピラミッドの威容と均整の取れた景観には、圧倒されるものがありますが、そこには、緻密に計算され尽くした人間の叡知とエネルギーの結晶が今も息づいています。

 プロジェクトは、ある意味で、均整の取れたナレッジの集積体と言えなくもありません。プロジェクトとは、クライアントの目に見えないニーズをシステムのハードという目に見えるオブジェと、目に見えないソフトというナレッジの集積体に変換する仕事といえます。

 いわゆる有形資産(Tangible Asset)と無形資産(Intangible Asset)の集合体と言えなくもありません。ピラミッドでは、様々な寸法と重量を持つ岩石を緻密な立体強度計算によって適正な位置に配置することで、総体としてのピラミッドが形成されています。ピラミッドを構成する無数の岩石は、システムのソフトを構成する数多くのモジュールにたとえることができます。

 ひとつひとつの岩石の存在は、ピラミッドを眺める旅人から見れば、点の存在にしか見えないでしょう。しかしながら、ピラミッドを構成するこの点に過ぎない一つ一つの岩石は、ピラミッドにとってなくてはならない存在であり、それらの幾つかが破壊されたりすると、徐々にピラミッド本体を崩壊に導く遠因にもなりかねません。システムのソフトを構成する個々のモジュールもピラミッドの岩石と同じような役割を担っているといえます。

 システムのソフト機能を支える個々のモジュールは、あるべき機能を発揮することで、その存在価値が明確になります。いっぽう、品質に問題があるソフトのモジュールは、システム全体に侵食を繰り返し、場合によっては、システム全体を崩壊に追いやる事態に発展させることもあります。

 プロジェクトリーダーは、メンバー個々人の能力が、組織のチームワーキングの結果として総体的に発揮されなければシステムは機能しないということをよく認識することが大切です。

 プロジェクトでは、予期しない様々なリスクに見舞われます。困難に直面した時に最初に行うべきことは、自己能力の確認と、不足する能力やパワーに対して支援を仰げそうな上司やメンバーなど、周りのマンパワーをいかに取り込むかということです。自己の力と周りの力を掛け合わせることで、相乗効果が発揮できます。場合によっては、自ら新しいストリーム(流れ)を作り出す努力も必要です。困難なストリーム(流れ)は、自らの意思で変えていかなければ、難局を乗り越えることはできません。